自分の転機が「ラブライブ！」であったことは間違いない

──「ありがとうの時間」の歌詞の中にも「私はいろんな困難に立ち向かえた」という一節がありますね。

そこで私は母の顔が浮かんだんですよ。特に奈良から東京に通っていた時期は母から何回も「やめてもいいのよ」って言われて、私も「もうやめる」って言ってたんですけど、そのたびに何か新しいチャンスだったり出会いがあって、ギリギリのところで次につながっていくような状態だったんです。で、そうやってつながっていった先には「ラブライブ！」もあって。やっぱり自分の転機が「ラブライブ！」であったことは間違いないし、そのときに出会ったスタッフさん、そして何よりファンの皆さんのおかげで今ここにいられるわけですし。

──だから歌い終わったあとにファンの方々の表情が浮かんだ。

皆さんのおかげで、その後、色々な作品にも出演させて頂く機会も増えました。なので、皆さんへの感謝の気持ちを忘れずに、現状に満足せず、声優としても歌手としても、さらにいろんなことを経験できたらいいなと思います。

表題曲がノンフィクションなら、カップリング曲はフィクション

──カップリング曲「Happy Cuty My Snow Man」は、1stと2ndシングルの表題曲の路線に近い、元気な久保ユリカを演じてらっしゃるパターンかと思われます。こちらはより直截的に冬感を出した、いわばクリスマスのパーティソングですね。

そうですね。従来の元気で明るい久保にプラスして、たぶん今までの曲の中で一番わかりやすい形でキュートさみたいなものが表れてるかなと思います。

──確かにそうですね。声の出し方も「ありがとうの時間」とはまったく違いますし。

声優として私が演じさせていただくキャラクターって、かわいらしかったりハイテンションだったりする女の子が多いので、この曲はよりキャラクターソングに近いかもしれません。表題曲がノンフィクションだとしたら、カップリング曲はフィクションみたいな。そういうギャップも楽しんでいただけたらうれしいです。

久保ユリカのクリスマス

──久保さんは、クリスマスはお好きですか？

うーん……私にとって、クリスマスというのは基本的に家族と過ごす行事だったので、東京に出て家族と過ごせなくなってからは特別楽しいとも思わなくなりましたね（笑）。ただ、今年はクリスマス当日に開催する自分のイベントがありまして、こちらは私にとっての2016年の最大の盛り上がりポイントかなと思います。

──どういったイベントにしたいですか？

それが、現時点でまだ何も決まってないんですよ。たぶん特別クリスマスらしいことはしないというか、できない気がするんですけど……。

──むしろ、めちゃくちゃクリスマス感のあるイベントになったら、「そんなのシカちゃん（久保のニックネーム）じゃない！」みたいに思うファンの方もいらっしゃるんじゃ？

そういう反応もあると思うので、マイペースにアットホームな雰囲気でやれればいいなと。仮にクリスマスらしくなかったとしても、皆さんにとって2016年の最高の思い出になるクリスマスの日にしたいです。