hide presents MIX LEMONeD JELLY 2017|hideと同世代の3人「MLJ」で邂逅

“好き”が勝って辞められないロック人生

MAGUMI そう考えるとニューロティカはホントにすごいよね。ずっと自分たちのペースでやってるし、まったく止まってないから。

大槻 自分たちで会社経営みたいな方法でバンドを動かしているものね。ライブをやってTシャツやCDを売ってバンドを回していくやり方は革命的だったし、リスペクトすべきだと思います。

アツシ ありがとうございます。

MAGUMI 主演映画(ドキュメンタリー映画「あっちゃん」)まで撮って。

大槻 最近、髪も増えてパーマもかけてるしね。ちょっと天龍源一郎っぽいけど。

MAGUMI 毛生え薬飲めって言ったの、俺なんだよ。

アツシ ホントは舘ひろしみたいにしたかったんですけどね(笑)。バンドに関して言えば、辞めるタイミングを逃してるところもあるんですけど……。

大槻 それ、みんなそうだよ(笑)。でもそれはいいこと。

アツシ(ニューロティカ)

アツシ 何回も「もういいや」って思ってるんだけど、“好き”っていう気持ちが上回っちゃうんですよ。音楽というより、ニューロティカが好きなんですけどね。誰か代わりにやってくれる人がいたら、落語家の2代目みたいな感じで譲ってもいいんだけど(笑)。

大槻 いいよね、2代目。僕も2代目大槻ケンヂを探してるんですよ。メンバーも全員2代目になって、筋肉少女帯シニアと筋肉少女帯ジュニアが対バンしたら面白そうでしょ?

MAGUMI ははは(笑)。この歳になっても続けているっていうのは、やっぱり好きだからだろうね。今もバンド(MAGUMI AND THE BREATHLESS)の練習、週1でやってるんだよ。

大槻 すごいね!

MAGUMI LÄ-PPISCHの活動が不定期になって、もっとしっかり動けるバンドをやりたいと思って始めたんだけど、好きじゃないとやらないからね。長くやってるといろんな波があるけど、波が底辺のときにほとんどの人が辞めちゃうじゃない? でも、そこで“好き”が勝っちゃうっていう。

復活した「MIX LEMONeD JELLY」に感じるhideの志向

大槻 僕も長いことバンドをやってきましたけど、ここ10年くらいで「自分は音楽のことが何もわからない」ということがわかったんです。筋肉少女帯はバカテクのミュージシャン集団なんですけど、そこに音楽がわからない人間が入ることで、なぜかうまくハマるっていう。そうであれば神輿に乗り続けて、オーディエンスを連れてこないといけないなって。あとね、この年齢になると、アドレナリンが燃えるようなことはライブ以外になかなか見つからないんです。今回の「MIX LEMONeD JELLY」もすごく楽しみですね。

MAGUMI hideとは本当によく飲んでたんだけど、このイベントの話はずっとしてたんですよね。やりたいこともたくさんあっただろうし、それが実現しないまま亡くなってしまって。だから「MLJ」が復活したのはすごく意味があることだし、このタイミングで自分たちが出るっていうのも、hideのメッセージなのかなと感じたりしますね。

大槻 バンドやアイドルが入り混じってるのもいいよね。hideさんは山瀬まみさんの「親指姫」(1989年発売)というアルバムを高く評価してたんです。当時アイドルだった山瀬さんが、ロックバンドの人たち(大槻、奥田民生、デーモン閣下らが参加)とコラボレーションした作品なんだけど、「すごくいい」って言ってて。そういう彼の志向は今回のイベントにも出てる気がしますね。(出演ラインナップを見ながら)あ、チームしゃちほこも出るのか。あの子たちから見たら俺ら変なお父さんみたいな感じかな。

MAGUMI オンとオフの差が激しすぎるからじゃない?

大槻 最近はステージでもオフになる技術を会得してるからね。

アツシ はははは(笑)。

MAGUMI こういうイベントは、とにかく楽しむってことが重要なんだよね。もちろんステージでは緊張感もあるんだけど、それがうまくミックスできるといいかなって。いろんなバンドやアーティストが出てるから、面白そうな人には興味あるしね。

アツシ 大槻さん、今日会うなり「最近、面白いバンドいない?」って言ってましたよね。

大槻 うん(笑)。バンドじゃないんだけど、今回のイベントに出るSTARMARIEもすごく面白いよね。若くてかわいい女の子のグループなんだけど、死について歌ってる曲とかあってさ。しかもアルバムのジャケットが新日本プロレスの永田(裕志)選手という(笑)。

アツシ すごい(笑)。僕らはひさしぶりの広いステージなので、ハッチャけたいですね。こんなすごいイベントに呼んでもらえたこともうれしいし、とにかく笑かして笑かして笑かし倒します。それが自分たちの役回りなので。

