ナタリー PowerPush - 流田Project

謎の覆面カバーバンドが語るアニソン愛

来る9月28日、異色の覆面アニソンカバーバンド、流田Projectが2ndアルバム「流田PP」をリリースする。2009年、「○○を演奏してみた」と銘打ち、アニソンカバーの動画をニコニコ動画をはじめとする動画系サイトにアップし一躍話題に。以来、安定した演奏能力と楽曲構成力を武器にギターロック、ラウドロック風にアレンジしたアニソンカバー曲を立て続けに発表し続けてきた彼らだが、本作ではオリジナル曲を初披露。さらに、新機軸を打ち出すその一方で原点回帰も試みたという。

今回ナタリーでは、流田Projectのインタビューを敢行。チープにもほどがある仮面の裏に隠れたネットスターたちの素顔に迫った。

取材・文 / 成松哲 インタビュー撮影 / 平沼久奈

 
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ニコ動デビューは兄貴のひと言から

流田Project

──アニソンカバーバンドを組もうと思った動機を教えてください。

流田豊(Vo, G) 実はアニソンカバーってアイデアは、僕たち発信じゃないんですよ。もともと大学のサークルで全然違うことをやってるバンドだったんですけど、アニメや動画サイトに詳しい僕の兄貴が、ある日突然「今のアニソンの中には秀逸な曲が多い」「自分ら、アニソンをカバーしてニコ動(ニコニコ動画)に上げたら面白いんちゃう?」って言い出しまして。以前にも兄貴に言われて僕ひとりでボーカロイドの曲をニコ動に上げたことがあって、それが面白かったから、そのときも……。

栗川雅裕(Dr) 面白半分でな(笑)。

流田 (カメラマンに向かって)だから、こんなにフラッシュをいっぱい焚いてもらったりするのはホント申し訳なくて。特に野望や計算があるわけでもなく、軽いノリで始めちゃっただけなんで。

──そもそもはどんなバンドだったんですか?

流田 すごく雑食で、ハードロックからどポップな曲まで、ジャズ以外はほとんどのジャンルの曲をコピーしたんとちゃうかな? もともと僕はビートルズが好きで、高校2年生のときにビートルズのコピーをしたくてフォークギターを買ったのが音楽を始めたきっかけですから。全然アニソンと関係ない(笑)。

栗川 僕も高校の頃ドラムを始めたのは、X JAPANが好きだったからですね。いずれXに入ろうと思ってましたし(笑)。もしYOSHIKIが辞めるようなことがあったら、代わりに入ろうと。

流田 どう考えてもYOSHIKIが脱けたらXじゃなくなるだろ(笑)。

栗川 今考えるとそうなんだけどな。でも、そんなことにはまったく気付かず、親に無断でドラムセットを買ってきて、(音が漏れないように)自分の部屋の雨戸を全部閉め切って叩いてましたね。

今からギター始めたら、プロなれるで

流田Project

──穴澤さんはいつごろから楽器を?

穴澤淳(G) 僕にも兄貴がいるんですけど、その兄貴に中学のとき「今からギター始めたら、プロなれるで」と言われたのを真に受けて「うん、わかった!」って次の日にはギターを買いに行っちゃったんですよ。

栗川 兄貴にダマされやすいバンドやなあ。

穴澤 で、ハードロックがメッチャ好きだったんで、MR.BIGのポール・ギルバートをコピーしたり、あとはちょっとマイナーな、B級って言ったら失礼なんですけど、そんな感じのメタルバンドの曲を弾いたりしてました。

流田 C級バンドが何言うとんねん、って感じですけどね(笑)。

──桃山さんもご家族の口車に乗せられたクチですか?

桃山竜二(B)  いやいや(笑)。高校生のとき、別の学校に行った中学時代の友達とたまたま街ですれ違って「今バンドやっとって、メンバー探してるんだけど、やらへん?」って誘われたからですね。中学生の頃はドリカムとかを聴いてたんですけど、ちょうどその時期にヒット曲つながりでGLAYとかラルクとかLUNA SEAとかを聴き始めてバンドに目覚めたって感じだったんで、やることにしたんです。

流田 そして4人が大学のサークルで出会って、バンドを組んで、僕の兄貴の誘いでアニソンカバーを始める、と。

「エラいこっちゃ、すごいアクセスや!」

──これまでの口ぶりだと、皆さん、流田さんのお兄さんの話を聞くまでは、特にアニメやアニソンに詳しかったわけではなさそうですよね。

流田 確かにアニメは好きだったけど、すごく詳しいってわけではなかったですね。さっきもお話ししたとおり「面白そうやから」っていうサークルノリ、友達感覚で始めただけなんです。

穴澤 よく考えたら、それ、言ったらアカンのちゃう?

