なみだ色の消しごむ インタビュー|「絶対いいワンマンになる」キャリア最大規模Kanadevia Hall公演への確信 (2/2)

“なみけしらしさ”とは?

──年末のワンマンに向けていくつか新曲がリリースされました。「夢幻スケッチブック」は、なみけしが未来へ歩み出す姿を描いた、グループの決意がまっすぐ伝わる、エモーショナルな1曲です。最初に聴いたときの印象や、楽曲の魅力を聞かせてください。

白浜 歌詞がまっすぐで、すごく直接的なんですよ。「そばでいつでも見守っててね」といった、一度聴いただけで伝わる言葉が多い。なみけしの楽曲にはそういうタイプの歌が多いんですが、「夢幻スケッチブック」にはKanadevia Hallワンマンに向けて、「これからもファンの皆さんと一緒に歩んでいきたい」という思いが込められています。振付には“なみけしポーズ”がたくさん使われていて、愛情を感じます。なみけしの曲は8割くらい同じ振付師さんが担当してくださっているんです。

滝口 「夢幻スケッチブック」は、Kanadevia Hallでのワンマンが発表された日に初披露しました。「夢に続くストライド」(2024年12月リリースのアルバム「なみだ色?ってどんないろ?」収録曲)という曲のサビに「走り出したこの体は 無限の可能性を秘めてる」という歌詞があって、“無限”という言葉と「夢幻スケッチブック」の“夢幻”が重なるんです。ファンの皆さんとメンバーを信じて進んでいきたいと強く思える、すごく好きな楽曲です。

望月 初披露のあと、特典会でファンの方からたくさん感想をいただいて、「すごくなみけしっぽい」「なみけしらしさが詰まってる曲だね」と言っていただきました。ファンの方に伝えたい気持ちがそのまま届くような歌詞で、「大切に歌いたい曲がまた1つ増えたな」と思いました。振付も歌詞も本当に大切にしていきたい曲です。

──2年以上活動してきた中で、“なみけしらしさ”というものが確立されてきたと思いますか?

滝口 なみけしは曲の幅が本当に広くて、楽しい曲や面白い曲から、青春っぽい曲、エモい曲、切ない曲までいろいろあるんですけど、どの曲をどこで披露しても、なみけさー(なみだ色の消しごむファンの呼称)の熱量がすごいんです。コールも大きくて、「なみけしのファン、声すごいね」ってほかのアイドルさんのファンの方から言われることも多い。自分たちだけじゃなく、応援してくれる人たちを含めて「いいグループだな」と感じますし、誇らしいです。

滝口愛奈

滝口愛奈

──なみけしはパフォーマンスの完成度が非常に高い印象があります。皆さんの中で、ライブパフォーマンスに対してこだわっている部分はありますか?

廣川 曲ごとにまったく雰囲気が違う分、曲に合った見せ方をメンバーそれぞれが解釈して、深みを出したり感情を乗せたりしているから、完成度が高いと言っていただけるのかなと思います。

廣川かのん

廣川かのん

──そういった曲ごとの世界観については、メンバー同士で話し合ったりするんですか?

滝口 全員で細かく話し合うというよりは、振付が入ったあとにブラッシュアップの時間をもらえるんです。そこで先生が1つひとつの歌詞に対して「ここはこういう気持ち」「ここはこう見せたほうがいいよ」と細かく指導してくださるので、その積み重ねで、場面ごとにメンバーの気持ちがそろって見えるのかなと思います。

──なるほど。振り入れ後にもう一段階仕上げる時間があるんですね。それはどの曲でも毎回行うんですか?

高松 はい。毎回、振り入れのあとにすり合わせのレッスンがあります。完成度をギュッと高める時間で、先生から「ここはもっと楽しそうに」など細かく指導していただきます。それに加えて、ボイトレの先生からも歌い方について「もっと気持ちを入れて」「この歌詞はこういう意味だよ」と教えていただくことがあって。歌詞の意味を理解すると、ダンスの表情や感情の乗せ方も自然と変わるんですよね。「この歌詞ってそういう意味だったんだ」と噛み締められる瞬間がけっこうあります。

SNSは得意じゃないです

──もう1つの新曲「イーアルカンフー」についても聞かせてください。これまでにないキャッチーさと遊び心が前面に出た、新境地とも言えるチャイナポップ風の楽曲です。グループの世界観に新しい色を加える、ライブのアクセントにもなる1曲ですね。

