ナタリー PowerPush - ミドリカワ書房

芸能界随一のファン、ガリガリガリクソンが語るミドシン世界の魅力

ミドリカワ書房のメジャー復帰第1弾アルバム「愛にのぼせろ」は、恋愛をテーマにしたコンセプチュアルな作品。「教師を好きになった女子高生」「好きな女性の身を守るために初めて合コンに出席する男」「生理が来ず妊娠の心配をする女子高生」など、さまざまな立場の男女による一癖も二癖もある物語が、彼ならではの語り口で描かれている。このうち6曲はGOING UNDER GROUNDが演奏しており、松本素生が作曲したナンバーも2曲収録。洗練されたバンドサウンドでのラブストーリー集という、これまでのアルバムとは趣の異なった意欲的な内容に仕上がっている。

「J-POP界の無頼派」の異名を持ち、音楽シーンに独自の立ち位置を築いたミドリカワ書房。ナタリーでは今回改めてその魅力を確認するべく、彼の大ファンであり数少ない友人のひとりでもあるお笑い芸人のガリガリガリクソンを迎え、ファン目線での今の思いを本人に向けて語ってもらった。

取材・文/橋本尚平 フローチャート作成/伊藤雅代 撮影/中西求

ミドリカワ書房はジャルジャルが好き

写真左からミドリカワ書房、ガリガリガリクソン

──ガリガリガリクソンさんがミドリカワさんのことを最初に知ったのはいつ頃ですか?

ガリガリ 「顔2005」が有線で流れてたときですね。

ミドリカワ あっ、じゃあ結構昔じゃないですか!

ガリガリ ちょうど僕がステーキ屋さんで働いてたときに店内で流れてて、「誰の曲かなぁ」「聴いたことない曲やけどいい曲やなぁ」ってバイトの子と一緒に言って、何回も電話でリクエストしたんですよ。その後にアルバムが出たので買ったら、めっちゃオモロくってファンになりました。これはえらいのが出てきたな! すごい人や! って思いました。

ミドリカワ えー、ホントですかあ?

ガリガリ うん、2割ぐらいは本当。はっはっは(笑)。

ミドリカワ ありがとうございます。なんだ、僕はてっきり白仁田さんがオススメしたんだと思ってました。

ガリガリ そうじゃないんです。白仁田さんがミドリカワ書房のファンだって言うてはったときにね、僕も前から好きだったんですよー、って。

──白仁田さんというのはどなたですか?

ガリガリ 僕のマネージャー的な人ですね。チビブスなおばさんなんですけど(笑)。実際にお会いしたのは去年ぐらいですよね?

ミドリカワ ガリくんが以前からよくブログで僕の名前を出してくれてたんで、あら! 私も好きよ! って書いてやりとりしてたんですけど、会ったのは去年の「ミドフェス2010」に出てもらったのが最初ですね。

ミドリカワ書房

ガリガリ もうマジかよと思いましたね! とうとうココとつながったかと!

ミドリカワ いや、本心では「めんどくせ」って思ってたに違いないですよ。

ガリガリ まあ、ちょっと大阪から遠かったですけど。

ミドリカワ だよねえ!? あははは(笑)。でも、あのときは東京に泊まっていきましたよね。だってガリくん打ち上げにいたもん。そんで六本木のホテルに行くっつってたよ? あらーキミも偉くなったねー六本木なんて。

ガリガリ いやいやそんなこと(笑)。

ミドリカワ こないだ「ミドフェス2011」の東京公演で前説やってもらった諸見里(大介)くんは大阪に帰りましたから。「僕は日帰りばっかなんですよー」っつって。ガリくんと違って。

ガリガリ ええぇ!? 打ち上げとかには出なかったですか?

ミドリカワ なんかね、帰らされちゃうんだって。大変ねえ(笑)。

──ちなみに「ミドフェス」にはガリガリさんや諸見里さんが出演したことがありますが、ミドリカワさんはお笑いが好きなんですか?

ガリガリ ミドリカワ先生とは結構仲良くさせていただいてますけど、ホンマに好きなのはジャルジャルなんですよね?

ミドリカワ いやいやいやいや……。何を言ってるの。

──ジャルジャルが好きなんですか?

ミドリカワ まあ、そりゃ大好きですけど……。

ガリガリ ほらっ!(笑) だからホンマやったらジャルジャルと話したかったのとちゃいますか!? うわーっ、恐ろしいなーホントに。

ミドリカワ 何を言ってるの! 別物ですよそんなの。ガリくんはジャルジャルなんて相手じゃないっしょ?

ガリガリ やめてくださいよ! なんてこと言うんですか! そんなこと書かれたら僕また炎上して、大阪のお偉いさんに呼び出されちゃいますよ! 怖い怖い!(笑)

ニューアルバム「愛にのぼせろ」 / 2011年7月13日発売 / 2800円(税込) / 徳間ジャパンコミュニケーションズ / TKCA-73654

  • Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. グッドモーニング
  2. 銭湯の思い出
  3. 君は僕のものだった
  4. 片想われ
  5. 魔法にかけて!
  6. こちょばしっこ
  7. はじめての合コン
  8. I am not a mother
  9. また明日
  10. 熱海
ミドリカワ書房(みどりかわしょぼう)

ミドリカワ書房

1978年生まれ、北海道出身。自ら「J-POP界の無頼派」を名乗る異色シンガーソングライター。2004年12月にインディーズレーベルよりアルバム「みんなのうた」を発表。翌2005年7月に「みんなのうた+α」でメジャー進出を果たす。思わず口ずさんでしまうメロディに清涼感あふれる歌声、それと相反する社会や人間の闇に切り込んだ詞世界が持ち味。歌詞のテーマは「死刑」「ひき逃げ」「離婚」「万引き」「DV」など多岐にわたり、すべてが物語調になっている。2008年に所属レコード会社との契約が切れインディーズに拠点を移し、2011年に恋愛をテーマにしたアルバム「愛にのぼせろ」で徳間ジャパンから再デビュー。また2009年から毎年開催されている主催フェス「ミドフェス」は、全出演アーティストをすべてひとりで演じるというユニークな内容で話題を集めている。