音楽ナタリー Power Push - ニコナタ(音楽)中川翔子×小林幸子

勇者たちとラスボスの邂逅

経験値たくさんいただきました

中川 この曲はスマホゲーム「無限∞ナイツ」の主題歌なんですけど、ゲームではラスボスとして幸子様がお城より大きな姿で登場して。ユーザーは力を合わせて立ち向かっていくんです。

小林 それ見た! もうなんなんだろう私(笑)。スタッフからその絵を見せられたときは大笑いしちゃった。音符爆弾とか出すし。

中川 あははは(笑)。でも幸子様はそれを見ても笑ってらっしゃるから素晴らしいですよね。目からビームを放つようなラスボス様なのに。

小林 まあなんでも楽しめればいいかな。MVみたいにあんなにグルグル回転したら目が回るでしょ!とは思うけどねえ(笑)。

中川翔子

中川 日本の音楽のさまざまな歴史を紡いで切り開いてきた百戦錬磨の幸子様。お会いできるだけで夢のようなのに、「面白いわ、素敵だわ」って一緒に楽しんでくださる心の広さで……私はもう本当に衝撃を受けたし、経験値もたくさんいただきました。

小林 こちらこそ。いろんなことを楽しむってことは昔と変わらないけれど、この曲は歌謡曲や演歌とは違うから教えてもらうことがたくさんあって。それにしょこたんは利口な人だし、今を生きていて。素敵だなって思いました。

中川 そんな恐れ多い……。MV撮影のときもこちらが粗相のないようにドキドキしてたら「『萩の月』どうぞ」って差し入れてくださって。それがうれしくてTwitterに書いたら、3分後くらいに「ありがたやー」って幸子様も同じポーズで(笑)。

小林 「カステラありがたやー」ってね(笑)。

中川 優しい上にTwitterも使いこなして……もう宇宙に唯一無二ですよね。幸子様から楽しむ気持ちと柔軟さを学ばせていただきました。

ラスボスの愛

──小林さんが新しいものを柔軟に受け入けることができるのはどうしてでしょうか?

小林幸子

小林 「面白がろう」っていう気持ちを潜在的に持ってるのはもちろんありますね。昔は「演歌はこうでなければいけない」みたいな考えもあったんですけど、それをなくした途端になんでもOKになって。やっぱり人間には許容量があるから、新しいものを受け入れるにはどこかで整理していかないと入らなかったんでしょうね。

──そして受け入れ続けた結果、今や“ラスボス“という呼称もすっかり定着してしまって。

小林 ねえ? 気付いたら。「ラスボスって悪いやつじゃん!」って思いますよ(笑)。

中川 いやいや、悪い意味じゃなくて強くて圧倒的な存在を指す、完全にプラスの意味ですよ。

小林 でもさっきの番組でも「ラスボスを倒しに来てください」って告知のアナウンスをされたときはどうしようって思っちゃった(笑)。

中川 あははは(笑)。それは幸子様からいろんなことをみんなで教わろう、って気持ちっていうか。私自身もそうで、例えばコンサート中に興奮してお尻の骨を折ったり声が出なくなっちゃったりして反省してたんですけど、幸子様はテンションと体力をちゃんとコントロールされてる。そういったところも学ばなきゃって思います。

小林 私は検査フェチなんですよね。MRIは年に3回くらいやってるし。

中川 私も幸子様からお話を聞いて、検診に行きました。あとMV撮影のときは幸子様から「お疲れさまでしたー!」って言われて「いやもう親に自慢できる」ってスタッフ全員が口をそろえてました。もう幸子様は宇宙なんです。ゲームやこの曲の幸子様は闇や黒を象徴する存在ですけど、それは大宇宙のような深い愛で包んでくださってるっていうことですよ。

小林 ええ?(笑)

中川 だってMVで目からビーム放ってますけど、普通だったら一瞬で死んじゃうものを、ちゃんとヒットポイントを1残した状態にしてくれている。それは相手に学ばせてあげようっていう形の愛ですよ!

