ナタリー PowerPush - ねごと

4カ月連続リリース開始!スタートダッシュの新曲を語る

「すごく変わりたい」という気持ちを表した歌詞

──歌詞の内容に関してはどうでした?

沙田 これは「すごく変わりたい」という気持ちが、ほんとに歌詞にも出ています(笑)。変わりたいし、最後の「連れてゆくさここから」という、強い思いを入れたいなって。でも私たち自身「連れてゆくさ」って言えるほどの自信がないというか……。

藤咲 それもやっぱりライブで思ったんですよね。前回のツアーのファイナルのSHIBUYA-AXとかでも感じたんですけど、今までいろいろ悩んではきたけど、目の前に人がいないと始まらないし。「この人たちに支えられてきて私たちは今、音を鳴らしてるな」ということが、実感としてすごくあって。その人たちに対して、今度は「次に行くからついてきて!」ぐらいの勢いでやりたかったんですけど……そこは歌詞にするのが難しかったですね。だったら対等に投げかけようと。「名前のない心だ あなたも同じでしょう」と投げかけてるのは、聴いてくれてる人たちと同じでありたかったからなんです。

沙田 うん。あと、「悲しい」とか「うれしい」とか、「今日のライブ、ハッピーだね」みたいな、そういうのじゃ収まらない感情がずっと続いていたんです。それってきっとライブに来てくれている人たちも、どこかしらで思うことじゃないですか。「ああ今の感情、もどかしくて言葉に出せない」とか……そういう部分が「nameless」というタイトルにも来ているんです。

次のアルバムで大きい花を咲かせたい

──そして次のアルバムに至るまでに、ここからシングル3部作を出すことになっているんですが。この経緯はどんなところからですか?

インタビュー写真

藤咲 まず私たち、大学1年生の頃はねごととして音楽を続けようとは決めていたけど、先の4年間のことってどうしても見えなかったんですよ。1年生のときは「音って楽しいな!」という思いでしかやってなかったんです。でもそこからリリースしていくごとに、リスナーがいて、ライブにも人が集まってくれて、人の思いが重なっていって。それで今もう「ねごとを続けていく」って決心をしたからこそ、もっとギアをアップしていきたいなって思ったんです。だからここで4カ月連続リリースをしていこう!と決めました。

沙田 来年からは、今まで行けなかったところにも行きたいんですね。小さいライブハウスでも大きいライブハウスでも、とにかくどんどんいろんな人にねごとを見せていきたいと思ってるんです。それを2ndアルバムではちゃんとひとつ見せたいから、その助走としてシングル3本を切ることにしたんですよ。

──シングル3部作はどういう流れになるんですか?

沙田 2ndではほんとに大きい花を咲かせたい、まず私たち自身が生まれ変わるアルバムにしたいというところから、3曲シングルを選んでいます。その1つ目の「nameless」はまず爆弾を投下する、人が立ち止まる、そういう曲で。2作目では、そこで立ち止まってくれた人に、私たちの音楽の楽しさを提示したい。で、最終的に区切りとして思ってるのは……私たちはバンドとして、下北沢とかのライブハウスでずっとやってたときの光景もすごく好きなんです。3作目は、そのときからいてくれたファンの皆さんや友達、バンドマンの皆さんにもいいなと思ってもらえる曲だと思うし、それ以上に、より多くの人が聴いてくれる作品じゃないかなって。そういうイメージがありますね。

──それぞれの曲の傾向は、かなり違うみたいですね。

沙田 曲自体は全然違いますね。でも自分たちはそういうバンドだと思ってるし。いろんな強みを出せると思っています。ガラッと変わるんで、面白いと思いますよ(笑)。

ねごと

蒼山幸子(Vo, Key)、沙田瑞紀(G)、藤咲佑(B)、澤村小夜子(Dr)からなる4人組バンド。高校2年生だった2008年1月に結成し、春に開催された「閃光ライオット2008」に応募。予選を順当に通過し、8月に行われた決勝大会に進出。審査員特別賞を受賞する。同年11月に発売された「閃光ライオット2008」コンピレーションアルバムにも、大会で披露した楽曲「ループ」で参加する。その後勉強に専念するため一時ライブ活動を休止するも、2009年9月に本格活動開始。2010年2月より行っている自主企画「お口ポカーンフェス?!」も毎回好評を博している。2010年9月29日、1stミニアルバム「Hello! "Z"」をKi/oon Recordsよりリリース。2011年3月発表の1stシングル「カロン」はau「LISMO!」のCMソングとしてオンエアされ、幅広い層から注目を集めた。同年7月、初のフルアルバム「ex Negoto」をリリース。2012年11月7日発売のシングル「nameless」から4カ月連続リリースを行い、2013年2月には待望の2ndアルバムを発売予定。