高松 最初に聴いたときは、「TikTokに合いそうだな」と思いました。これまでSNSでのバズを意識した曲はあまり多くなかったんですけど、「イーアルカンフー」はチャイナというコンセプトがわかりやすいし、振付が真似しやすいし、かわいいテイストなんですよね。ただ、仮歌を聴いたときは「ちゃんと表現できるかな?」と思ってしまって。セリフっぽいパートや、少し演技的にオーバーに表現する部分が入っていたので、不安もありましたし、メンバー全員「どうしよう、この曲……」って戸惑っていたと思います。でも、実際にライブで披露してみたら、ファンの方の反応がよくて。「かわいいね」「好きかも」と言っていただけることが多くて、すごく安心しました。

廣川 「夢幻スケッチブック」は今応援してくれているファンの方に向けた曲で、一方の「イーアルカンフー」はなみけしを好きになってもらうための曲というか。親しみやすいし、明るいし、観ても聴いても楽しんでもらえる楽曲だと思っています。いろんな人がなみけしのことを知る入り口の曲になったらいいなと思います。

堀川 途中でガラッと曲調が変わる部分があって、最初に曲を聴いたときからそこが頭から離れないです。レッスン前からずっとそのパートを歌っていたんですけど、ファンの方がそれを“天津飯タイム”と呼んでくれて(笑)、披露していてすごく楽しいです。振付にも中華っぽいポーズが入っていて、新しいなみけしの姿を見せられる曲になっています。でもダンスが難しかったです。覚えるのが大変で、動きが大きいし、速いし……レッスンについていくのに必死でした。

堀川すず

堀川すず

菜森 私も最初に聴いたときは「大丈夫かな……」と不安でした。個人的に“明るい表現”が得意なタイプじゃなくて。でも、みんなで練習していくうちに楽しめるようになってきました。穂乃花ちゃんが言ってたように、演技っぽい振りや歌詞に合わせた動きが多くて、それをみんなでやるのが楽しくて。今は戸惑いは全然なく、ファンの方からも「かわいさが詰まってる」と好評です。「夢幻スケッチブック」とはまた違う意味で、なみけしを知ってもらうために大切にしていきたい楽曲だなと思っています。

──フックの効いた楽曲なので、TikTokを含めSNSとの相性もよさそうです。

高松 ここからもっとこの曲を広げていきたいです! TikTokでも自分たちで積極的に踊って発信したいし、普段は撮影可のライブをあまりやらないんですけど、そういう試みも取り入れて、ファンの方に撮ってもらった動画がSNSで広まったらいいなって。

高松穂乃花

高松穂乃花

──SNSでの発信にこれまで以上に力を入れているんでしょうか?

高松 そうですね。Xに写真をたくさん投稿したり、TikTokも更新したり。もともと全員がSNS得意というわけではないんですけど、それぞれがんばっています。

──得意ではない?

高松 得意じゃないです(笑)。そもそもアプリに慣れてない子もいて、スマホにTikTokを入れてないメンバーもいるくらい。苦手意識があった子が多いと思います。

──ここ数年でTikTok発のバズが生まれる場面も増えましたし、アイドルにとってSNSの活用は必須スキルになりつつありますよね。

高松 そうなんですよ。ただ、なみけしはSNSをあまり見ないメンバーが多いんです。TikTokの流行を知らなかったり。

滝口 この前、楽屋で「江戸走りが流行ってるよ」という話題になったんですけど、私とつゆは、唯織ちゃんの3人は全然わからなくて。ほかのメンバーに「おばあちゃんじゃん!」って言われました(笑)。Xまで流れてこないと情報を知り得ないタイプなんです。だからこそ、グループでもTikTokに挑戦したいです。「イーアルカンフー」をもっと広めたいですし、いろんな方に知ってもらえるきっかけになったらうれしいです。

菜森 これを機に、SNSももっと強化できたらいいなと思います。

菜森未咲

菜森未咲

今まで出会ってきたすべての人に観てほしい

──Kanadevia Hall公演に向けて、グループとして取り組んでいることや、がんばっていることは?

