この曲は遊園地でいうと……

──アサヒ飲料「FAUCHON」のCMソングとしてオンエア中の8曲目「Bon Appetit」は、かわいらしいテクノポップ。自然と体が揺れ出してしまう1曲ですが、ボーカルを加工したりと新たな挑戦もありますね。

YUKA　この曲はCMのお話をいただいて、そのイメージから作っていったんですが、アルバムの中での役割はエレクトリカルパレードみたいなイメージ。ピコピコしてるし、イルミネーションがキレイなパレードが似合うかなって。

──ぴったりだと思います。

YUKA　ただ、サウンドは今までにない感じだから驚く人もいっぱいいると思う。でも、なんでもありの遊園地なので（笑）もう遊んでしまおうということで。

──うんうん。後半ではサウンドにノイズが入ってたり、いろいろなところに仕込まれたギミックも面白いですね。

MASAKI　これはがんばりました！ ずっとパソコンの前で、マウスをいじりすぎて手が痛くなりましたけど（笑）。作ってても面白かったですね。

──あともう1曲、アルバムの中で異彩を放っているのが6曲目「I found love.」。英語詞が大部分を占める、かなり大人っぽいナンバーです。

YUKA　久しぶりにこんなにジャジーな曲ができましたね。歌録りもすごくいい感じにできて、悩まず、サクッと終わりました。

──これは遊園地でいうと何になりますか？

YUKA　ゆっくり回りながら落ちる落下傘みたいな乗り物あるじゃないですか？ あれが、すごくスローモーションで見えてる感じ。歌詞の、とろけそうに好きな気持ちにも合ってるかなって。

──その画は、すごく甘くてロマンチックですね。じゃあ、ラストの曲「We Go」は何？

YUKA　「We Go」は……みんなで下から「キレイだね」って眺めてる観覧車のイメージ。観覧車って遠くから見るだけでも、街が機能してるっていうか、みんながいるんだなっていうのがわかって安心するんですよね。ここでの観覧車は、そんなイメージで書いてみました。

アドレナリンがバーッて出たらうれしい

──ここまで聞いてきただけでも、楽曲のイメージがどれもアトラクションと一致しててすごく面白いですね。

YUKA　今回の初回限定盤のブックレットには、それぞれの曲のページに、そこからイメージしたアトラクションの写真を載せてるんです。さらに私がイラストも加えてたりするので、続きはぜひブックレットで楽しんでもらえると（笑）。

──わかりました！ 最後に改めてですけど……今作は1曲目「Chu Chu」で遊園地に入園し、いろいろなアトラクションを回って「We Go」で遠ざかる遊園地を眺めて帰るみたいな、そんなストーリーが浮かびました。ロマンチックで夢がありますね。

YUKA　そうなんです。私だったら入園時に「Chu Chu」のイントロが流れてるだけで「よおーし！ ポップコーン買って遊ぶぞー！」みたいな気分になって、2曲目以降は「どれ回ろう？」ってなると思います。

──聴く人によって、いろいろなアトラクションの回り方ができそうです。

YUKA　いろいろお好きなように回ってもらって、アドレナリンがバーッと出てもらえたらうれしいです（笑）。

──2月24日からは初のホールツアー「FULLMOON LIVE TOUR 2012」がスタートします。ツアーではもちろん、このアルバムの曲もたっぷり聴けるんですよね？

YUKA　そうなると思います。全会場がホールのツアーは初めてなので、超緊張してますけど。

──今作の世界観を反映した演出やセットもあるんでしょうか？

YUKA　ベタベタに遊園地のセットを作るっていうのはないと思うけど、何かしらの形でアトラクションとかがチラチラ見えたら楽しいかなと。

MASAKI　曲自体の演奏も、打ち込みの「Bon Appetit」みたいな曲もあるし、いろいろ見せ方は考えてます。あと、前回はバイオリンをYUKAちゃんが弾いて、僕がパソコンでバイオリンと声をループさせるコーナーをやったんですけど、そういう特別な見せ場もまた作りたいですね。

YUKA　その前はTENORI-ONという楽器を2人で同期させて、リアルタイムで打ち込みをやったんです。

MASAKI　せっかくだから何か面白いことを。これはこのツアーに来ないと観れなかったね、っていうものはぜひ用意したいと思います。