福原愛さんと卓球をして鳥肌が立った

──記念すべき20thシングル「Switch」のジャケット（右の写真）はいかがですか？

hiroko　これ、実は砂漠で撮ってないんですよー。

──合成？

hiroko　はい。私たちは普通のスタジオで撮ったんですが、壮大な大地の中にいるっていう表情を作ってます（笑）。

──風にも吹かれてますしね。

hiroko　このときは下から一生懸命バーッて風を当ててくれる人がいて。でも髪の毛がきれいに散らばるタイミングがすごく難しいんですよね。自分の表情もきちんと決めないといけないし。だからこのときは「はよ決めろ！」って自分に言い聞かせてました（笑）。

──今までこういう、風を使ったジャケット写真ってありましたっけ？

hiroko　PVではあったんですけど、ジャケットではこれが初でしたね。あとこの曲は「世界卓球2009」の公式テーマソングに使っていただいたんですが、福原愛さんにも初めてお会いできて。福原さんがよく私たちの音楽を聴いてくれてるということで対面が実現したんですが、なんと一緒に卓球までさせていただいたんです！

──そういえば、hirokoさんって昔卓球部でしたよね？

hiroko　はい。小学校のとき卓球クラブみたいなのに入ってて、そのとき憧れてた福原さんとまさかラリーができるとは！って感じで、めちゃくちゃ鳥肌立ちましたね。私の中で「スポーツといえば卓球の愛ちゃん！」でしたから。

──そうだったんですね。ところで、初つながりでいくと25th「マスターピース」（右の写真）は2人の写真がモノクロ。これまでカラフルなイメージが強かったmihimaru GTの新境地でしたね。

hiroko　そうですね。これは2人がソロ活動を経て、mihimaru GT再始動っていうときの1枚で。衣装もレザージャケットを着たり、これまでとは違う雰囲気が出てると思います。

──hirokoさんの表情もかなり大人っぽいですよね。

hiroko　ありがとうございます。「またmihimaru GTをスタートするぜ！」みたいな気持ちが、この強い視線に出たのかなって思います。

ぐるぐる螺旋状に進化してる

──ここまで5年間のシングルをアートワークから振り返ってみていかがですか？

hiroko　ジャケット写真はみんなで話し合ってコンセプトを決めるときもあれば、デザイナーさんが作ってくれた案の中から選ぶこともあるんです。でも、本当にいろんなバリエーションで作ってきたなって。

miyake　作品ごとに違うカメラマンさんやアートディレクターさんとお仕事をしたり、いろんな方々の力を貸していただいて。そういう縁もまた一期一会だなって思います。こうしてCDを並べてみると、曲の世界観も含めてそれぞれに唯一無二のストーリーがあって。それが走馬灯のようによみがえってきますね。

──miyakeさんは、楽曲面の変化や成長についても思うことがありそうですね。

miyake　そうですね。「I SHOULD BE SO LUCKY」（右の写真）でカイリー・ミノーグの曲をサンプリングしたり、結構いろんなことをやってきたなって。このとき実際にカイリー・ミノーグ本人にも会えたんですよ。それも思い出深いし、そういうコラボレーションやマッシュアップによってつながっていく音楽って面白いなって。出会いはどこにあるかわからないなって思います。あとサンプリングでいうと、「Love Letter」（右下の写真）にもベートーベンの「悲愴」を使ったり。

──あのアイデアは意外でした。

miyake　改めて考えると、そういういろんな要素を面白く料理していけるのもmihimaru GTなのかなって思います。今回のベスト全体については、1枚目の「THE BEST of mihimaru GT」はすごく試行錯誤してる感じもあったけど、今回はmihimaru GTというスタイルが少しずつ確立されてきた1枚でもあるのかなって。音の構築具合というか、芯の部分がちょっとずつ太くなってきた気がします。

──hirokoさんはいかがですか？

hiroko　なんか……迷いながらもぐるぐる螺旋状に進化していってるのかなって。例えば声の出し方ひとつにしても、試行錯誤しながらも着実に進化してるなって感じがしました。