滝口 Kanadevia Hallでのワンマンに向けて無料単独公演を計4公演開催して、なみけしの楽曲を全曲披露する予定です。チケットを手売りしたり、各々で告知をがんばったり、ファンの方にワンマンライブへの気持ちを高めてもらえるよう、思いついたことがあればすぐ行動するようにしています。

高松 グループとしてはライブの動きが中心で、個人ではできる範囲で動いてますね。

菜森 ライブを作り上げるうえで、1つひとつのことを確認する意識が強くなりました。楽屋で「前のライブのここ、バミリこうだったよね」「この曲のこの角度はこうだよね」とか、細かい部分を毎回全員で話し合っています。対バンであっても必ずテーマを1つ決めていますし、ステージに向けた意識はすごく上がったと思います。ライブに来てくれた人の心をしっかりつかむことを重視して、今は動いています。

堀川 なみけしは今までイヤモニがなかったんですけど、今回のワンマンに向けて作っていただきました。メンバーの名前が彫ってあって、「これを着けてKanadevia Hallのステージに立つんだ」と思ったら、すごく気持ちが引き締まりました。ファンの皆さんによりいい景色を見せたいという気持ちが強くなりました。

白浜 この2年半でワンマンの会場がどんどん大きくなっていて、前回のワンマンの会場はZepp Nagoyaだったんですけど、今回のキャパはその約3倍。本当に大きな挑戦だと思っています。でも、この先もっと大きい会場へ行くために、「なみけしだったら大丈夫」と期待してもらえるライブを見せたいです。

白浜つゆは

白浜つゆは

廣川 メンバーそれぞれ、なみけしに入る前にいろんな道を歩んできて、別のグループで活動していた子もいれば、アイドルシーン以外の場所でがんばっていた子もいる。そういう7人が集まり、それぞれが抱えてきた思いを持ってKanadevia Hallのステージに立ちます。もちろん日々のライブでも全力ですけど、節目のライブは特に気持ちが乗る場所。7人でしか作れないライブをお届けしたいし、今まで出会ってきたすべての人に観てほしいです。

菜森 私はなみけしに入る前に別のグループでの活動を経験していて、その頃はKanadevia Hallのような大きなステージに立てるなんて思ってもいなかったので、最初は不安もありました。加入した時点でKanadevia Hall公演の開催が決まっていたので、自分はどんな役割を果たすべきなんだろうと考えてしまって。前から応援してくれている私のファンの方にも、なみけさーの皆さんにも、最近ファンになってくれた方にも「もっといろんななみけしを見たい」と思ってもらえるステージを作りたいです。

望月 私はもともとアイドル経験がなくて、加入から半年ほどでこうして大きなステージに立たせてもらえることが本当にありがたいです。この間、ワンマンの演出についてスタッフさんから少し話を聞いたんですけど、すごく豪華でワクワクしました。アイドルに詳しくない人にもぜひ見てもらいたいし、私たちが全力でステージを届ければ、絶対になみけしのことを好きになってもらえる公演になると思っています。そのために全力で準備していきます。

望月唯織

望月唯織

──ワンマンの中で、ここに注目してほしいというポイントはありますか?

滝口 ステージセットです。ほかのグループさんのワンマンを観て「こういうの憧れるな」と思っていた演出が自分たちでも実現できそうで、すごく楽しみです。あと今回は、構成がいつもとちょっと違うんです。“○○パート”みたいなセクションがはっきり分かれていて……ドキドキだけどワクワクする構成になっていると思います。

堀川 今までのアイドル活動の中でも経験したことがないことが、最初から最後まで詰まっているライブになると思います。大きなステージを端から端まで使うような構成で、初めてのことが多くて不安もありますが、それ以上に「絶対いいワンマンになる」という確信があります。ぜひ楽しみにしていてください。

なみだ色の消しごむ

なみだ色の消しごむ

公演情報

なみだ色の消しごむ 4thワンマンライブ「この日のなみだは、絶対に消さない。」

2025年12月29日(月)東京都 Kanadevia Hall

プロフィール

なみだ色の消しごむ(ナミダイロノケシゴム)

芸能事務所・FreoMottoに所属するアイドルグループ。2023年7月に東京・神田明神ホールで単独公演を行ってデビューを果たした。これまでに東京・Spotify O-EASTや東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)でワンマンライブを行ってきた。2025年12月29日に東京・Kanadevia Hallでキャリア最大規模のワンマンライブ「この日のなみだは、絶対に消さない。」を行う。現在のメンバーは滝口愛奈、堀川すず、高松穂乃花、廣川かのん、白浜つゆは、菜森未咲、望月唯織の7人。