ナタリー PowerPush - 人間椅子
和嶋慎治と大槻ケンヂのサブカルバンド人生
性別を越えて発光するまでがんばりましょう
大槻 ところで最近さ、「伝説の」って言われない?
和嶋 「あの」とか、上に定冠詞がつくね。
大槻 オレ、「伝説の」って言われたときに、25周年までは腹立ってたの。現役でやってるのになんだって。でも25年過ぎた頃から、そんなに気にならなくなってきた。それはプロレスで長州力とかがレジェンドって呼ばれてて、それを見てるからかも。
和嶋 それは、完全にプロレスに影響されてますね(笑)。
大槻 だから、レジェンドって言ってくれればいいのに。
──「和嶋慎治×大槻ケンヂ、2大レジェンド対談」ってタイトルにします?(笑)
大槻 うーん、やっぱりイヤだなあ(笑)。
和嶋 僕は「伝説の」とか言われてもそんなに腹は立たないですよ。スポーツ選手は30代でピークが来ちゃうじゃない? 僕らミュージシャンは体力だけでやってるわけじゃないので、息長くやれるのがいいなって。しかも売れ線の人とか、若い頃のカッコよさがなくなってくけど、僕ら年取ってもやれるし、いい仕事ですよ。
大槻 そーだね。だからさ、BUCK-TICKとかは偉いよね。今も美しさをキープしてるからね。素晴らしいと思いますよ。デヴィッド・ボウイみたいなものでしょ。美しいおじいさんになりましたもんね。我々はそっちじゃないですからね。ロニー・ジェームス・ディオみたいな。
和嶋 ちょっと妖怪、人間ではない感じのほうですね(笑)。
大槻 ロニーも晩年はすごかったな、おばあさんみたいで。スティーブン・タイラー、キース・リチャーズとかも、おばあさんじゃない。
──あと今ではミック・ジャガーとパティ・スミスとジェーン・バーキンの見た目が同じ人になりましたね(笑)。
大槻 そうそう(笑)。男か女かわからなくなるんだよね。
和嶋 我々も性を越えるべきでしょう。僕らはわけわからない人間になっていい職業なんですよ。
大槻 「今ステージに立ってる人はそもそも男か女か、老人なのか人間なのか」って言われるくらいじゃないとダメですよ。
和嶋 内田裕也さんを道で見たんですけど、ギラっと光る感じがして、数百メートル手前でわかるんですよね。
大槻 前に美輪明宏さんを街で見かけたことがあって、そしたら美輪さんが歩いてると、モーゼみたいにみんな道を開けるんだよね。そのときも光ってたな。
──超越した人は、発光するんですかね。
和嶋 しますね。長く続けてる人って自然とそうなるみたいですよ。
大槻 そうなれるかな、我々の世代で。
和嶋 大丈夫でしょう。大槻くんも街中で見かけると、「ん?」って思ったし(笑)。
大槻 でもまあ、まだまだだね。美輪さんクラスにならないとだね。
和嶋 性別を越えて発光するまでがんばりましょう。
公演情報
- ワンマンツアー「人間椅子レコ発ツアー~萬燈籠~」
- 2013年9月12日(木)北海道 札幌BESSIE HALL
- 2013年9月15日(日)青森県 青森Quarter
- 2013年9月16日(月・祝)宮城県 仙台enn 2nd
- 2013年9月20日(金)福岡県 博多DRUM Be-1
- 2013年9月21日(土)熊本県 熊本DRUM Be-9 V1
- 2013年9月23日(月・祝)大阪府 大阪ROCKTOWN(ソールドアウト)
- 2013年9月24日(火)兵庫県 神戸CHICKEN GEORGE
- 2013年9月26日(木)愛知県 名古屋Electric Lady Land
- 2013年9月29日(日)東京都 Shibuya O-WEST「おどろの日」(ソールドアウト)
- 2013年9月30日(月)東京都 Shibuya O-WEST「どろろの日」(ソールドアウト)
- 筋肉少女帯 LIVE DVD発売記念ツアー「四半世紀中」
- 2013年10月19日(土)東京都 赤坂BLITZ
<出演者>
筋肉少女帯 / アーバンギャルド - 2013年10月31日(木)愛知県 名古屋BOTTOM LINE
