1回クビになったあと丸坊主に
──話題は尽きませんが、話を戻しますね。次に加入したメンバーはどなたですか?
アヤァ つきじろう。(ツキノ)とぴょんと(兎北斗)ですね。ぴょんとはセイゴの紹介で知り合いました。最初からめちゃくちゃ変だったんですよ。アイドルの面接だから普通は私服で来るじゃないですか。でもこいつは、なぜかピチピチのリクルートスーツでやって来て。
一同 アハハハ!
アヤァ 場所はカラオケ館で、僕が部屋で待っていたら、スーツ姿のぴょんとがドアをノックして「失礼します!」って入ってきて。そのまま座らないんですよ。
兎北斗 言われるまで座っちゃダメだと思って!
アヤァ 変なやつだなと思ったけど、セイゴの紹介だし、声も特徴的でいい感じだから採用しようと。
──そもそも兎北斗さんは、なぜニルヴァージュに入りたいと思ったんですか?
兎北斗 僕も歌い手をやっていてライブが好きだったんですけど、自分の環境を変えたかったんです。最終的には、その頃は大学に通っていたので、アヤァさんが「学業を優先していいよ」と言ってくれたことが大きかったですね。
──これは聞いていいのかわからないんですけど、去年2月にグループの公式アカウントが投稿したツイートで、「ラストチャンス」という看板を持った坊主姿の兎北斗さんの映像を観まして。
アヤァ こいつは1回クビになっているんですよ。というのも、ファンの子と一度つながったんです。うちは一度でもファンの子に手を出したら即クビにしていて、ぴょんともクビにしたんですけど、1年くらい経ってセイゴが「アヤァさん、話したいことがあるんですけど」と言ってきて。渋谷のROCKAHOLICに呼び出されて行ったら、坊主になったこいつがいて、「もう1回、やらせてくれませんか」と言われたんです。でも、別にうちじゃなくてもいいじゃないですか。ファンとつながっても大丈夫なグループに行けばいいのに、わざわざ頭を丸めて戻って来たから、その男気を買って再加入させることにしました。
──坊主にまでして戻りたいと思ったのは、どうしてだったんですか?
兎北斗 やっぱり……メンバーのことが好きなんです。それが一番の理由ですね。
ステージに上がったらお客さんが2人
アヤァ で、つきじろう。に関しては違うグループにいて「尖ったやつがいるな」と思っていたんですよ。そのグループを辞めたと聞いて声をかけました。
ミカヅキ=ツキノ アヤァさんが話していたようなメンズアイドルに対するヘイトが、そのグループにいてどんどん溜まっていったので、抜けることにしました。そこから別のグループを探しつつどうしようかと悩んでいたときに、アヤァさんに声をかけてもらって。活動に対する考え方とか、ロックサウンドが好きなこととか、いろいろと合致するところがあったんですよね。あと加入するにあたって「ニルヴァージュって、対バンイベントはどれくらいお客さんの動員数があるんですか?」と聞いたら「50人います」と。対バンでその数を呼べるのってかなりすごいから、売れてるじゃんと思って「ぜひ、入らせてください」と言ったんです。ただ蓋を開けたら、対バンのお客さんは4人でしたからね! めちゃくちゃ嘘つかれた!(笑)
アヤァ 嘘じゃないっす! 50人呼べたときもあるんですよ。だけど、集客力のあったメンバーが抜けちゃったので(笑)。
セイゴ 今でこそLIQUIDROOMやO-EASTでワンマンをやれるようになりましたけど、昔はエグかったですよ! 結成当初はアヤァさんもそうですし、ほかのメンバーもニルヴァージュ以外のグループと掛け持ちしていたんです。このグループ1本だけで活動していたのは、僕と抜けたメンバーの2人しかいなくて。あるとき、その2人でライブをすることになったんですけど、それがガールズイベントだったんすよ。女の子のグループが6組いる中、メンズグループは僕らのみ。ステージに上がったらお客さんが2人しかおらんくて。
──もはやリハみたいな(笑)。
セイゴ 月15本くらいのライブはそんな感じでしたよ! 僕はアイドル活動が初めてやったから「こういうもんなんや」と思いながらがんばっていたんですけど、もう1人のメンバーは耐えられなくなって辞めました(笑)。
名前を半年覚えなかった
──続いて加入したのはどなたですか?
アヤァ マークですね。えぴっくすたぁで一緒に活動していた仲なんです。あるとき、酉の市に行って一緒に酒を飲んでいたんですけど、マークもアイドルがファンとつながっていることとか、ライブへの姿勢について苛立ちが溜まっていて。酒を飲んだ勢いで「お前もさ、ニルヴァージュに入っちゃえば?」と誘ったら「そうするか!」という話になり、えぴっくすたぁと兼任という形で活動したあと、こっち1本になったんだよね。
マーク=ノースヴィレッジ アヤァとはえぴっくすたぁの頃から、特典会やライブでの姿勢について話していたので、お互いに意見は合っていると思っていたんですよね。何よりニルヴァージュのほうが、ちゃんと自分のやりたいことができるなと思いました。ただ、えぴっくすたぁとは真逆の雰囲気のグループだから、いざ加入するにあたって、ここに自分が入っても大丈夫なのかなという不安もあって。
ツキノ 最初は、入れることを反対してたもん。
セイゴ ツキノはマークの名前を半年覚えませんでした!
マーク ずっと「あいつ」って呼ばれてましたね。
一同 アハハハ。
ツキノ なんて言うんだろう? ニルヴァージュは変なメンツが多い中、マークは“普通代表”みたいな感じだし、そもそも彼の存在を知らなかったんですよ。えぴっくすたぁってわりとメンバーの個性が強いんですけど、1人だけ知らなくて。その知らないメンバーが入るとなったから「誰だよ!」みたいな。今は、入ってくれてよかったと思うけど。
──どこで心を許せるようになったんですか。
サク 定期的にごはんを奢ってくれるからね(笑)。
ツキノ それはめっちゃデカい!
アヤァ マークはめっちゃ優しいんですよ。奢っているわけじゃなくて、奢らされているんです。
マーク そうそう。「ライブが終わったらごはん行こうよ。うちは1000円しか持ってないけど」って言って、5000円くらいするとこに連れて行かれるんです。
ツキノ あと、いつも自主練に付き合ってくれたのがマークだった。そこで「ニルヴァージュについて、本気で考えているんだな」と気を許せるようになりました。
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人間の泥臭い熱さを感じた