自己紹介のようなデビューミニアルバム

──デビューミニアルバム「Melody」は、ご自身の名前をタイトルに冠した1枚ですね。

「メロディー」は両親が付けてくれた私の本名ですし、音楽が本当に大好きなので。自己紹介のような1枚になればいいなという思いも込めてタイトルは絶対これだなと思いました。ほかの案は思いつかなかったです。

──1曲目「Melody」はファルセットの歌声のみで多重録音されたナンバーです。メロディーさんの歌の実力と魅力が存分に発揮されています。

きれいな和音の響きを目指して作ったのですが、ちょっと神秘的な雰囲気も感じられるオープニング曲になったのかなって。2曲目以降とはひと味違う歌を味わってほしいです。現在短大の声楽科に在籍しているので、そこで学んでいることが生きるような少しクラシックっぽい要素も入れてみました。

──2曲目「Love Youベイベー」はとてもキュートな恋愛ソングです。

付き合いたてのカップルが主人公で、最初はなんとなく付き合った彼女が気付けばどんどん彼を好きになってるっていう。とてもかわいらしい1曲に仕上がりました。この曲はアルバム収録曲の中で唯一ダンスがあるので、イベントやライブではみんなで踊ってもらえたらうれしいですね。サビの振りがかわいいんです。

──メロディーさんはダンス経験もあるんですか？

もともと踊りもやっていて、歌いながら踊るのは好きなんです。だからアルバムで1曲は振りのある曲が欲しかったし、今後もいろんなジャンルの踊りに挑戦してみたいです。

──リード曲である3曲目「I Promise～誓い～」は夢に対するストレートな気持ちを歌ったバラード。ご自身の心境ともリンクしていそうですね。

はい。デビューというスタートラインに立った今の気持ちがそのままつづられています。これまでの道のりや今まで手にしてきたものも大切にしながら進んでいきたいという私の思いが詰まっています。

──制作にあたって作詞家さんともお話をされたんですか？

はい。私が携わった曲もそうでない曲も、「こんな曲にしたい」とか「こういうことを伝えたい」というのを制作チームの方々と何度も話し合って作っていくんです。そうして音や言葉のチョイス1つにしても納得がいくまでブラッシュアップしていく。作詞作曲の経験は少ないですし、正解のないものだから難しさも感じるんですけど、こだわって作ったものが形になるとすごくうれしくて。まだまだ皆さんのお力を借りつつですが、1曲完成するととても達成感があります。

歌手以外の選択肢は頭になかった

──「I Promise～誓い～」の歌詞に話を戻すと、平坦ではなかった日々を表現したような部分も見受けられますね。

歌手としてデビューするチャンスがなかなかつかめなかった頃の私のリアルな思いです。オーディションはけっこうな本数を受けていたんですが、いいところまで行っても最終でダメだったり……というのを繰り返すうちに、だんだん不安や焦りが募ってしまって。「このままデビューできなかったらどうしよう？」「こんなに歌手になりたいのにどうしてダメなの？」っていう不安定な気持ちでしたね。

──あきらめようと思ったことはなかったんですか？

不思議となかったです。歌手以外の選択肢は頭になかったし、「次でダメならやめよう」とか「別の道へ進もう」とは思ったことがなかったです。

──その強い思いを支えていたものってなんだったんですか？

やっぱり親ですかね。お母さんが家でも歌を教えてくれたり、あと周りの人たちもすごく応援してくれていたので。途中であきらめて別の道に行くのは自分でも納得がいかないし、それはありえないことだなって。

──努力を続けた結果、夢が両手を広げて待っていましたね。

ありがとうございます。本当によかったです。それに今は、当時のくやしさや苦しみがあったからこそこうしてスタートラインに立てたんだなって思うんです。何事も無駄なことはないし、そこから得られたものもきっとあるはず。今はすべての過去を大事にしてがんばっていこうと思っています。