ナタリー PowerPush - ナタリー×WOWOW ミュージックスタイルJAPAN フィッシュマンズ×サカナクション

白熱“魚”ライブの裏側 WOWOW連動インタビュー

アースデーライブ「TOKYO FM & JFN present EARTH×HEART LIVE 2012」が去る4月15日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催され、フィッシュマンズとサカナクションという「魚」にちなんだ2組のバンドが1万人のオーディエンスを熱狂させた。

この日、先攻を務めたフィッシュマンズのライブでは、茂木欣一(Dr)に加え、ゲストの原田郁子(Vo / クラムボン)、の子(Vo, G / 神聖かまってちゃん)の3人がそれぞれボーカルを担当。後攻のサカナクションは「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」「DocumentaRy」「アルクアラウンド」といったキラーチューンを惜しみなく投下し、2バンドともに圧倒的な存在感を見せつけた。

このライブの開催を受けて、ナタリーではフィッシュマンズの茂木欣一(Dr)とサカナクションの山口一郎(Vo, G)による対談を掲載する。なおWOWOWの番組オフィシャルページでは対談の別バージョンが読めるので、そちらもあわせてチェックしてもらいたい。貴重なライブの模様は、6月17日(日)22:30からWOWOWライブでオンエアされる。

取材・文 / 大山卓也 撮影 / 福岡諒祠

 
mixiチェック

原点は自分のワクワク感

──4月のさいたまスーパーアリーナは、フィッシュマンズ、サカナクションともに真剣勝負のステージでしたね。

インタビュー風景

山口一郎 はい。やっぱり僕らがワクワクしないと、リスナーの人たちもワクワクしないと思うんです。僕自身がフィッシュマンズを愛してきたミュージシャンだから、今回そのバンドとライブができるってだけでワクワクしたし、そのワクワクはきっとリスナーに伝わるだろうなって自信もありました。そこが原点っていうか、一番大事なことだと思ってますね。

茂木欣一 根っこは絶対忘れちゃだめだよね。

山口 でももっとワクワクしたかった(笑)。自分がフィッシュマンズで歌いたいって気持ちもあったし、このイベントこっきりじゃなくて、フィッシュマンズとサカナクションで何か面白いことができたらいいなっていうのも思うし。

茂木 すごいね。一郎くんは本当いろんなこと考えてるなって思う。

山口 理屈っぽいからモテないんですよ。

茂木 ウソ!(笑)

山口 前の彼女に「理屈っぽい男は嫌われるよ」って言われたから、そういうとこ直そうと思ってるんです(笑)。

予定調和を超えたステージを

──今回、フィッシュマンズがボーカルにの子さんを起用したのはなぜだったんですか?

山口 それ、俺も聞きたい。

茂木 そうだね。今までもすごいボーカリストにたくさん歌ってもらってきたんだけど、今回はやっぱり予想がつかない感じっていうか、予定調和じゃない人がいいなって。2005年以降のフィッシュマンズを、こっちの想像を超えた角度から壊してくれるような人。っていうことでの子くんの名前が挙がって、実際話してみたらの子くんがフィッシュマンズの曲すっごい好きってことで。

山口 そうだったんですね。

インタビュー風景

茂木 の子くんが熱く燃えてくれてるっていうのは、実際うれしい驚きでしたよね。佐藤くんが亡くなって以降のフィッシュマンズは、いろんなボーカリストを呼び込んで何曲か歌ってもらうっていう形でやってきたんだけど、その形は去年の日比谷野音でひと区切りついたなって思っていたのね。今回はもっとバンドらしくやりたくて、だから初めから、の子くんと郁子ちゃんに一緒にステージに出てもらって、1つのチームとしてやってみるっていうのが最大のテーマだった。とにかく賛否両論を覚悟して臨みましたね。

