音楽ナタリー Power Push - NICO Touches the Walls

目指すは“孤高のロース” 新作「渦と渦」を肉に例えて解説

ホルモン盛り合わせをイメージした「ラーメンたべたい」

──カップリングに収録されている矢野顕子さんの「ラーメンたべたい」のカバーについても聞かせてください。なぜ「ラーメンたべたい」をカバーすることになったんですか?

NICO Touches the Walls

光村 ツアー中にラーメンをなかなか食べに行けなかったから!

坂倉 ツアー中って、その土地土地のおいしいものは食べられるんだけど、自分の行きつけのラーメン店に行けなくて、それが恋しくなったんですよ。

光村 ラーメンは我々にとって、焼肉に並ぶソウルフードですから。その思いをアレンジで爆発させました。矢野さんが歌うオリジナルバージョンは繊細なところもあって、女性ならではの「ラーメンたべたい」だと感じたんです。だから、逆に男らしい「ラーメンたべたい」を目指しました。焼肉屋のメニューで例えるなら、ホルモンの盛り合わせ。マルチョウ、ハツ、レバー、シマチョウ、ミノ、センマイ、ギアラ、きんつる……あらゆる内臓系の部位ですごくガツッとした感じ。サビは焼肉じゃないけどモツ煮ですね。味付けもこってり系。

──音に隙間がある「僕は30になるけれど」とは真逆で、いろんな要素が混ざってますよね。スカ調のアレンジがベースで、途中でサイケデリックな雰囲気も入って。

光村 ええ。ちゃんとNICO Touches the Walls流の「ラーメンたべたい」を表現できたと思ってます。

──「ラーメンたべたい」というタイトルにちなんで、最近オススメのラーメン店を教えていただけますか?

古村 「渦と渦」のミュージックビデオの撮影現場の帰りに、みっちゃんたちと食べた塩ラーメンがめちゃくちゃおいしかったんですよね。って、お店の名前忘れちゃったんだけど……。

光村 おいしかったラーメン店の名前忘れちゃダメでしょ(笑)。ちなみにそこは「懐や」ってお店です。確かにあそこはめちゃくちゃおいしい。

古村 そういうみっちゃんは?

左から、対馬祥太郎(Dr)、光村龍哉(Vo, G)。

光村 今年食べたラーメンの中では3本指に入るくらいうまいと思ったのは「ラーメン二郎京成大久保店」ですね。自分の地元ってことでポイントが上がってるのもありますけど、女性でも食べやすいタイプのラーメンだと思います。

対馬 俺は家系ラーメンがキてて。「武蔵家」が近所にできたんでしょっちゅう行ってます。家系ってラーメンを注文するとご飯も付いてくるお店が多くて、汁と一緒にご飯を食べるのにハマってます。

坂倉 これまで二郎系が好きでいろんなお店に行ったんですけど、今は麺がおいしいお店が好みで。渋谷にある「はやし」の麺が、自分にとって理想の麺でしたね。「麺を味わうってこういうことだな」って「はやし」に行って目覚めました。

目指すは“孤高のロース”

──最後になりますが、30代のNICO Touches the Wallsが目指す方向を肉に例えて締めていただけますか?

光村龍哉(Vo, G)

光村 目指すところは、やっぱり定番のロースなんですよ。脂の乗ったシャトーブリアンや珍しいホルモンにも憧れるけど、やっぱりロースのような存在でありたい。もとが4人ともひねくれているので、音楽の中で変わったことをしようと思うと、自分たちのよさを壊しちゃう気もしてるし。奇をてらったことをするんじゃなくて、ひねくれ者なりのストレートな部分を意識しつつ、リスナーの人に末長く飽きずに味わってもらえる曲を作りたいなと。それは「渦と渦」と「まっすぐなうた」を作って気付いたことでもあるんですけど。

──“ロース”で勝負できる自信が生まれた?

光村 そうですね。最終的には“孤高のロース”になれればいいなと思ってます。まあ、我々、焼き方というか聴き方にはうるさいんで。おいしく味わってもらうためにはしっかり努力します(笑)。その上でどう感じるか聴いた人の判断にお任せます。

坂倉 シンプルな赤身で勝負なんですよ、俺らの場合。バンドとして熟成がまだ足りないですけどね。

光村 なので、これからさらに熟成させて、おいしくしていきますよ。

ニューシングル「渦と渦」 / 2015年9月2日発売 / Ki/oon Music
初回限定盤 [CD+DVD] / 1800円 / KSCL-2623~4
通常盤 [CD] / 1300円 / KSCL-2625
期間生産限定盤 [CD] 1500円 / KSCL-2626~7
CD収録曲
  1. 渦と渦
  2. 僕は30になるけれど
  3. ラーメンたべたい
  4. 渦と渦(inst)(期間生産限定盤のみ収録)
  5. 渦と渦(89sec ver.)(期間生産限定盤のみ収録)
初回限定盤DVD 収録内容

アコタッチと呼んでみて☆vol.5

  • まっすぐなうた
  • 夏の大三角形
期間生産限定盤DVD 収録内容
  • 「アルスラーン戦記」ノンクレジットOP映像
NICO Touches the Walls LIVE SPECIAL 2015“渦と渦~西の渦~”
2015年12月23日(水・祝)大阪府 大阪城ホール
NICO Touches the Walls LIVE SPECIAL 2016“渦と渦~東の渦~”
2016年1月8日(金)東京都 日本武道館
NICO Touches the Walls(ニコタッチズザウォールズ)

NICO Touches the Walls

2004年4月に光村龍哉(Vo, G)、古村大介(G)、坂倉心悟(B)の3人で結成。同年7月に対馬祥太郎(Dr)が加入し、2005年に東京・渋谷と千葉・柏を中心にライブ活動をスタートさせる。2007年11月にミニアルバム「How are you?」でメジャーデビューを果たし、2008年9月に1stフルアルバム「Who are you?」をリリース。2010年3月には初の東京・日本武道館ワンマンライブを開催した。以降もコンスタントに作品を発表し、2014年2月に初のベストアルバム「ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト」をリリースした。2014年8月には2度目となる日本武道館単独公演を大成功に収めた。2015年1月に過去2回の日本武道館単独公演の模様を映像化した作品をリリース。2月に新たな試みとなるアコースティックアルバム「Howdy!! We are ACO Touches the Walls」を、同年6月にシングル「まっすぐなうた」、9月にシングル「渦と渦」を発表した。2015年12月には初の大阪・大阪城ホール単独公演、2016年1月には3度目となる日本武道館公演を控えている。