秘密結社ニルヴァージュ∀「SUPER DRIVE」発売記念インタビュー|メンズアイドル界をぶっ壊す6人組渾身の1stシングル (2/3)

1回クビになったあと丸坊主に

──話題は尽きませんが、話を戻しますね。次に加入したメンバーはどなたですか?

アヤァ つきじろう。(ツキノ)とぴょんと(兎北斗)ですね。ぴょんとはセイゴの紹介で知り合いました。最初からめちゃくちゃ変だったんですよ。アイドルの面接だから普通は私服で来るじゃないですか。でもこいつは、なぜかピチピチのリクルートスーツでやって来て。

一同 アハハハ!

アヤァ 場所はカラオケ館で、僕が部屋で待っていたら、スーツ姿のぴょんとがドアをノックして「失礼します!」って入ってきて。そのまま座らないんですよ。

兎北斗 言われるまで座っちゃダメだと思って!

アヤァ 変なやつだなと思ったけど、セイゴの紹介だし、声も特徴的でいい感じだから採用しようと。

──そもそも兎北斗さんは、なぜニルヴァージュに入りたいと思ったんですか?

兎北斗 僕も歌い手をやっていてライブが好きだったんですけど、自分の環境を変えたかったんです。最終的には、その頃は大学に通っていたので、アヤァさんが「学業を優先していいよ」と言ってくれたことが大きかったですね。

兎北斗

兎北斗

──これは聞いていいのかわからないんですけど、去年2月にグループの公式アカウントが投稿したツイートで、「ラストチャンス」という看板を持った坊主姿の兎北斗さんの映像を観まして。

アヤァ こいつは1回クビになっているんですよ。というのも、ファンの子と一度つながったんです。うちは一度でもファンの子に手を出したら即クビにしていて、ぴょんともクビにしたんですけど、1年くらい経ってセイゴが「アヤァさん、話したいことがあるんですけど」と言ってきて。渋谷のROCKAHOLICに呼び出されて行ったら、坊主になったこいつがいて、「もう1回、やらせてくれませんか」と言われたんです。でも、別にうちじゃなくてもいいじゃないですか。ファンとつながっても大丈夫なグループに行けばいいのに、わざわざ頭を丸めて戻って来たから、その男気を買って再加入させることにしました。

──坊主にまでして戻りたいと思ったのは、どうしてだったんですか?

兎北斗 やっぱり……メンバーのことが好きなんです。それが一番の理由ですね。

ステージに上がったらお客さんが2人

アヤァ で、つきじろう。に関しては違うグループにいて「尖ったやつがいるな」と思っていたんですよ。そのグループを辞めたと聞いて声をかけました。

ミカヅキ=ツキノ アヤァさんが話していたようなメンズアイドルに対するヘイトが、そのグループにいてどんどん溜まっていったので、抜けることにしました。そこから別のグループを探しつつどうしようかと悩んでいたときに、アヤァさんに声をかけてもらって。活動に対する考え方とか、ロックサウンドが好きなこととか、いろいろと合致するところがあったんですよね。あと加入するにあたって「ニルヴァージュって、対バンイベントはどれくらいお客さんの動員数があるんですか?」と聞いたら「50人います」と。対バンでその数を呼べるのってかなりすごいから、売れてるじゃんと思って「ぜひ、入らせてください」と言ったんです。ただ蓋を開けたら、対バンのお客さんは4人でしたからね! めちゃくちゃ嘘つかれた!(笑)

ミカヅキ=ツキノ

ミカヅキ=ツキノ

アヤァ 嘘じゃないっす! 50人呼べたときもあるんですよ。だけど、集客力のあったメンバーが抜けちゃったので(笑)。

セイゴ 今でこそLIQUIDROOMやO-EASTでワンマンをやれるようになりましたけど、昔はエグかったですよ! 結成当初はアヤァさんもそうですし、ほかのメンバーもニルヴァージュ以外のグループと掛け持ちしていたんです。このグループ1本だけで活動していたのは、僕と抜けたメンバーの2人しかいなくて。あるとき、その2人でライブをすることになったんですけど、それがガールズイベントだったんすよ。女の子のグループが6組いる中、メンズグループは僕らのみ。ステージに上がったらお客さんが2人しかおらんくて。

──もはやリハみたいな(笑)。

セイゴ 月15本くらいのライブはそんな感じでしたよ! 僕はアイドル活動が初めてやったから「こういうもんなんや」と思いながらがんばっていたんですけど、もう1人のメンバーは耐えられなくなって辞めました(笑)。

名前を半年覚えなかった

──続いて加入したのはどなたですか?

アヤァ マークですね。えぴっくすたぁで一緒に活動していた仲なんです。あるとき、酉の市に行って一緒に酒を飲んでいたんですけど、マークもアイドルがファンとつながっていることとか、ライブへの姿勢について苛立ちが溜まっていて。酒を飲んだ勢いで「お前もさ、ニルヴァージュに入っちゃえば?」と誘ったら「そうするか!」という話になり、えぴっくすたぁと兼任という形で活動したあと、こっち1本になったんだよね。

マーク=ノースヴィレッジ アヤァとはえぴっくすたぁの頃から、特典会やライブでの姿勢について話していたので、お互いに意見は合っていると思っていたんですよね。何よりニルヴァージュのほうが、ちゃんと自分のやりたいことができるなと思いました。ただ、えぴっくすたぁとは真逆の雰囲気のグループだから、いざ加入するにあたって、ここに自分が入っても大丈夫なのかなという不安もあって。

マーク=ノースヴィレッジ

マーク=ノースヴィレッジ

ツキノ 最初は、入れることを反対してたもん。

セイゴ ツキノはマークの名前を半年覚えませんでした!

マーク ずっと「あいつ」って呼ばれてましたね。

一同 アハハハ。

ツキノ なんて言うんだろう? ニルヴァージュは変なメンツが多い中、マークは“普通代表”みたいな感じだし、そもそも彼の存在を知らなかったんですよ。えぴっくすたぁってわりとメンバーの個性が強いんですけど、1人だけ知らなくて。その知らないメンバーが入るとなったから「誰だよ!」みたいな。今は、入ってくれてよかったと思うけど。

──どこで心を許せるようになったんですか。

サク 定期的にごはんを奢ってくれるからね(笑)。

ツキノ それはめっちゃデカい!

アヤァ マークはめっちゃ優しいんですよ。奢っているわけじゃなくて、奢らされているんです。

マーク そうそう。「ライブが終わったらごはん行こうよ。うちは1000円しか持ってないけど」って言って、5000円くらいするとこに連れて行かれるんです。

ツキノ あと、いつも自主練に付き合ってくれたのがマークだった。そこで「ニルヴァージュについて、本気で考えているんだな」と気を許せるようになりました。