名古屋ギター女子部がアルバム「Re:POP」でメジャーデビューを果たした。
シンガーソングライターとして活動していた5人が運命の出会いを果たし、2017年に結成された名古屋ギター女子部。結成からわずか半年で東名阪ライブを見事成功させ、その後に武者修行として行われた路上ライブではデモ音源1000枚を売り切るなど、精力的な活動を展開してきた。2018年にはYouTube上に公式チャンネルも開設し、さまざまな楽曲のカバー動画を次々とアップ。現在、チャンネル登録者数は13万人を超え、日本はもとより、海外からの視聴者も増え続けているという。
ギター4人に鍵盤1人という異色な形態を持つユニットとしての面白さに加え、アコースティックなアレンジと多彩なコーラスワークでその知名度と人気を拡大させ続けている彼女たちに、音楽ナタリー初のインタビューを実施。5人のパーソナルな部分からユニットとしての強み、そしてメジャーデビュー作に込めた思いを聞いていく。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 曽我美芽
こんどうは超天然、汐梨はお母さん、CHISAは末っ子キャラ
──音楽ナタリー初登場となるので、まずは各メンバーの音楽遍歴を伺いつつ、ユニット内での役割などを教えていただければと思います。
こんどうゆみか(Vo, G) はい。私はシンガーソングライターのYUIさんに憧れて、小学校6年生の頃からギターを習い始めました。高校に入ってからは路上ライブをやったり、ライブハウスに出させてもらったりと、活動を本格的にしていって。ソロとしてZepp Nagoyaでのワンマンに挑戦したこともありましたね。そんな中、今のメンバーに出会ったことで名古屋ギター女子部の一員になりました。
CHISA(Vo, Key) こんどうは超天然なんですよ。すぐ物をなくすし。
後河内美咲(Vo, G) そうそう。さっきもイヤフォンをなくしてた(笑)。
CHISA でもちゃんと部長としての役割を果たしてくれているところもあって。
伊藤汐梨(Vo, G) そうだね。いざというときはバシッとみんなをまとめてくれるギター女子部部長ですね。じゃ次は私、副部長をやっている伊藤汐梨です。幼稚園の頃から漠然と歌手になりたいと思っていたんですけど、AKB48さんがバンド(Baby Blossom。2012年2月発売の楽曲「GIVE ME FIVE!」のために結成されたAKB48メンバーによるバンド)を始めたタイミングで「あ、カッコいい!」と思ってギターを始めました。私もYUIさんに憧れていたので、弾き語りをしてみたり、自分で曲を作ってみたりしながら、名古屋をはじめ、東京や大阪でライブをしていましたね。ソロとしてCDをリリースしたこともあります。
CHISA 汐梨さんはお母さんみたいなんですよ。いろいろお世話してくれます。
どりー(Vo, G) 強い意志を持っていて、それに対して着実に進んでいくタイプだと思います。だからすごく頼りになる。
伊藤 そうなのかな? 常に迷子になってて、自分のことすらわからない人間だと思ってるんだけどね、自分自身では(笑)。
CHISA 私はユニット内で唯一鍵盤をやっているCHISAです。小さい頃からピアノをやっていて、中学くらいになるとバンドに憧れたりもしたんですけど、メンバーの集め方がわからなかったからとりあえず1人で活動を始めました。自分で連絡して出た初めてのライブハウスでこんどうゆみかに出会い、そこからほかのメンバーにもめぐり合って今に至る感じですね。
──影響を受けたアーティストはいますか?
CHISA もともとバンド系が好きで、BUMP OF CHICKENさんやRADWIMPSさんをよく聴いてました。鍵盤系ではヒグチアイさんがすごく好きで、ピアノのフレーズを参考にすることがあったりしましたね。
伊藤 CHISAは見た目がクールなんだけど、準備がすごく速かったりもして、けっこうな人格者。いいやつなんですよ(笑)。一方で意外と妹気質なところがあって甘え上手。名古屋ギター女子部の末っ子キャラですね。
CHISA そこに関しては自覚あります(笑)。汐梨さんと美咲さんは長女なんで、2人に甘えさせてもらうことが多いです。
どりーはスイカにかける塩、そして美咲もお母さん
どりー 私はギターを始めたのが高校3年生のときでした。miwaさんのことが好きだったので、家にあったお父さんのおさがりのギターを試しに弾いてみたらどんどん楽しくなっていって。その後、自分で曲も作るようになりました。で、当時流行ってたツイキャスでライブ配信をしていたところ、ご縁があって“ツイキャス主に会えるライブ”に出演させてもらえたんですよ。それが人生初ライブ。美咲さん(後河内)と初めて会ったのもそこでしたね。それ以降はちょこちょこいろんなライブハウスに呼ばれて、ソロ活動をしていました。オリジナルの「ペチャパイ」って曲があるんですけど、私はけっこう変な曲、ちょっととがった曲を作るので、そこが売りかなと思っています。
後河内 どりーちゃんはほかの人にはない面白い引き出しをたくさん持ってるんですよ。発想がすごいというか。
CHISA うん。だから一緒にやってると刺激になるんだよね。
こんどう セルフプロデュースがメンバーの中で一番うまいんですよね。自分のことをしっかり理解してるから。
どりー 私はスイカにかける塩というか(笑)。ユニットの中のアクセントとして、みんなのよさを引き立てられたらいいなと思ってます。
──では最後に、後河内さん。
後河内 はい。うちの母はお琴の師範で、父親もいろんな音楽を聴くタイプだったんですよ。そんな環境で育ったので、小さい頃はピアノ、部活では吹奏楽をやっていて、常に何かしらの音楽に触れていた感じでした。で、中学3年生のときにテイラー・スウィフトさんとmiwaさんを同時に好きになったのがきっかけでギターを始めて。その後、ツイキャスでmiwaさんのカバーをやっていたらライブに誘われてどりーちゃんに出会い、そこからは名古屋市内のライブハウスでソロ活動し始めました。
こんどう 美咲さんはね、見た目はけっこうギャルっぽいけど、めっちゃ情に厚いんですよね。けっこう厳しいところもあるので、たまに私は怒られることもあるんですけど(笑)。
CHISA たまにじゃないよ。よく怒られてる(笑)。
こんどう あははは(笑)。ちょっと怖いんですけど、でもすごくあったかい人ですね。お母さんみたいな感じかも。
伊藤 名古屋ギター女子部にはお母さんが2人いるの?(笑)
どりー 怒るって言っても、その人のことを思って言ってくれてることがちゃんと伝わってくるから、とっても頼りにしてます。
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ギターが4本で鍵盤が1台なので、最初は「え、何するの!?」って