センターの重圧、兼任の重圧、リーダーの重圧

──小澤さんは、最年少だけどリーダーという特殊なポジションですよね。

小澤　なんで私がリーダーになったのか、いまだにわからないんです。ある方に言われたのは、ももなちゃんには「センターの重圧」があって、みーたんには「兼任の重圧」がある。だから私にも「リーダーの重圧」を背負わせて、3人でバランスを取ったのではないかって。要は役割分担ですよね。でも、私がリーダーに向いているかと言うと……どうなんだろう……。

長月　大丈夫だよ、向いていると思うよ。

小澤　2人がしっかりしているから、今のところは特にやることはないんですけどね。

長月　「リーダー、リーダー！」って、からかわれるぐらいだよね（笑）。ファンの人からも「小澤リーダー」って呼ばれることがあるし。

──そもそもアイドルグループのリーダーって、具体的には何をやるものなんですか？ 長月さんと松本さんは「ラストアイドル」出演前に地元でアイドル活動もやっていたから、ほかとの比較もできるはずです。

長月　私が前にいたグループは、個性が強すぎて動物園みたいな感じだったんですよ（笑）。だから、あまり参考にはできないです。でも普通は集合の合図をかけたり、騒いでいる子を静かにさせたりするものなのかな。

松本　私がリーダーをやっていたときは……。

小澤　えっ、ちょっと待って！ ももなちゃん、リーダーやってたの!?

長月　信じられない（笑）。こんなおっとりしているのに、大丈夫だったの？

松本　がんばってたよー。私が最年長だったからね。周りの子は小学生で、私は中1とか中2だったんです。で、やっぱりみんなギャーギャー騒ぐんですよ。小さい子ばかりだから。

長月　「小さい子」って……自分も中1だったのに（笑）。

松本　MCの内容やセットリストを確認している最中にメンバーが騒ぐと、そのたびに厳しく怒っていました。「そこ！ ちゃんと聞いてるの？」とか言って。

長月　今の姿からはまったく想像つかないよ！

松本　思い出した！ リーダーのときは反省会もやってたな。

小澤　反省会？

松本　ライブが終わったら、私が「今から反省会します！」って声をかけるの。みんなはノートとかペンを持って集合して、1人ひとり、今日のライブのダメだったところを挙げていくんです。悪かったところをメモして直すことを、当時は「改善」と呼んでいました。「反省」と「改善」。これはけっこうリーダーとして重要な役割だったかもしれないです。

長月　うへー、勘弁してよ！ 私、絶対そういうの無理！

小澤　「反省」と「改善」か……それはシュークリームロケッツでも採用したほうがいいのかなあ。

長月　いいから！ すぐ影響されないでよ（笑）。

シューロケ＝ももなちゃん

──話が出たので、松本さんが抱える「センターの重責」についてもお伺いしたいです。

松本　プレッシャーは大きいですよ。「私なんかがセンターでいいの？」って気持ちは、ずっと自分の中から離れないです。

小澤　いいんだよ、ももなちゃんは堂々とセンターをやって！

長月　考えてみてよ。仮にももなちゃんがファーストシーズンで勝っていたら、LaLuceというグループは今と全然違っていたはずなんだよね。今のLaLuceはカッコいい感じだからさ。

松本　私、なんにもしてないのに……でも、お世辞でも励みになる（笑）。

小澤　お世辞じゃないよ！ ももなちゃんこそがシュークリームなんだって。

長月　そうそう、「シュークリーム＝ももなちゃん」なんだよ。私たち2人だけだったら、「いもっころポテト」とか垢抜けないグループ名になっていたと思う（笑）。ももなちゃんには都会っ子っぽい洗練された雰囲気があるし。

松本　そこまで言ってもらえるなら……今は無理かもだけど、ゆくゆくはグループを引っ張るようなセンターになりたいです！

LaLuceへの思いは一度「おあずけ」

──長月さんはLaLuceとの「兼任の重責」についてはいかがですか？

長月　最近はプレッシャーも少ないですけど、セカンドシーズンでは戸惑うことが多かったのも事実です。

──セカンドシーズンでは「ラストアイドルVSシュークリームロケッツ」という残酷な対決が実現しましたね。どちらのユニットが勝つにしても、長月さんは敗者にもなり勝者にもなるという複雑な立場だったと思います。実際、「本当に人生で初めて経験するような気持ち。なんと言ったらいいのか全然わかんない……」と絞り出すようにコメントされていましたし。

小澤　本音を言えば自分たちが一番戦いたくなかったんですよ。LaLuceとは楽屋が一緒になることも多いし、正直、一番仲がいいグループなんです。

長月　戦う理由がわからなくなってくるんですよ。普段から仲いいわけだし、特に争う必要なんてないじゃないですか。それでもどちらか決めなくちゃいけないのなら、パフォーマンスじゃなくてじゃんけんとかでいいとすら思いましたし（笑）。

──正直なところ、長月さんの場合はシュークリームロケッツで負けても、滑り止めでLaLuceがあったわけじゃないですか。

長月　いえ、そんなことはないです！ 確かに周りからは「勝てる確率は2倍だね」と言われることもあったんですけど、そんな考えは最初にLove Cocchiを見た瞬間に吹っ飛びました。このままだったら両グループとも負けるって速攻で気づかされましたし。滑り止めなんてとんでもない。なんなら「どっちも滑ってるじゃん！」っていう焦りしかなかったです。

──長月さんの中では、シュークリームロケッツとLaLuceでどちらが優先すべきユニットなんですか？

長月　気持ち的には、まったくの5分5分。だけどシュークリームロケッツがLaLuceに勝ったその場で、気持ちを切り替えたんです。LaLuceへの思いは、一度「おあずけ」にして。

小澤　LaLuceのみんなは本当にいい人たちだから、スタジオで「カメラ止めます！」って声がかかった瞬間、輪になって「よし！ がんばって行っておいで！」って私たちに声をかけてくれたんです。そのときに「これはもう勝つしかない」って心に誓いました。

長月　今でもLaLuce以外だったら兼任なんて成立しなかったと思いますね。

小澤　最初はみーたんも苦労していたんですよ。「振りが覚えられない」みたいなことも言っていましたし。助けてあげたいけど、具体的に自分にできることは何もなくて、そのたびに悲しい気持ちになっていたんです。だけど途中からダンスを覚えるのがどんどん早くなっていったし、「大丈夫？」って聞いても「楽しいから大丈夫だよ」って笑顔で返してくれるようになって。それでも何かあったときは、甘えてほしいなって思いますけどね。

長月　さすがリーダー！ 頼りになります！