<出演者>
筋肉少女帯 / すかんち - 2013年11月2日(土)大阪府 心斎橋BIG CAT
<出演者>
筋肉少女帯(ワンマン) - 2013年11月3日(日)大阪府 心斎橋BIG CAT
<出演者>
筋肉少女帯 / 人間椅子 - 2013年11月16日(土)東京都 Shibuya O-EAST
<出演者>
筋肉少女帯(ワンマン) - 2013年11月24日(日)愛知県 名古屋BOTTOM LINE
<出演者>
筋肉少女帯(ワンマン)
- 「AOMORI ROCK FESTIVAL '13~夏の魔物~」
- 2013年9月14日(土)-夏の魔物-AOMORI ROCK FESTIVAL'13
(人間椅子、大槻ケンヂ・橘高文彦出演)
収録曲
- 此岸御詠歌
- 黒百合日記
- 地獄変
- 桜爛漫
- ねぷたのもんどりこ
- 新調きゅらきゅきゅ節
- 猫じゃ猫じゃ
- 蜘蛛の糸
- 十三世紀の花嫁
- 月のモナリザ
- 時間からの影
- 人生万歳
- 衛星になった男
- 筋肉少女帯ニューアルバム「公式セルフカバーベスト 4半世紀」 / 2013年5月29日発売 / 3000円 / 徳間ジャパンコミュニケーションズ / TKCA-73905
- 筋肉少女帯ニューアルバム「公式セルフカバーベスト 4半世紀」
収録曲
- 中2病の神ドロシー ~筋肉少女帯メジャーデビュー25th記念曲
- 妖精対弓道部 ~「妖精対弓道部」主題歌
- 日本印度化計画
- 踊るダメ人間
- 釈迦
- 香菜、頭をよくしてあげよう
- 機械
- 再殺部隊
- 蜘蛛の糸
- キノコパワー
- パノラマ島へ帰る
- くるくる少女
- 孤島の鬼
人間椅子(にんげんいす)
和嶋慎治 (G, Vo)、鈴木研一(B, Vo)、ナカジマノブ(Dr, Vo)による3ピースバンド。1989年に出演したTBSテレビ系「平成名物TV イカすバンド天国」で高い評価を獲得し、1990年7月にメルダックより「人間失格」でメジャーデビューを果たす。その後インディーズでの活動や、ドラマーの交代などを経ながらも、コンスタントにライブやリリースを重ねていく。確かなテクニックに裏打ちされたライブパフォーマンスや、ハードロックを基調とした独自のサウンド、文学的な歌詞などで、音楽ファンの厚い支持を集め続けている。2012年、ももいろクローバーZのシングル「サラバ、愛しき悲しみたちよ」に収録された「黒い週末」に和嶋がギターで参加したことが話題に。2013年にはオジー・オズボーンのオーガナイズにより千葉・幕張メッセで開催されたロックフェス「OZZFEST JAPAN 2013」に出演し、同年8月にアルバム「萬燈籠」をリリースした。
筋肉少女帯(きんにくしょうじょたい)
1982年に中学の同級生だった大槻ケンヂ(Vo)と内田雄一郎(B)によって結成。インディーズでの活動を経て、1988年にアルバム「仏陀L」にてメジャーデビューを果たす。1989年に橘高文彦(G)と本城聡章(G)が加入し、「日本印度化計画」「これでいいのだ」「踊るダメ人間」などの名曲を発表。特に「元祖高木ブー伝説」はチャートトップ10入りを記録し、大きな話題に。大槻による不条理&幻想的な詩世界とテクニカルなメタルサウンドが好評を博すものの、1998年7月のライブをもって活動を凍結。各メンバーのソロ活動を経て、2006年末に大槻・内田・橘高・本城の4人で活動再開を果たす。2007年9月には約10年ぶりのオリジナルアルバム「新人」をリリース。日本武道館公演や「FUJI ROCK FESTIVAL」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」といった大型イベントへの出演など、精力的なライブ活動を展開する。2013年にはメジャーデビュー25周年を記念して、新録音によるセルフカバーベストアルバム「公式セルフカバーベスト 4半世紀」を発表した。