地方出身メンバー、方言出とる?
──古賀さんと吉崎さんは同じ福岡出身ですよね。
吉崎 そうなんですよ。実は共通の先輩もいるくらい近いんです。
古賀 最初にダンスレッスンで一緒になったとき、その話で盛り上がったよね。「嘘!? あの人知ってるの!?」って(笑)。
吉崎 実は私も一時期モデルを目指していたことがあって、地元の事務所に在籍していたんです。結果的には全然ダメだったんですけど。そんなこともあって、意外なところでつながっていて。
──2人でいるときは博多弁で会話するとか?
古賀 綾ちゃんって普段はきちんとした標準語を使うんですけど、私としゃべるときだけは急に九州の言葉に戻るんです。
吉崎 安心するんですよね。「あぁ、懐かしい福岡の匂いがするぞ」って(笑)。
長月 2人が話してると、私たちにまで九州の言葉が移っちゃうんですよ。
吉崎 ホント? 出とる?
古賀 全然気付かんかった。無意識に使っとるからね。
長月 「出とる」って時点で、すでに博多弁になってる(笑)。私は愛媛出身だから、なんだか親近感を覚えちゃうんですよ。気が付いたら自分でも「出とる」とか言っちゃうし。
──長月さんも地元の方言で対抗すればいいじゃないですか。
長月 せやな……あれ? 「せやな」は伊予弁じゃないか。「そうやな」が正解? ダメだ、意外に難しい(笑)。
ウーロン茶を見つめながら声も出さずに泣いた(安田)
──デビューに至るまでさまざまな困難があったと思いますが、今の率直なお気持ちは?
長月 とにかく「信じられない」という言葉に尽きます。
──長月さんは一度敗退して、ドラマチックに返り咲きましたからね。
長月 デビュー曲の歌詞に「バンドワゴンに振り回されない」とあるんですけど、実際には振り回されっぱなしですよ(笑)。
吉崎 私が一番強く感じるのは、ここまで長かったということですね。番組が始まってから4カ月くらい、ずっと逃げ出したい気持ちでいたし、それでもようやくデビューまでたどり着くことができた。それまで本当に苦しかったんです。それで「みんな! いよいよ本当にデビューできるんだよ!」と感動を分かち合おうとしたら、私以外は「はぁ……」みたいな薄い反応で(笑)。「どういうこと!?」ってビックリしましたよ。
大石 たしかに綾ちゃん1人だけ泣いてたよね(笑)。
安田 違うんだって! あまりにも今まで振り回されすぎて、実感が湧かなかったの! って言うか、今でも湧かないくらいだよ!
長月 「ここで本当に喜んでいいの? これで本当に終わり? ぬか喜びさせておいて、また突き落とされるんじゃないの?」って、もう疑心暗鬼になっているんです(笑)。それでリアクションも薄くなっちゃった。
安田 あの番組、本気で過酷だもんね。私、自分の心が死んだこともありましたよ。初期メンバーが綾ちゃんと私だけになったときは、2人してウーロン茶を見つめながら声も出さずに泣いていて、はたから見たら完全にヤバい状態(笑)。何かあるたびに一喜一憂していたら、こっちの精神が崩壊しちゃうんです。
──それだけ苦労したぶん、普通にしれっとデビューするグループよりも喜びが大きいかもしれませんね。
鈴木 あぁ、それはあるかもしれないな。
安田 「もう一度同じことをやれ」と言われたら無理ですけどね(笑)。
対戦するたびに目の輝きが増していくんです(吉崎)
──番組では、挑戦者が対戦相手を指名できるシステムになっていました。あれって自分が指名されると、どういう気持ちになるんですか?
大石 最初は怖かった! 私を指名してきた子はアイドルをやっていたから、歌もむっちゃうまくて「これはヤバい!」と思いました。でも、同時にうれしい気持ちもあったんですよ。不思議なんですけどね。「ちゃんと自分のことを見てくれているんだな」と思えたし。
鈴木 わかるかも。私も「残りバトルが3回」というタイミングで指名されたから、ホッとした部分がありました。だって、あの時点で私だけ対戦相手に選ばれていなかったんですよ。メンバーになってから1カ月半くらい、ずっと指名されないまま。1人だけパフォーマンスしていないし、「早く指名されたい!」という気持ちが強かったです。生き残りを懸ける番組なのに対決もできないんじゃ、存在意義がないじゃないですか。
──戦略としては、指名されないままひっそり逃げ切るパターンもあるのでは?
