にしな特集|大切な人との永遠の別れ──新曲「輪廻」で歌う、巡り合いの先にある希望 (2/2)

にしなが考える、フェスの醍醐味

──ご自身の作品以外だと、indigo la Endが1月に発表したアルバムの収録曲「夜凪 feat.にしな」に参加されていましたよね。

はい。ライブにも2回出演させてもらいましたが、すごく緊張しました。客演としてほかのアーティストのワンマンに参加するのは初めてだったので、「どんなモニター環境なんだろう?」とかいろいろな不安はありましたね。でも皆さんとても温かく迎えてくださって、最終的には楽しくやらせてもらえました。

──川谷絵音さんというと、にしなさんの歌声をずっと賞賛されてきた方というイメージがあります。

本当にありがたいです。川谷さんがどう思ってくださっているかはわからないのですが、自分にとってはいろいろなきっかけを与えてくれた存在です。にしなの活動をちゃんと広げていくことも川谷さんに対する恩返しだと思いますし、indigo la Endというずっと大好きだったバンドの作品に参加させてもらったことで少しでも何かを返せていたらすごくうれしいです。

にしな

──にしなさんはこれまで複数のアーティストの楽曲に参加していますが、今コラボしてみたいアーティストはいますか?

女性アーティストの楽曲に参加したことがないのでやってみたいですね。声の相性的にどうなるのか、自分の声と合う女性アーティストはどんな方なのか気になります。あと、海外のアーティストの方の作品にも参加してみたいです。

──海外でライブをやる日本のアーティストも増えていますが、そういう願望はありますか?

まず語学面で自信がないんですが(笑)、海外でライブができたらいろいろ広がりそうな気がするのでやってみたい気持ちはあります。

──最近はフェスへの出演も増えていますよね。「MUSICK 2」の直後には「TAKASAKI CITY ROCK FES.」に出演されていました。

「TAKASAKI CITY ROCK FES.」は初めてだったので「どういう感じなんだろう?」と思っていたんですが、ツアーで育んだエネルギーを持って行けましたし、にしなのことをあまり知らない人とも一緒に楽しい時間を過ごせた気がして「これがフェスの醍醐味だよな」って改めて感じました。今年はいろんな夏フェスにも出させていただきますし、その後は学園祭もあるので、お互いオープンハートで楽しめたらいいなと思います。

にしな
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──フェスはお好きなんですか?

もともと好きではあるんですが、どんどん好きになってます。カッコいいミュージシャンのライブが観られますし、ごはんがおいしいですよね(笑)。もちろん、どのアーティストが出演するかは重要だと思いますが、純粋に音楽自体を楽しみに遊びに来ているお客さんが集まっている印象があって、「一緒に音楽で遊ぼうよ」という気持ちになれるのもいいですよね。「一緒に楽しい思い出を作りたい!」っていう気持ちになります。

──フェスで観たアーティストで特に印象的なライブはありますか?

郷ひろみさんです。「郷ひろみだ! スターだ!」と思いました(笑)。実際にライブが始まったら老若男女が歓喜していて本当にスターでした。長く活動し続けている方のすごさを感じましたね。あそこまで自分の道を極められるのは本当に素敵だし、憧れます。あと、サンボマスターのライブもすごくカッコよくて、会場を出なければいけない時間が近付いていたのにボロ泣きしながら観てました(笑)。

もらったものを少しずつでも返していきたい

──今後やりたいことはありますか?

アルバムはそろそろ出したいですね。

──2ndアルバム「1999」から3年経ってますもんね。

そうなんです。今、自分のフェーズとしては、まずそのとき自分がやりたいことを大切にすることを重視しているということもあって、次のアルバムにはいろいろな方向を見ている曲が収録されるんだろうなと思っています。飽きがこずに何度も聴いてもらえるような盤になったらいいな。

にしな

──「今自分がやりたいことをやればいいんだ」という覚悟が決まったところがある?

私の場合、めっちゃ真面目に「曲を書こう!」って思うときもありますし、ラフに「こういう曲作っちゃおうかな」って思うときもある。それが自分の性格なんですかね。昔は「そんなマインドで大丈夫かな?」と悩んだこともあったんですが、「自分はこういう人間だから、たとえ曲がいろいろな方向を向いていても楽しく活動できたらいいかな」とある意味あきらめがついてきた。それを覚悟と呼んでもいいのかもしれません。

──2025年に成し遂げたいことはありますか?

いろいろな景色を見たいという気持ちは引き続きありつつ、お米を作ることに興味があります。日本のお米を守っていきたい気持ちがあって。それと、前までは自分のために自分がやりたいことをがんばらなきゃいけないっていう気持ちが強くあったんですが、今はそれに加えて、「少しでも誰かの役に立てたらうれしいな」と思うようになりました。周りの人が与えてくれた心の余裕から来ているのかもしれません。「輪廻」の話に通じるかもしれませんが、もらったものを少しずつでも周りに返していきたい。自分が生まれた国をいい形で未来に残していきたいんです。「これから生まれてくる子供たちが未来なんだな」と思う機会が増えていて、自分に余力があるならその子たちに対して何かアプローチしてあげたいという気持ちもあるんです。あと、周りの大人たちが教えてくれることがたくさんあって、それによって子供が笑ってくれると感じることが増えている。その瞬間の積み重ねかもしれません。何が自分にできるのかをたくさん考えていきたいです。

にしな

公演情報

にしな ツアー2026

  • 2026年3⽉29⽇(⽇)福岡県 Zepp Fukuoka
  • 2026年4⽉4⽇(⼟)大阪府 Zepp Namba(OSAKA)
  • 2026年4⽉5⽇(⽇)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2026年4⽉12⽇(⽇)北海道 Zepp Sapporo
  • 2026年4⽉18⽇(⼟)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
  • 2026年5⽉23⽇(⼟)宮城県 Rensa
  • 2026年5⽉30⽇(⼟)岡⼭県 CRAZYMAMA KINGDOM
  • 2026年6⽉6⽇(⼟)石川県 REDSUN
  • 2026年6⽉13⽇(⼟)香川県 ⾼松オリーブホール
  • 2026年6⽉20⽇(⼟)熊本県 熊本B.9 V1

プロフィール

にしな

1998年生まれ、東京都出身。優しくもはかなく、中毒性のある歌声で注目される。「ランデブー」「真白」「夜間飛行」など、2020年10月から6カ月連続で配信限定楽曲をリリースし、「スペースシャワー列伝」が注目の新人を選出する「SPACE SHOWER RETSUDEN NEW FORCE」やSpotifyのニューカマープレイリスト「RADAR:Early Noise 2021」に選ばれた。2021年4月に1stアルバム「odds and ends」でワーナーミュージック・ジャパンからメジャーデビュー。2022年7月には2ndアルバム「1999」を発表した。2025年2月にNHKドラマ「リラの花咲くけものみち」の主題歌「つくし」を発表し、6月にワンマンツアー「MUSICK 2」を開催。8月には新曲「輪廻」を配信リリースした。