しっかりとリスナーのニーズに応えたい

──これからのMay J.像についてはどう描いていますか？

今まで自分が目指していた「幅広い世代の方に自分の歌声を聴いてもらう」っていうことがやっと見えてきたと思ってるんです。最終的な夢は、ライブに家族3世代で来るみたいな、ファミリーみんなでMay J.を聴いてもらうことなので、そんなアーティストになりたいです。

──ということは、曲も受け入れられやすい普遍的な内容になっていくんでしょうか。

はい。今はそこが求められてると思うし、そこでしっかりリスナーをつかんでいかなきゃいけないと思っているので。もちろん自分のルーツにはR&Bなども入っているんですけど、それはしっかりとMay J.っていう名前が世間にわかってもらえたときにできることだと思うんですね。ゴリゴリなものも、いずれはできるようになりたいけど、今やってしまうとお客さんを裏切ることになってしまうので。しっかりとリスナーのニーズに応えたいっていう気持ちはありますね。

──自分自身のやりたいこととニーズがズレる心配はない？

そこなんですけど、自分のやりたいことは今までの6枚のアルバムで全部やったんですよ。出し切ったから、今は求められてることに対して何も違和感なくできるんです。

──ほかのアーティストにはない、自分だけが持っている武器ってどんな部分だと思いますか？

1つはバックグラウンドっていうのがあると思います。いろんな国の血が入ってるからこそ出せる音っていうのはあると思うんですね。西洋的な歌い方でありながらも、日本で育って日本人の心を持っているので、しっかりと日本語で伝えるバランスっていうのも強みだと思います。

──確かにそうですね。では、そんなMay J.の作る音楽で伝えたいことは？

曲を聴いたあとに、ポジティブになってほしいな。切ない曲であっても、最後は必ず希望を持てるようなものを作りたいなと思っています。それはきっと自分の性格から来てるんです。私自身、今まですごくつらいこともたくさんあって、普通だったらもう辞めてるぐらいだと思うんですけど（笑）、諦めずにただ前をひたすら見て歩いてきて。今日悪いことがあっても、明日からまたがんばればいいっていう考えなんですよね。