ナタリー PowerPush - Last Note.

謎多きボカロPユニットの活動の裏側

ラスノさんの歌詞には「この人じゃないと書けない」というものが絶対ある

──作詞・作曲はLast Note.以前からやってたんですか?

Last Note. 趣味で書いたりはしていました。今の感じとは作風が違うんですけど……。

T 全然違うよね? だから、「恋愛勇者」とか「セツナトリップ」の歌詞を読んだときは、「こういう歌詞も書けるんだ」って思いました。「やっちゃったベイベー」(セツナトリップ)なんて、前だったら書かなかったんじゃないかな、と。

Last Note. タガが外れたんじゃないですか(笑)。

──女の子が主人公で、青春っぽいイメージの歌詞が中心ですよね。

Last Note. 「こういうコンセプトで書こう」みたいなことは全然決めてないし、そのときに書きたいことを書いてるだけなんですけどね。女の子が主人公っていうのは、女の子のボカロを使ってるっていうのが大きいんじゃないかな。

──少女マンガが好き、とかではなく?

Last Note. (笑)。読みますけどね、少女マンガも。というか、「いいよ」とか「泣けるよ」って言われると、とりあえず読んでみるんですよ。BLとかも読むし。

T え、ホント?

Last Note. うん(笑)。BL読んで、泣いたりはしないけど。

──(笑)。でも独特の世界観がありますよね、ラスノさんの歌詞は。青春の残酷さだったり、切なさだったり……。

T いろんなタイプの歌詞があるけど、僕から言わせてもらうと、全曲「ラスノさんらしいな」って感じなんですよね。韻の使い方だったり、言い回しだったり、「この人じゃないと書けないな」っていうものが絶対にあるなって。

Last Note. そうなのかな。自分ではわからないけど(笑)。

途中からボカロの調声のやり方を変えたんです

──メロディに関してはどうですか? ボカロの特性を生かしつつ、歌いやすいメロディが多い気もするんですが。

Last Note. 口ずさんで楽しいメロディっていうのは、1つのテーマですね。

T うん。作曲のことで言えば、女性が歌えるキーで作ることを意識していて。最初の頃はそんなこと考えてなかったんですけど、最近は「歌ってみた」で歌ってくれる人も多いし、なるべく歌いやすいほうがいいだろうなって。あと、僕らは男性キー版もいっしょに作って、カラオケをアップしてるんです。

──それも「自分たちの曲を歌ってほしい」ということですよね。

Last Note. そうですね。「友達がカラオケで歌ってるのを聴いて、ラスノを知りました」っていう人もいるから、そういう入口を作ることも必要かなって。まあ、そんなこと言ってる割には歌いづらいですけどね(笑)。自分たちの曲を練習してくれるだけでもうれしいじゃないですか。

──それもユーザーとのコミュニケーションの1つかも。

Last Note. 反応があるのは単純にうれしいですからね。ニコニコ動画にアップしたときのコメントもそうだけど。

T リアルタイムでレスポンスがあるのって、ニコニコ動画だけですからね。

Last Note. (Tに向かって)新しい曲を投稿した翌日とか、ずっとその動画を観てるよね? 「え、まだ観てるの?」って。

T ハハハハハ(笑)。

──でも、イヤなことを書かれることもあるでしょ?

Last Note. 最初はきつかったけど、慣れますよ(笑)。

T 一番初めの頃は、イヤなコメントも多かったんですけどね。「(ボーカロイドの)調教ができてない」とか。それもあって、途中から調声のやり方を変えたんですよね。曲でいうと「恋愛勇者」なんですけど、そのあたりから、より人間らしい表情が出せるようになったんじゃないかなって。その後は「調教がよくなった」ってコメントをもらうようになりました(笑)。

Last Note. (笑)。時間はかかるけど、そっちのほうがいいだろうっていうことですよね。実際、「ノイジーラバーソウル」あたりと聴き比べてもらうと、かなり違ってると思います。ただ、そこも好き好きですからね。「前のほうがよかった」って言う人もいるし、「機械的でこそ、ボーカロイド」っていう人もいるので。

T ホメられ過ぎて、逆に不安になることもありますからね。でも、何か言ってもらえるのはいいことだと思います。

Last Note. うん。何か言われてナンボ、だよね。

Last Note. feat. GUMI、初音ミク「セツナコード」 [CD] 2013年8月21日発売 / 2000円 / EXIT TUNES QWCE-00288
Last Note. feat. GUMI、初音ミク「セツナコード」
収録曲
  1. セツナトリップ / Last Note.feat. GUMI
  2. スパイラルブレイカー / Last Note.feat. GUMI、初音ミク
  3. アカツキアライヴァル / Last Note.feat. 初音ミク、巡音ルカ
  4. 放課後ストライド / Last Note.
  5. 無気力クーデター / Last Note.
  6. 有頂天ビバーチェ / Last Note.
  7. 逃走本能 / Last Note.feat. GUMI
  8. 少女暴動 / Last Note.feat. GUMI
  9. 月光戦争 / Last Note.feat. 鏡音リン
  10. ノイジーラバーソウル / Last Note.feat. GUMI
  11. デッドラインサーカス / Last Note.feat. GUMI、鏡音レン、神威がくぽ
  12. ファンタジースター / Last Note.feat. GUMI
  13. 恋愛勇者 / Last Note.feat. GUMI
  14. キャラメルヘヴン / Last Note.feat. GUMI
  15. アリスメティック / Last Note.feat. GUMI、初音ミク
  16. ハッピーチューン / Last Note.feat. 初音ミク
  17. オサナナブルー / Last Note.feat. GUMI
  18. ルートスフィア / Last Note.feat. GUMI
  19. ハローラフター / Last Note.feat. 初音ミク、鏡音リン、巡音ルカ、GUMI、Lily、IA

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Last Note.(らすとのーと)

ハードなギターサウンドによるストレートなロックチューンを得意とするボカロPユニット。2010年に動画サイトへの初投稿作「ワンステップ・レイヤード」が早くもVOCALOID殿堂入りを果たし、「セツナトリップ」などの楽曲が絶大な支持を受けた。その後2012年末に発表した「放課後ストライド」を皮切りに、同じ世界を描いたシリーズ「ミカグラ学園組曲」を始動。それまでLast Note.の素性はベールに包まれていたが、2013年にLast Note.、Last Note.Tの男性2人組ユニットであることが明かされた。同年8月にはEXIT TUNESからフルアルバム「セツナコード」をリリースする。