ナタリー PowerPush - 人間椅子
和嶋慎治と大槻ケンヂのサブカルバンド人生
ももクロのライブで筋肉痛になって、自分の出番で大変なことに
和嶋 大槻くんはももクロの歌詞書いてるでしょ。僕もギター弾かせてもらったんですよ。
大槻 僕は「労働讃歌」の歌詞を書いたんです。ナッキー(NARASAKI)がももクロちゃんの曲をいくつも書いてて、それで「黒い週末」って曲を書いたときに、「これはサバスだから、和嶋さん弾いてくれないかな?」って言われたので、ワジーを紹介したんだけど。
和嶋 いやー、ありがとうございます。
大槻 「OZZFEST」は1日目にももクロちゃんが出て、ワジーとナッキーが「労働讃歌」も弾いたんでしょ。
和嶋 弾きました。
大槻 「労働讃歌」のギターって、「チョンワカチョンワカ」ってワウギターじゃない?
和嶋 そこに無理やりギターソロを入れたの(笑)。
大槻 サビの「働こう」のところは振り付けした?
和嶋 踊りましたよ(笑)。
大槻 僕もももクロちゃんのライブに出たことがあって、「働こう」を踊ったんだけど。
和嶋 あれ、すごい筋肉痛にならなかった?
大槻 あれはキツい(笑)。あの子たちはすごい。あれ1曲やったら足パンパンでしょ。しかもギター持ってでしょ?
和嶋 足パンパンです。次の日に人間椅子で出たけど、実はすごい筋肉痛で踏ん張れなかったんです(笑)。
──アハハハ(笑)、そんな裏話があったとは。
大槻 ナッキーも言ってた、「あれはキツいですね」って。
和嶋 でもね、やりながら、「労働讃歌」いい歌だなって思いましたよ。
大槻 ありがとうございます(笑)。
ずっと長く続けてる人は、こびない人が多い
──人間椅子は、ニューアルバム「萬燈籠」が完成しました。
大槻 聴きましたよ、モーレツにカッコよかった。さすがに、音像が最近の音になってそれも驚いたし……そりゃそうか。
和嶋 そうですよ。でも、きっといい音で録れてるはずです。だってさ、「OZZFEST」に出たあとだから、きっと次のアルバムは聴く人が増えるかなと思って、けっこうプレッシャーだったんです。
大槻 エッジの効いたとこが出てましたよ。
和嶋 一応、現代風にね(笑)。まあ、やってることは変わらないんですけど、録り方が今風になったんです。
大槻 ギターの音がズーンと重くてさ。でもね、筋肉少女帯のセルフカバーベスト「公式セルフカバーベスト 4半世紀」のほうは、レイドバックした音というかね、わりと現代風じゃないんです(笑)。
和嶋 それはそれで面白いじゃないですか。
大槻 でも人間椅子は最初「イカ天」で出てきたのが、時を経てヘヴィロックとかが好きな若い人が観に来るようになってるわけじゃない。やっぱりYouTubeとかで見つけたのかね?
和嶋 そうなんでしょうね。特に宣伝もしてないのに、なぜか数年前から若いお客さんがじわじわ増え始めたんですよ。
大槻 みうらさんが昔、「人間椅子は一切こびないで、どうかしてることをやればいいんだよ」って言ってたよね。
和嶋 20年前からずっと言われてました(笑)。
大槻 それが正しかったよね。
和嶋 結局、ずっとやってる人って、ほとんどがこびてないじゃないですか。露出が多かろうと少なかろうと。
収録曲
- 此岸御詠歌
- 黒百合日記
- 地獄変
- 桜爛漫
- ねぷたのもんどりこ
- 新調きゅらきゅきゅ節
- 猫じゃ猫じゃ
- 蜘蛛の糸
- 十三世紀の花嫁
- 月のモナリザ
- 時間からの影
- 人生万歳
- 衛星になった男
- 筋肉少女帯ニューアルバム「公式セルフカバーベスト 4半世紀」 / 2013年5月29日発売 / 3000円 / 徳間ジャパンコミュニケーションズ / TKCA-73905
- 筋肉少女帯ニューアルバム「公式セルフカバーベスト 4半世紀」
収録曲
- 中2病の神ドロシー ~筋肉少女帯メジャーデビュー25th記念曲
- 妖精対弓道部 ~「妖精対弓道部」主題歌
- 日本印度化計画
- 踊るダメ人間
- 釈迦
- 香菜、頭をよくしてあげよう
- 機械
- 再殺部隊
- 蜘蛛の糸
- キノコパワー
- パノラマ島へ帰る
- くるくる少女
- 孤島の鬼
人間椅子(にんげんいす)
和嶋慎治 (G, Vo)、鈴木研一(B, Vo)、ナカジマノブ(Dr, Vo)による3ピースバンド。1989年に出演したTBSテレビ系「平成名物TV イカすバンド天国」で高い評価を獲得し、1990年7月にメルダックより「人間失格」でメジャーデビューを果たす。その後インディーズでの活動や、ドラマーの交代などを経ながらも、コンスタントにライブやリリースを重ねていく。確かなテクニックに裏打ちされたライブパフォーマンスや、ハードロックを基調とした独自のサウンド、文学的な歌詞などで、音楽ファンの厚い支持を集め続けている。2012年、ももいろクローバーZのシングル「サラバ、愛しき悲しみたちよ」に収録された「黒い週末」に和嶋がギターで参加したことが話題に。2013年にはオジー・オズボーンのオーガナイズにより千葉・幕張メッセで開催されたロックフェス「OZZFEST JAPAN 2013」に出演し、同年8月にアルバム「萬燈籠」をリリースした。
筋肉少女帯(きんにくしょうじょたい)
1982年に中学の同級生だった大槻ケンヂ(Vo)と内田雄一郎(B)によって結成。インディーズでの活動を経て、1988年にアルバム「仏陀L」にてメジャーデビューを果たす。1989年に橘高文彦(G)と本城聡章(G)が加入し、「日本印度化計画」「これでいいのだ」「踊るダメ人間」などの名曲を発表。特に「元祖高木ブー伝説」はチャートトップ10入りを記録し、大きな話題に。大槻による不条理&幻想的な詩世界とテクニカルなメタルサウンドが好評を博すものの、1998年7月のライブをもって活動を凍結。各メンバーのソロ活動を経て、2006年末に大槻・内田・橘高・本城の4人で活動再開を果たす。2007年9月には約10年ぶりのオリジナルアルバム「新人」をリリース。日本武道館公演や「FUJI ROCK FESTIVAL」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」といった大型イベントへの出演など、精力的なライブ活動を展開する。2013年にはメジャーデビュー25周年を記念して、新録音によるセルフカバーベストアルバム「公式セルフカバーベスト 4半世紀」を発表した。