鈴木 最初は私もそう考えたんです。だけど実際にあの場に立つと、そうも言っていられなくなるんですよね。
吉崎 私も最初のほうは全然指名されなかったです。一緒にスタートしたメンバーの中にはすでに3回指名されている子もいて、さすがに焦りました。だって、みんな対戦するたびに目の輝きが増していくんですよ。やっぱり大きな自信になるみたいで。周りの子がひと皮剥けていくのがヒシヒシと伝わってくるのに、私だけ成長できないままでいる気がしました。勝ち逃げどころか、指名されないうちはデビューしたくないと思っていました。
長月 いつ対戦が決まってもいいように、収録にはみんな下準備をしてきているわけですよ。だから当てられないと、肩透かしを食らった気分になるんですよね。
──「下準備」とは、具体的に何をやるんですか?
長月 歌やダンスの練習はもちろんだけど、コメントも大事ですね。コメントの準備っていうのは……相手にナメられないようにすること。
全員 あはは!(笑)
長月 コメントだけじゃなく、階段を降りるときの表情も「は?」って感じで威圧感を与えるようにしていました。これは戦いだし、ナメられたら終わりなので。
──長月さん、好戦的ですね(笑)。
安田 逆に私は負けたときのコメントばかり考えてた(笑)。完璧だったんだけどな、私の敗者コメント。なんか勝てる気がしなかったんですよね。
──本当に人それぞれですね。逆に挑戦者として指名するときは、どういう基準で相手を選ぶようにしていたんですか?
鈴木 難しいのは、その子に実力があっても、相手との相性が悪くて負けるパターンがけっこうあるんですよ。得意なことが全然違う場合、特にそういうことが起こりやすいんですけど。だから私が挑戦者として出るときは、自分と近い相手を探すようにしました。指名した山田まひろちゃん(現・Someday Somewhere)はダンスが得意だったので、私と似た感じなのかなと思ったんです。
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バトルを勝ち抜いたそれぞれの勝因
- ラストアイドル「バンドワゴン」
- 2017年12月20日発売 / Virgin Music
-
初回限定盤TYPE-A [CD+DVD]
1800円 / TYCT-39064 -
初回限定盤TYPE-B [CD+DVD]
1800円 / TYCT-39065 -
初回限定盤TYPE-C [CD+DVD]
1800円 / TYCT-39066 -
初回限定盤TYPE-D [CD+DVD]
1800円 / TYCT-39067
- 初回限定盤TYPE-A CD収録曲
-
- バンドワゴン
- ラスアイ、よろしく(ラストアイドルファミリー)
- 涙の仮面(Good Tears)
- バンドワゴン(instrumental)
- ラスアイ、よろしく(ラストアイドルファミリー)(instrumental)
- 涙の仮面(Good Tears)(instrumental)
- 初回限定盤TYPE-A DVD収録内容
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- 「バンドワゴン」ミュージックビデオ
- 「涙の仮面」ミュージックビデオ
- 初回限定盤TYPE-B CD収録曲
-
- バンドワゴン
- ラスアイ、よろしく(ラストアイドルファミリー)
- 想像上のフルーツ(シュークリームロケッツ)
- バンドワゴン(instrumental)
- ラスアイ、よろしく(ラストアイドルファミリー)(instrumental)
- 想像上のフルーツ(シュークリームロケッツ)(instrumental)
- 初回限定盤TYPE-B DVD収録内容
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- 「バンドワゴン」ミュージックビデオ
- 「想像上のフルーツ」ミュージックビデオ
- 初回限定盤TYPE-C CD収録曲
-
- バンドワゴン
- ラスアイ、よろしく(ラストアイドルファミリー)
- Again & Again(Someday Somewhere)
- バンドワゴン(instrumental)
- ラスアイ、よろしく(ラストアイドルファミリー)(instrumental)
- Again & Again(Someday Somewhere)(instrumental)
- 初回限定盤TYPE-C DVD収録内容
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- 「バンドワゴン」ミュージックビデオ
- 「Again & Again」ミュージックビデオ
- 初回限定盤TYPE-D CD収録曲
-
- バンドワゴン
- ラスアイ、よろしく(ラストアイドルファミリー)
- 失恋乾杯(Love Cocchi)
- バンドワゴン(instrumental)
- ラスアイ、よろしく(ラストアイドルファミリー)(instrumental)
- 失恋乾杯(Love Cocchi)(instrumental)
- 初回限定盤TYPE-D DVD収録内容
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- 「バンドワゴン」ミュージックビデオ
- 「失恋乾杯」ミュージックビデオ
- ラストアイドル
- テレビ朝日系の同名オーディション番組から生まれた、秋元康が総合プロデュースを手がけるアイドルグループ。約4カ月にわたるバトルの結果選ばれた阿部菜々実、吉崎綾、大石夏摘、安田愛里、長月翠、鈴木遥夏、古賀哉子の7人からなり、12月20日にシングル「バンドワゴン」でメジャーデビューを果たした。