ヒャダインが語る「メガロボクス」|2018年、最新型の“ダンディズム”

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“明日を選ぶのは自分自身”ということ

──オープニングテーマはLEO今井さん、エンディングテーマはNakamuraEmiさんが担当されています。

ヒャダイン

オープニング曲は、まさにこのアニメに当て書きした内容になっていますよね。曲が予定調和で終わるんじゃなくて、ダン!と急に終わる感じは、初期の「ルパン三世」の音楽なんかを思い出しました。フェードアウト、フェードインみたいな優しい世界じゃなくて、男らしいぶつ切り感と言うか。エンディングは女性が歌うということでどういう感じになるのかなと思っていたんですけど、NakamuraEmiさんの攻撃的な曲を聴いたときに作品との整合性を感じました。作中で拳をぶつけ合っているのは男性ですけど、「かかってこいよ 敵は自分の弱さ」と歌詞にある通り、“戦う”という精神は男女関係なく人間としてあるべきものだし。NakamuraEmiさんの力強い歌声を聴いて、この作品の半径がもっと広がりましたね。このアニメはただボクシングの勝ち負けのストーリーではなくて、どう生きるか、どう打ち勝っていくかという、人間の強さを描いたストーリーだと思うので。

──「どう生きるか」とおっしゃいましたが、まさにこのアニメには「あしたを、選べ。」という惹句が付けられています。

「メガロボクス」のワンシーン。

安寧に生きてそのまま朽ちていく人生もあれば、自分で戦って生きていく人生もあって。どちらの道を行くかは自分で選ばなきゃいけない。「このへんでいいや」と思ったらそれまでだし。「明日を選ぶのは自分自身なんだ」というところを、NakamuraEmiさんもLEO今井さんもうまく取り入れているなと思いましたね。

──もしもヒャダインさんがこのアニメの世界観に合わせて音楽を作るとしたら、どういったものを作りますか?

僕にオファーが来るわけないじゃないですか!(笑) 自分にはこの世界観に合う曲は作れないですよ。それこそ誰かの昔の曲を使わせていただいて、DJみたいなことをすると思います。

長いスパンで伝説になる作品

──先ほど「1コマひとコマがきれい」とおっしゃっていましたが、作画についてはいかがですか?

「メガロボクス」のワンシーン。

マジできれい。アニメーターが自分たちの観てきた憧れの“スモーキー”を、一生懸命作っているんだろうなという感じがします。これは時間がかかっていると思いますよ。ボクシングアニメって絵がかなり動くからただでさえ大変なのに、1シーン1シーン手を抜かずに細かく描いていて。色味もホントにカッコいい。あまりこういうことを言いたくないですけど、観ているだけで自分のステータスになる作品ってありますよね。音楽で言うならこのアイドルを聴いていれば「わかってるね」と言ってもらえる、みたいな。まさに「メガロボクス」を観ているというだけで、1つのステータスになりそうな気がします。

──監督の森山洋さんはこれまで「ルパン」の劇場版や「進撃の巨人」などさまざまなアニメのコンセプトビジュアルを手がけてきた方で、「メガロボクス」ではご自身で宣伝用のイラストも描かれています。

絵を描く人が主導権を握っているというのは、このアニメを観ているとよくわかりますね。僕、この前ちょっとドラマに出たんですけど、美術さんが映像に映らないところのディティールにまでこだわっていて。それに似た執念みたいなものを、この作品から感じました。パッと見ではわからないところにこだわる執念が巡り巡って、作品の根っこに影響してくるんだろうなと思います。

──まだまだアニメは続いていきますが、最後に今後「メガロボクス」に期待することを教えてください。

僕は演出や脚本において、世間の声を聞かないでほしいなと思いました。制作陣が目指している1つの旗があると思うので、そこを目指してこのまま行ってほしいな。予定調和では終わらない感じ。すごくカッコいいものを観させていただいて、これは長いスパンで伝説になる作品じゃないかなと思いましたね。

ヒャダイン
テレビアニメ「メガロボクス」
アニメ「メガロボクス」

放送情報

  • TBS:2018年4月5日(木)より毎週木曜25:28~
  • BS-TBS:2018年4月14日(土)より毎週土曜25:00~
  • ※BS-TBSの初回放送のみ第1話23:00~、第2話25:00~
  • ※放送日時は予告なく変更になる場合あり。

ストーリー

今日も未認可地区の賭け試合のリングに立つメガロボクサー“ジャンクドッグ”。実力はありながらも八百長試合で稼ぐしか生きる術のない自分の“現在(いま)”に苛立っていた。

だが、孤高のチャンピオン・勇利と出会い、メガロボクサーとして、男として、自分の“現在”に挑んでいく──。

スタッフ

  • 原案:「あしたのジョー」(原作:高森朝雄、ちばてつや / 講談社刊)
  • 監督・コンセプトデザイン:森山洋
  • シリーズ構成・脚本:真辺克彦、小嶋健作
  • 音楽:mabanua
  • キャラクターデザイン:清水洋
  • アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
  • 製作:メガロボクスプロジェクト

キャスト

  • ジャンクドッグ:細谷佳正 
  • 南部贋作:斎藤志郎
  • 勇利:安元洋貴
  • 白都ゆき子:森なな子
  • サチオ:村瀬迪与
  • 藤巻:木下浩之
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2018年7月27日(金)発売 / バンダイナムコアーツ
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2018年11月22日(木)発売 / バンダイナムコアーツ
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ヒャダイン
1980年生まれの音楽クリエイター。本名は前山田健一。3歳でピアノを始め、作詞・作曲・編曲を独学で身につける。京都大学卒業後、2007年に本格的な音楽活動を開始。前山田健一として倖田來未×misono「It's all Love!」、東方神起「Share The World」などのヒット曲を手がける一方、ニコニコ動画などの動画投稿サイトに匿名の「ヒャダイン」名義で作品を発表し大きな話題を集めた。2010年5月には自身のブログにてヒャダイン=前山田健一であることを告白。その後もヒット曲を量産し、2011年4月にシングル「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」でヒャダインとしてメジャーデビューを果たし、2012年11月には初のソロアルバム「20112012」をリリース。以降も郷ひろみ、椎名林檎、SMAP、関ジャニ∞、Kis-My-Ft2、スフィア、超特急、たこやきレインボー、でんぱ組.incほか多彩なアーティストの作品を手がけているほか、テレビ朝日系「関ジャム 完全燃SHOW」などさまざまな番組に出演している。

2018年7月13日更新