MAGUMI ニューロティカはこのフェスにぴったりだと思うよ。どのバンドよりもヴィジュアル系だから(笑)。

大槻 そうだよね。筋肉少女帯は「踊るダメ人間」で“Xジャンプ”によく似た“ダメジャンプ”というのがあるので、お客さんはその曲をやるかどうかも見どころですよ! 筋少でhideさんの「DICE」をカバーしてるから、それもやりたいと思ってます。本番までにカラオケで練習しとこうか(笑)。

左から大槻ケンヂ(筋肉少女帯)、MAGUMI(MAGUMI AND THE BREATHLESS)、アツシ(ニューロティカ)。
hide presents MIX LEMONeD JELLY 2017

2017年8月5日(土)東京都 新木場STUDIO COAST
OPEN / START 11:00

hide presents MIX LEMONeD JELLY 2017

出演者

RIGHT STAGE

defspiral / ニューロティカ / LM.C / J / 筋肉少女帯 / ZEPPET STORE

LEFT STAGE

SPEED OF LIGHTS / jealkb / Aldious / 大門弥生

BLUE SKY STAGE

カルメラ / チームしゃちほこ / exist†trace / KISS THE WoRLD / GREMLINS / MAGUMI AND THE BREATHLESS / heidi. / DaizyStripper / 山嵐

ISLAND STAGE

STARMARIE / 桃知みなみ / DJダイノジ / DJ HIROAKI ASAI / Kiyoshi / DJ INA / ゴウシ&CUTT / 桂りょうば

筋肉少女帯(キンニクショウジョタイ)
1982年に中学の同級生だった大槻ケンヂ(Vo)と内田雄一郎(B)によって結成。インディーズでの活動を経て、1988年にアルバム「仏陀L」にてメジャーデビューを果たす。1989年に橘高文彦(G)と本城聡章(G)が加入し、「日本印度化計画」「これでいいのだ」「踊るダメ人間」などの名曲を発表。特に「元祖高木ブー伝説」はチャートトップ10入りを記録し、大きな話題に。大槻による不条理&幻想的な詩世界とテクニカルなメタルサウンドが好評を博すものの、1998年7月のライブをもって活動を“凍結”。各メンバーのソロ活動を経て、2006年末に大槻・内田・橘高・本城の4人で活動再開を果たす。2007年9月には約10年ぶりのオリジナルアルバム「新人」をリリース。東京・日本武道館公演や「FUJI ROCK FESTIVAL」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」といった大型イベントへの出演など、精力的なライブ活動を展開する。2015年5月には人間椅子とコラボバンド「筋肉少女帯人間椅子」でシングル「地獄のアロハ」を発表。2016年10月にはベストアルバム「再結成10周年パーフェクトベスト+2」とシングル「人から箱男(筋少×カラオケDAMコラボ曲)」を同時リリースした。
MAGUMI AND THE BREATHLESS(マグミアンドザブレスレス)
MAGUMI(Vo, Tp)、永井秀樹(G, Cho)、袴塚徳勝(B, Cho)、カサマツマサヨシ(Dr)、島本亮(Key, Sax, Cho)からなる5人組バンド。LA-PPISCHのフロントマンとして知られるMAGUMIのソロアコースティックユニットにリズム隊を加えて2009年に結成された。2011年に2枚のシングルと1stアルバム「delight」をリリース。2014年5月には2ndアルバム「Demonstration」とシングル「Electric Discharge」を2タイトル同時リリースした。現在は全国各地でライブを中心に活動中。
ニューロティカ
1984年にATSUSHI(Vo)と修豚(G)によって結成されたパンクバンド。結成と同時に設立したネオファミリーレコードからオムニバス盤やシングルを発表し、1989年5月には初のフルアルバム「ハーレム野郎」をリリース。翌1990年6月に日本コロムビア TRAID レーベルより、シングル「ア・イ・キ・タ」でメジャーデビューを果たした。ピエロメイクと派手なコスチュームで誰もが口ずさみやすいパンクサウンドを提示し続け、特にライブを重視した活動により現在までの総ライブ回数は1600回を超える。また野村沙知代や小向美奈子との共演や奇抜なライブ企画などユニークな活動でたびたび話題となる。この姿勢をリスペクトし、これまでリリースされているトリビュート盤には氣志團、PUFFY、カジヒデキ、LUNKHEAD、MERRYなど多彩なアーティストが参加している。現在のメンバーはATSUSHI、KATARU(B)、NABO(Dr)、JAMES(G)で、2017年5月にこの体制で初のアルバム「良いか悪いかは別として(笑)」をリリースした。