ラトゥラトゥ|「YouTubeでも音楽でもトップを目指したい」人気動画クリエイターならではのストイックな音楽活動に迫る

高感度ネタ探しアンテナ

──YouTubeでの活動としていろんな企画もやっていますけど、常日頃から「これ、動画のネタになるのでは?」と思う機会は多いですか?

タケヤキ翔(Vo)

 めちゃくちゃ気になります(笑)。看板の目立つ飲食店を紹介する動画などを撮影することも多いんですけど、例えば「激安店380円ラーメン」「日本一安い○○」「激安100円」って看板を見つけるたびに立ち止まってしまうほどで。まあ確かめたらただのコインパーキングだった、みたいなことがほとんどですが(笑)。

マイキ 2人で車に乗っていても、「翔ちゃーん! 看板あるー!」「とりあえず写真撮っておいて!」みたいな会話になりがち(笑)。

 たまたま見つけたものをあとで調べて撮影した動画もたくさんあるので。もう本当にそのへんはアンテナ常に張ってますね。YouTubeのネタ探しも、音楽に対するアンテナの張り方も、通ずるところはあるのかなと思います。音楽をカバーしているほかの人のリサーチ方法とはちょっと違って、看板的な見方をしてるところもあるのかもしれないです(笑)。

──マイキさんは日常での出来事が曲作りに生かされることはありますか?

マイキ 僕はあんまり「降りてきた」みたいなことがなくて、考えて作りたいタイプなんです。理由のあるもののほうが好きなので、「こういうものをこういうもののために作る」みたいな感じで曲を作る。ドラマや映画に影響を受けて曲を作る方もいますけど、僕はそれができないタイプで。サントラを聴いて「これはロックに生かせるかも」と頭の中でサンプリングしているようなことはあるけど、映画の内容ではなくてやっぱり音を聴いてるんですよね。

──翔さんが作詞するときは?

 「降りてくる」こともたまにあるんですけど、僕も作るものには何かしら理由があるほうが好きですね。「これはどういう意味?」と聞かれて答えられないようだとダメだなって。マイキが上げてきたデモを聴いた段階で方向性は決めているので、それに添った曲のタイトルを決めて、そこから歌詞に広げていくことが多いです。タイトルにいつも僕の中で強い決め手があるので、そこから派生していくような歌詞を作ると説得力のある歌詞が作れます。あと、ほとんどの曲のサビにタイトルを入れてます。

マイキ サビの頭にタイトルを持ってくるスタイルだよね。キャッチーさ、覚えやすさを考えてそうなっているという。僕にとってその手法はオーソドックスでありつつ新しい考えだったので、かなり刺激を受けました。

ラトゥラトゥの野望

──ラトゥラトゥとしての今後の展望を聞かせてください。

 この状況で今はライブをすることが難しいんですけど、そんな中で今できることを最大限しているという自負はあります。ライブもやりたいけど、まずは作品を届けたい。なので、この1年と少しの間に短いスパンでオリジナルのミュージックビデオも8本出してきましたし、「歌ってみた」の動画もそれぞれたくさん出して。その映像1つ1つがラトゥラトゥにとってはほかのバンドのライブと同じくらいのものになって、皆さんに届けば本望です。ライブはやりたいですけど、できない間は常に新しいスタイルを模索して、活路を見出していきたいです。

──MVは結成からこれまでに8本作っていて、翔さんが女装している「神さまの言うとおりに」もあれば、全編アニメMVの「時のメロディ」と幅広いですね。

 MVは毎回違うテイストにチャレンジしてるんです。あと「歌ってみた」でも、今はスタジオに入って定点で撮影してますけど、今後もっとクオリティの高い映像で公開していきたいです。

マイキ(Dr)

マイキ 音楽自体に国境はないと思うので、僕らの“和”を取り入れたロックをYouTubeを介して日本のよさを世界に広げていけるかなと。インターネットを通して、これから世界にも羽ばたいていけたらなと思っています。野望としては変わらず、YouTubeで本格的に活動をしながら、これだけ音楽をやってる人は今だに僕たち以外にいないと思うし、逆にアーティストでこれだけYouTubeで活動している人もいないと思うので、YouTubeと音楽を柱にした第一人者になれるように、日々馬車馬のように活動していきたいですね。

西成のおっちゃんにロックは届くのか

──最後にYouTubeの話になるんですけど、翔さんが活動してきた7、8年の間で活動してる人も流行りのコンテンツも様変わりしてきましたよね。

 そうですね。僕はYouTubeの移り変わりをずっと見ていて、こんなにも変わっていくものなんだなと思いながら、視聴者さんから「変わったね」とは言われないようなスタンスでやってます。「もうできないかも」っていう内容の動画もちょいちょいありますね(笑)。

──翔さんの西成動画もけっこう観てます。実際にあのあたりに泊まったことがあるんですけど、翔さんがアップする西成の動画は人情味も土地柄も伝わるし、変に煽る感じがなくていいなと思って。

 動画じゃ伝わり切らない魅力がありますよね。“西成国”という表現は本当だなというくらい独特。最近また西成で撮った動画を上げてるんですけど、とても魅力的な場所です。気を付けたほうがいいところもあるけど、人生経験としてはいいと思います。

マイキ ラトゥラトゥを結成して1年以上経ちますけど、動画だとヤバいヤバい言ってることが多いから、僕は付いて行こうと思わないですね(笑)。

──あのあたりでライブをやってみたいとは思わないですか?

 うーん。客層が違うと思うんですよ(笑)。

マイキ でも西成で路上ライブやったら動画は伸びるよね(笑)。

 確かに伸びそうやな(笑)。

マイキ 西成のおっちゃんにロックは届くのか!

ラトゥラトゥ

※記事初出時に掲載していた動画を1点削除しました。


2020年9月3日更新