ナタリー PowerPush - ニコ×ナタ(音楽)
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ニコニコ動画&ニコニコ生放送からナタリーおすすめのコンテンツを定期的に紹介する特集「ニコ×ナタ」。今回の更新分では、昨年末に1stアルバム「first trip」をリリースしたLast Note.へのインタビューをお届けする。
「ひきこもり気質が強い」というLast Note.が対面取材を受けたのは今回が初めて。インタビューではメンバーのTとL、2人のパーソナルに迫った。【2013年2月7日更新】
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ニコ×ナタ Last Note.インタビュー
昨年末、1stアルバム「first trip」をリリースしたLast Note.。2010年の「ワンステップ・レイヤード」がニコニコ動画でボーカロイド殿堂入りして以来「セツナトリップ」など、数多くの人気曲を発表し続けるボカロPだ。今回「ニコ×ナタ」では、そんなLast Note.を直撃。楽曲制作術などを聞いた。
──対面取材を受けるのは初めてなんですよね。
Last Note.T(以下、T) 男2人のユニットであることも初公開です。2人とも表に出たいタイプではないもので……。
Last Note.L(以下、L) ひきこもり気質が強いんですよ(笑)。
──そんなキャラクターだと、処女作「ワンステップ・レイヤード」にたくさんの反響が寄せられたときって……。
L ビックリしました! ただ、それと同時に、ニコニコ動画は楽しいな、と。特にコメントをもらえるのが面白くて。
T 「ここがダメだ」みたいなものも含めて、反応がダイレクトに返ってくるのがとにかく新鮮でした。
──ただ、作風はあまり評価に左右されないですよね。ヘヴィメタルテイストの「セツナトリップ」もあれば、ブラスの入ったメロコア「放課後ストライド」やJ-POP色の強い「オサナナブルー」もある。
L 確かに再生回数やコメント数を考えれば「セツナトリップ」みたいな曲をやり続ければ喜ばれるかもしれないけど、自分たちが飽きちゃいますから。
T いろんな曲を作ってみたいんですよ。それで見向きもされなくなったらヘコむけど(笑)「コメントをもらえるようにしよう」みたいなことは考えてなくて。疲れない程度にマイペースでやっていこうって感じなんです。
L だからLast Note.の楽曲全部に共通のテーマがあるとするなら「楽しんでほしい」「聴いていて口ずさみたくなるような曲を」ってことくらいかなあ。
──確かに人も歌えそうなキーで、比較的現実的な青春模様を描く点も2人の楽曲の特徴ですよね。
L 「ボーカロイドが歌うんだし、ブレス(息継ぎ)は考えなくていいだろう」って感じで作詞しているので、キーはともかく、実はすごく歌いにくいんですけどね(笑)。もちろん歌ってくれればうれしいけど「歌ってみたカテゴリーで流行る曲を作ろう」みたいなことも考えてないですね。
──バンドサウンドがお得意なだけに「歌い手さんとライブしたい」みたいな気持ちもあるんだと思ってました。
L ライブはナシですね。表現したいことはだいたい曲に込めているつもりなので、別に僕たちを観てもらう必要はないと思ってますから。活動の基本はやっぱりニコニコ動画。曲を聴いてコメントを書いてもらえるのが一番うれしいんです。それは曲作りのときも同じで、アルバム「first trip」に参加してくれた演奏者さんの中には会ったことのない人もガンガンいますから。
──へっ!? 十数人のセッションプレーヤーが参加しますが……。
L ほとんどの方にお会いしていません! まずはニコニコ動画で見つけた気になる演奏者さんにメールでお声がけして……。
T ほかの楽器パートは完全に作り込んであるんだけど、ベースラインだけは参考程度に打ち込んである音源を作って「こんな感じで弾いてほしい」っていう長文の説明と一緒にメールして。で、先方に自分のプレイを録音した音源を送ってもらって……というのを納得いくまで繰り返してミックスする、と。
L 「計算外のカッコよさ」みたいな化学反応がほしいんですよ。「ニコ動のコメントを読むのが一番楽しい」って話もそうなんですけど、ひきこもりのくせに人とは関わりたいんです(笑)。
T 面倒くさいなあ、オレら(笑)。