桃山 完全に遊びだと思われるやん(笑)。

──大丈夫ですって。音を聴けば遊びじゃないのはわかりますから。ただ、そんなノリでアップした動画がニコ動で人気をさらったわけですよね。そのときの気持ちって?

流田Project

流田 再生回数をチェックはしていたものの、最初はそのすごさに気づいてなかったんですよ。ニコ動の動画が普通どのくらい再生されるものなのか、全然わかってなかったんで。「コメントがいっぱい流れて楽しいな」って感じで映像を観てたら、兄貴から「エラいこっちゃ、すごいアクセスや!」ってメールが届いて、ようやくビックリしたって感じでした。

穴澤 あとで調べてみたら、確かにすごかったよね。一時は再生回数が1分間に200~300くらいずつ増えてたし、今も伸び続けてるし。

流田 ただ、ホント、何も考えずに始めちゃってるのは間違いないんですよ。サウンドについても「アニソンをギターロックでやろう」みたいなコンセプトがあったわけでも、綿密な打ち合わせがあったわけでもなくて「なんか化学反応が起きてくれたらいいな」って期待しながら、スタジオで一発音を出してみたら、こんなふうになっちゃっただけだし。

栗川 当時も今も「この曲をカバーしよう」って決めたら、まず全員自宅でそれぞれコードや音を拾ってきて、そのあと、とりあえず何も言わずに「せーの!」で音を出してみてるだけだもんな。で、演奏しながら、ほかのパートのプレイに自分のプレイを合わせていく。

流田 4人とも付き合いがムチャクチャ長い上にいっつも遊んでるような関係だから、初めて合わせた曲でも「アイツは、ここでこういうキメを入れてくる」っていうのがわかるんで、この方法でも意外と困らないんですよね。

栗川 まあ、悪く言うならマンネリやな。

流田 うん。4人とも引き出しの数が少ないだけのような気もする(笑)。

ニューアルバム「流田PP」 / 2011年9月28日発売 / 2625円(税込) / ジェネオン・ユニバーサル / GNCA-1307

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CD収録曲
  1. 空色デイズ <天元突破グレンラガン>
  2. Crow Song <Angel Beats!>
  3. 月ノ夜ニ ※オリジナル
  4. Alchemy <Angel Beats!>
  5. No buts! <とある魔術の禁書目録II>
  6. Magic∞world <とある魔術の禁書目録II>
  7. Little Busters! <リトルバスターズ!>
  8. 侵略ノススメ☆ <侵略!イカ娘>
  9. オレンジ <とらドラ!>
  10. My Soul, Your Beats! <Angel Beats!>
  11. 奏でるチカラ ※オリジナル
  12. さよならメモリーズ <supercell Singleより>
Bonus Track
  • うるまでるびのGO! GO! 選挙 <明るい選挙推進協会より>
2ndアルバム「流田PP」発売記念!ワンマンライブツアー「機材車で行く!北海道から九州まで 総走行距離約6000kmの旅」
  • 2011年10月16日(日)
    東京都 LIVE labo YOYOGI
  • 2011年10月21日(金)
    青森県 弘前Mag-Net
  • 2011年10月23日(日)
    北海道 札幌KRAPS HALL
  • 2011年11月3日(木・祝)
    大阪府 大阪RUIDO
  • 2011年11月4日(金)
    愛知県 名古屋ell.FITSALL
  • 2011年11月8日(火)
    福岡県 福岡DRUM SON
  • 2011年11月9日(水)
    広島県 広島ナミキジャンクション
  • 2011年11月19日(土)
    宮城県 仙台PARK SQUARE
  • 2011年11月20日(日)
    新潟県 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
  • 2011年11月26日(土)
    東京都 原宿ASTRO HALL
流田Project(ながれだぷろじぇくと)

アーティスト写真

メンバー4人がお面を付けた、アニソンカバー覆面ロックバンド。卓越したアレンジ力でアニソンのヒットソングをバンドアレンジでカバーし、ニコニコ動画などに公開している。2011年8月現在の累計再生回数は累計1200万回以上を記録。2010年12月にfripSideの八木沼悟志がサウンドプロデュースを手掛ける1stアルバム「流田P」でメジャーデビューを果たす。チープでコミカルな覆面姿からは想像のつかないパワフルなギターロックサウンドで、ライブツアーやイベント出演など精力的な活動を展開中。