ももたまいファンは、ちょっとヌルい?
──挙式の会場がお二人の出身地ではなく新潟だったのはなぜなんでしょうか?
百田 まず、ももクロで行ったことがない場所がいいと思っていて。
玉井 それと大安ね。大安吉日でいい会場を探した結果、新潟県民会館になりました。
──あの日は開場時間より前に到着したんですけど、会場周辺にフォーマルな格好をした人が大勢いて「すごいところに来てしまったな……」と思いました。
玉井 ふふふ(笑)。私たちの茶番にモノノフの方が付き合ってくれるのがすごいですよね。
百田 茶番も含めて楽しんでくれてるみたいな。なんだろう、ファンの人にも色があると言うか……ももたまいファンの人って、ももクロ5人のファンとはまた違う空気があるんじゃないかなって感じました。それはみんなが「結婚式ってどんなことやるんだろう」と緊張してたのもあると思うんですけど、なんとなく、ももたまいファンの性格が出てる気がしました。
──どんな感じなんでしょうね。ももたまいファンの性格。
百田 ほかのメンバーよりも、ちょっとヌルい?
玉井 言い方(笑)。でもそんな感じはある。
百田 うちらがヌルいからだと思うんですけど。
玉井 「こいつらバカだなー」と思って見てくれるのがわかるし、そこに愛を感じるんです。いい意味でね。
百田 いい意味で。なんかほっこりしてる。問い合わせが事前にいっぱいあったみたいなんですよ。「フォーマルってどの程度なんですか?」「色は入れちゃだめなんでしょうか」って。真面目か!(笑)
──ちょっと差し色で赤と黄色を入れた方はいましたけど、ほとんどの人が本気のフォーマルでしたね。それで入場口では豪勢な引き出物を渡されるから、なおさら「これはいつもと違うぞ」とみんな感じたんじゃないかなと思います。
百田 確かにこの日は準備段階から「いつもと違うぞ」感があって、「なんだこれ」って何回も思いましたもん。
──特典映像にはそのあたりも収められてましたね。楽屋に「○○の間」みたいな張り紙があったり、親戚一同みたいな記念撮影をしたり。
百田 スタッフさんもみんなスーツだし、普段はみんな記念写真なんて撮らないのに、ここぞとばかりに集まってきて(笑)。
──新郎新婦ならぬ“新婦新婦”の入場シーンなんて、華やかすぎて本当に披露宴にいるような不思議な気持ちになりました。
百田 泣いてる人とかいたもんね(笑)。
玉井 泣きながら「おめでとう!」って言われて、うちらも「ホントに結婚するのかな?」みたいになっちゃって(笑)。
百田 なんとも言えない気持ちになりました。夢の空間って言うのかな。現実と離れた空想の世界みたいでしたね。
代々木公園の猫たち再び
──空想と言えば、オープニングやエンディングの映像もかなり作り込まれてましたね。
玉井 ドラマ仕立ての映像にしたかったんです。ももクロのライブで流れるナレーションが付いたイメージ映像とは違う雰囲気にしたくて。
百田 ライブのオープニングに2人共ウエディングドレスで出るんだったら、どうしてそうなったのかを説明する必要があるかな……とかいろいろ考えて。最初は玉さんがタキシードで私がドレス、という案もあったんですよ。
玉井 でも「ちょっと待って。私タキシード?」って(笑)。それをドラマ仕立てにしたんです。
──結果、新郎新婦ならぬ“新婦新婦”という概念が生まれたんですね。
百田 そう。やっぱりファンのみんなはドレスを着ているところが見たいだろうし。
玉井 それに、ウエディングドレスマジックってあるじゃないですか。かわいく見えるもんね。
──歌のパートはももクロ楽曲やほかのアーティストのカバーもありましたが、カバーの選曲もお二人が?
百田 はい。でも松田聖子さんの「旅立ちはフリージア」だけは川上さんのリクエストで。
玉井 「これは歌ってくれ」って。
──なぜ「旅立ちはフリージア」を?
ももたまい 好きなんでしょうね。
百田 川上さん、演出は自分の意見もガツガツ入れてきて。うれしそうにね(笑)。最近は川上さんがライブの演出をすることがあまりなくなってしまったけど。
玉井 本番直前までいろいろ変わったり、手作り感のあるイベントでしたね。
──規模は大きいけれど、初期のももクロを彷彿とさせるカオス具合でしたね。川上イズムを感じる無茶苦茶加減というか。
百田 そうそう。確かにそうですね。
玉井 代々木公園の猫たち再び、みたいな(笑)。
百田 懐かしいー(笑)。ずっとやってきたことの原点みたいな。もっとたくさんのスタッフさんやお客さんを巻き込んで、盛大な茶番をやる。ほかのメンバーがソロで成長した姿、大人になった姿を見せている中、私たちは変わらないラインをあえて見せるのもいいかなと。うちらが成長した姿を見せるのかと思うと……なんか笑っちゃうよね(笑)。
──大人な百田夏菜子、大人な玉井詩織を見せたいとは思わない?
百田 見せたいかって言われると、そうは思わないですね(笑)。
玉井 それぞれに合った見せ方や役割があって、うちらは変わらない部分が見せられたらいいのかなって。
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挙式の次はトランポリン
- ももたまい「ももたまい婚」
- 2017年7月26日発売 / EVIL LINE RECORDS
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[Blu-ray Disc]
7344円 / KIXM-286 -
[DVD2枚組]
6264円 / KIBM-663~4
- 収録内容 ※カッコ内はオリジナルアーティスト
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- ミライボウル(ももいろクローバーZ)
- スターラブレイション(ケラケラ)
- いつか君が(ももいろクローバーZ)
- Ring the Bell
- シングルベッドはせまいのです
- 未来へススメ!
- 未来予想図II(DREAMS COME TRUE)
- 旅立ちはフリージア(松田聖子)
- 夜更けのアモーレ
- Story(AI)
- 君に贈る歌~Song For You(シェネル)
- 映像特典
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ももたまい婚 メイキング、OP/ED アウトテイク集
- ももたまい
- ももいろクローバーZの百田夏菜子、玉井詩織によるユニット。もともとは仲のいい2人を指す呼称だったが、2012年4月に行われた神奈川・横浜アリーナでの2DAYSライブ「ももクロ春の一大事2012 横浜アリーナまさかの2DAYS」でユニットとしてオリジナルソング「シングルベッドはせまいのです」を披露した。2016年9月にはザ・ピーナッツのトリビュートアルバム「ザ・ピーナッツ トリビュート・ソングス」に2人で参加。同月には新潟・新潟県民会館にて“結婚披露宴”イベント「ももたまい婚」を開催し、このステージで披露された新たなオリジナルソング「Ring the Bell」「夜更けのアモーレ」を“ももたまい”名義による配信シングルとして発表した。2017年7月には上記イベントの模様を収めたライブBlu-ray / DVD「ももたまい婚」がリリースされた。
2017年10月6日更新