小林 しょこたんはほんと面白い。勉強になるねえ。

当初は真面目に撮る予定だったMV

──今回配信された「無限∞ブランノワール」のMVはいろんな要素が含まれていますね。シリアスな歌唱シーンもRPG風のバトルシーンもあるという(参照:しょこたん♥さっちゃん 「無限∞ブランノワール」|無料動画 GYAO!|音楽)。

中川 最初このMVは真面目に撮るって話だったのに、現場で「ちょっとRPGのバトルシーン的な要素を入れようか」という話が出てから方向性がどんどん変わって(笑)。もう少し遊んでもいいんじゃないかしらって空気になり、置いてあったヌンチャクを持ってきて「これ使ってもいいですか?」って。

小林 ヌンチャクはその場で考えたものだったの?(笑) 映像の中の私はどんどん変なことになるし、「こんな格好で何を?」って聞いたら目からビームをって言われて(笑)。「意味わかんない」って監督さんに言っても彼はかまわず「目からこうやってビームを出していくんですよ」ってポーズを見せて。今まで自分の歌でもMVをたくさん作ってきましたけど、一生忘れられないMVになったと思います。ありがとうございます(笑)。

──公開予定の360°パノラマ動画版MVも楽しみです。

中川 日本でもあまり例のない360°視点操作可能なMVなので私もどうなるか楽しみです(参照:しょこたん&さっちゃんコラボ曲の360°バージョンMV完成)。

小林 よく考えるわよねえ!

中川 角度によってはずっと真面目な映像だけど、少し動かすとコミカルな演出を使って戦ってるシーンも見えるようになるみたいで。

小林 撮影してるときも「これはどういうシーンだろう」ときになってスタッフさんに聞いても「よくわからないんです」っておっしゃって(笑)。監督の頭の中ではわかってるんですけど。

しょこたん♥さっちゃん「無限∞ブランノワール」無限∞試聴会

2015年11月6日(金)23:59までタイムシフト試聴可能(※プレミアム会員のみ)

中野文化祭2015~世界が中野に恋をする~
中川翔子「中野ブロードウェイ50周年記念館長」任命式&しょこたん♥さっちゃんスペシャルライブ&特典会(ポストカードお渡し会&3ショット写メ会)
2015年10月31日(土)
東京都 中野サンプラザ前特設ステージ
START 17:30
都市型謎解きエスケープ 「勇者しょこたんとラスボスさちこの呪い」
2015年10月31日(土)~11月3日(火・祝)
START 10:00 / END 19:00
しょこたん♥さっちゃん「無限∞ブランノワール」 / 2015年10月28日発売 / Sony Music Records
完全生産限定盤 [CD+DVD] / 2000円 / SRCL-8902~3
完全生産限定盤 [CD+DVD] / 2000円 / SRCL-8902~3
初回限定盤 [CD+DVD] / 1700円 / SRCL-8904~5
通常盤 [CD] / 1300円 / SRCL-8906
中川翔子(ナカガワショウコ)

中川翔子

「しょこたん」の愛称で知られる、1985年生まれの女性アイドル。2002年に芸能界デビューして以来、数々のテレビ番組に出演し人気を高めていく。2004年11月にスタートさせたオフィシャルブログ「しょこたん☆ぶろぐ」でも多くの読者に支持され、2006年にはシングル「Brilliant Dream」で歌手デビュー。このほかにも声優やイラスト、マンガ家、ドラマ出演など、多方面で活躍するマルチタレントぶりを発揮している。

小林幸子(コバヤシサチコ)

小林幸子

1953年生まれの女性ボーカリスト。1963年、9歳で作曲家古賀政男に師事し、1964年シングル「ウソツキ鴎」でデビュー。1979年1月リリースの「おもいで酒」は200万枚を超えるセールスを記録し、同年末「NHK紅白歌合戦」に初出場を果たす。以来同番組には33回出演。1980年代末頃からはステージ演出にも注力しはじめ、ステージをフル活用した舞台装置と衣装が年末の風物詩の1つと目されるようになる。2012年、ニコニコ生放送「小林幸子降臨!『茨の木』夢は捨てずに生放送」「ニコニコ大忘年会2012 in nicofarre」に登場。2013年には歌ってみた動画「ぼくとわたしとニコニコ動画を夏感満載で歌ってみた」を投稿するなどニコニコ動画を積極的に活用し、ネットユーザーからの多大な人気を集めている。