Kroi 対バンツアー「Dig the Deep」開催記念インタビュー第1弾|どんぐりず&韻シストと語る、バンドの魅力 / 創作におけるアティテュード

Kroiが11月27日の福岡・DRUM Be-1公演を皮切りに、初の対バンツアー「Kroi Live Tour 2021-2022 "Dig the Deep"」を開催する。

「Dig the Deep」はKroiが活動初期より実施している対バンライブ企画。今回のツアーは、Kroiが11月17日に新作音源「nerd」をリリースしたことを記念して東京、福岡、愛知、大阪、北海道の5都市6公演が行われる。ゲストアクトにはどんぐりず、韻シスト、ニガミ17才、CHAI、マハラージャン、在日ファンクといった個性豊かなアーティストがラインナップされている。

音楽ナタリーでは、ツアーの開催を記念してKroiとゲストアクトのインタビュー企画を2回にわたって展開。その第1弾としてツアー初日の福岡・DRUM Be-1公演に出演するどんぐりず、愛知・名古屋CLUB QUATTRO公演に出演する韻シストを迎えてそれぞれ実施したインタビュー2本を掲載する。

取材・文 / 黒田隆太朗撮影 / トヤマタクロウ

Kroi(内田怜央[Vo] / 関将典[B] / 益田英知[Dr])×どんぐりずインタビュー

Kroi×どんぐりずの共通点

──まずはKroiが今回の対バンツアーを企画した経緯から聞かせてください。

関将典(Kroi / B) 「Dig the Deep」という対バン企画をインディーズ時代からやっていて、メジャーデビューしてからもシリーズ化してやっていきたいという話はずっとしていたんです。それで今回はツアー形式にして、ジャンルもスタイルもバラバラな6組の皆さんをお誘いしようと。

──どんぐりずは、ツアー初日となる福岡・DRUM Be-1公演のゲストです。この組み合わせは今年の7月に東京・WWW Xでも実現していますね。

Kroi Live Tour 2021-2022 "Dig the Deep" 福岡公演
  • 2021年11月27日(土) 福岡県 DRUM Be-1 <出演者> Kroi / どんぐりず
関将典(Kroi / B)

 はい。どんぐりずの「4EP2 NO RELEASE PARTY」ですね(※どんぐりずの最新作「4EP2」のリリースがイベント開催に間に合わず、“ノーリリースパーティ”として開催された)。

(どんぐりず) そうか、リリースが間に合わなかったんだ。

益田英知(Kroi / Dr) ははは。

内田怜央(Kroi / Vo) あれカッコよかったよ。話題性もあるしさ。

チョモ(どんぐりず) まあ、この手が許されるのはあの日だけですね。2回目はない(笑)。

──それ以前には面識はあったんですか?

 去年の頭に僕らがThe Cabinsと共同で企画した「J.C.T.」というイベントに出てもらいました。チョモくんとはインスタで話したことはあったんですけど、初めて会ったのはそのタイミングだよね。

チョモ インターネット友達ですね。

 言い方古くね?(笑)

──その企画ではなぜどんぐりずにオファーしたんですか?

 単純にめちゃめちゃ好きだったんです。7年くらい前に2人が草原で弾き語りしている頃から動画を見てました。

チョモ コアだなあ(笑)。

 大学生の頃に見つけてめちゃくちゃ好きになって、卒業してからもずっと聴いてました。面白い曲をたくさん作っているから、いつか対バンしたいなと思っていて。

内田 俺もその動画だけは観てたんですよね。それから関さんに「めっちゃカッコいいから」と「わっしょい!」を薦められて、聴いてみたら食らっちゃったんですよ。

──「わっしょい!」のどんな部分が刺さりました?

内田 ちょっと俺がやりたいことをやってる感じがあったというか。Kroiとどんぐりずの共通点として「シュールなものを作品にしていく」というのがあると思っていて。あの曲はシュールさがありながら、トラックもラップもめちゃくちゃカッコいい。それで聴いたときに驚愕してしまったんですよね。

Kroi(内田怜央[Vo] / 関将典[B] / 益田英知[Dr])とどんぐりず。

ぶっ壊したい、裏切りたい

──どんぐりずのお二人は、Kroiに対してどういうイメージを持ってました?

 全部好きですけど、特に怜央くんのラップかな。

チョモ 俺ら、あんまりカッコいいバンドを見たことがなかったんですよ。

 うん、地元ではね。

チョモ 仲のいいバンドはいたけど、好きな音楽をガッツリやっている人たちはいなかったから、俺らもKroiのライブを観て食らいました。「nerd」もめっちゃよかった。

 聴いてくれてるのうれしい。

森(どんぐりず)

 俺は「nerd」の中だと「Rafflesia」が好き。あー、でも「Juden」のソロ回しもカッコよかったし、「WATAGUMO」のアウトロも気持よかったな。

チョモ インタールード的な「blueberry」もいいよね。Kroiって毎回ハードルを越えてこようとするけど、今回も「きたぞ!」って感じがした。

──音楽を聴くとき、どこを一番意識しますか?

 踊れるかどうか、体が動くかどうかです。

 僕らは結成当初から「踊れる曲をやりたい」と掲げていたので、そう言ってもらえるとうしいです。

 そこのマインドはけっこう似てるよね。

──ほかにお互いにシンパシーを感じるところはありますか?

内田 ぶっ壊したいでしょ?

 うん、ぶっ壊したい。裏切りたいです、みんなの期待を。「次こう来るんだろうな」というところで、反対を出していきたい。いちリスナーの立場でもそういう音楽が好きだし、そっちの方が作品に入っていけるんです。

 あと、いろんなジャンルの曲をやるというところにもシンパシーを感じます。楽曲ごとにキャラクターを変えつつも、どんぐりずらしさがある。俺らもいろんなタイプの曲をやってるけど、どの曲にもKroiらしさが出ていると思うので、そこは近いところがありますね。

お笑いから受けたシュールの衝撃

内田 そういえばさ、2人はなんで最初にYouTubeをやろうと思ったの?

 わかんねえんだよな。すげえ暇だったの、田舎で。それでチョモがアコギ弾いてるところに歌いに行って。The Beatlesの「Let It Be」をどんだけ溜めて歌えるかとか、そういうことをやってたんだけど、「これ面白いからYouTubeに上げちゃう?」みたいなノリだった。

内田 それ、周りの友達には見せてたの?

 友達は見てた。てか、友達も出演してる時期があって。体育館の裏で変な動画を撮ったりしてたよね。

チョモ(どんぐりず)

チョモ いや、それは俺個人のYouTuber活動だよ。

 あ、お前の?

内田 (笑)。

 こいつ、どんぐりずとは別にコントの動画もやってて。

内田 2人ともお笑い好きだよね。野性爆弾とか好きでしょ?

 大好き。

内田 俺も大好きなんだけど、そこから受けたシュールの衝撃っていうかさ。あの人たちって面白いんだけど、カッコよくも見えるじゃん? その価値観がずっと自分の中に残ってる。

 俺は基本ボケが好き。知ってるからこそ崩せるみたいなさ、あれが渋いんだよね。マジで面白いやつってそこがあるから。

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2021年12月1日更新