山口 の子は結構真面目にやってましたもんね。

茂木 一緒にリハーサルしたら、の子くん、すっごい真面目だからさ、もうずっと120%でやってて、3曲くらい歌った時点でもう汗だくなんだよ。その時点で佐藤(伸治)くんと一緒にやってた90年代前半のリハーサルとかライブの頃のことを思い出して、フィッシュマンズ初期の熱い衝動がよみがえってきた。本当にそこにはすごい感謝してるんだよね。

山口 の子、ニコ生とかではめちゃくちゃやるくせに、実際超いいやつですからね。

茂木 スイッチがあるんだろうね、彼の中で完全に。

山口 それがカッコいいですよね。暴れるときと真面目に取り組むときのギャップっていうか。普段暴れてる分、真面目なスイッチが入ったときがすごい。

茂木 だから彼は常に本気なんだよね。ミュージックシーンに対しても生半可なつもりでああいうアティテュードをとってるわけじゃないんだっていうことが今回よーくわかった。

山口 表と裏がないですよね。

茂木 うん。こんな熱い若者がいたってことにびっくりしたし、そこに感動したよね。

──今回の子くんの存在があったせいか、郁子さんも普段とまた違う印象を受けました。

茂木 うん、エモーショナルというか、情熱的な感じで。元々そういうの持ってる人だけど、それがいつもよりも表面に出てきたっていう感じがありましたね。

MUSIC STYLE JAPAN

ミュージックスタイルJAPAN
フィッシュマンズ × サカナクション

WOWOWライブ
2012年6月17日(日)22:30~

プロフィール写真

フィッシュマンズ

1987年に佐藤伸治(Vo, G)を中心に結成されたロックバンド。1991年に小玉和文(ex. MUTE BEAT)のプロデュースのもと、シングル「ひこうき」でメジャーデビューを果たす。当時のメンバーは佐藤、茂木欣一(Dr)、柏原譲(B)、ハカセ(Key / 後のHAKASE-SUN)、小嶋謙介(G)。ライブではzAkがPAで加わるなどして、徐々に独自のサウンドを作り上げていく。ハカセ、小嶋の脱退を経て、1996年にアルバム「空中キャンプ」をリリース。レゲを軸に、ダブやエレクトロニカ、ロックステディ、ファンク、ヒップホップなどの要素を取り入れた、独特の世界観で好評を博す。その後も木暮晋也(G / Hicksville)、ダーツ関口(G / ex. SUPER BAD)、HONZI(Key, Violin)をサポートメンバーに迎え、音源リリースやライブ活動を展開。1998年末をもって柏原がバンドを脱退し、その後の動向が注目される中、1999年3月に佐藤が急逝。これによりバンドは活動休止を余儀なくされるが、バンドは2005年夏に「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2005 in EZO」で、ゲストボーカルを迎える形で復活。その後も単独ライブやイベント、フェスなどで不定期にライブを行っている。

プロフィール写真

サカナクション

山口一郎(Vo, G)、岩寺基晴(G)、江島啓一(Dr)、岡崎英美(Key)、草刈愛美(B)からなる5人組バンド。2005年より札幌で活動開始。ライブ活動を通して道内インディーズシーンで注目を集め、2006年8月に「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2006 in EZO」の公募選出枠「RISING★STAR」に868組の中から選ばれ初出場を果たす。2007年5月にBabeStarレーベル(現:FlyingStar Records)より1stアルバム「GO TO THE FUTURE」、2008年1月に2ndアルバム「NIGHT FISHING」を発表。その後、初の全国ツアーを行い、同年夏には8つの大型野外フェスに出演するなど、活発なライブ活動を展開する。2009年1月にVictor Records移籍後初のアルバム「シンシロ」をリリース。2010年3月に4thアルバム「kikUUiki」を発表し、同年10月に初の日本武道館公演を成功させる。2011年には5thアルバム「DocumentaLy」をリリースし、同作のレコ発ツアーの一環で初の幕張メッセ単独公演を実施。約2万人のオーディエンスを熱狂させた。2012年5月に初の書き下ろしドラマ主題歌を含むシングル「僕と花」を発表。