音楽ナタリー Power Push - 「KNOTFEST JAPAN 2016」

「KNOTFEST USA 2016」SiM密着レポート&MAN WITH A MISSION、Slipknotライブレポート

MAN WITH A MISSIONライブレポート

SiMが出演する前の11:30を回った頃には、こちらも日本からの出演者であるMAN WITH A MISSIONがROCK STAR ENERGY DRINKステージでサウンドチェックを行っていた。彼らのリハーサルが終わる頃にフェスの開場時間を迎えたのだが、ライブがスタートするまですでにあと30分。入場ゲートからステージまでは距離があるにも関わらず、スタートの10分前には大勢のロックファンがダッシュでステージ前にたどり着く。そしてそこにはMAN WITH A MISSIONのTシャツを着たファンが最前列を競い合うという、日本となんら変わらない光景が広がった。

BGMのBad Religion「Man With A Mission」のボリュームが上がると、大歓声に包まれてオオカミたちが登場。彼らはJean-Ken Johnny(G, Vo)の流暢な英語MCと共に、「Give it Away」「Out of Control」「Take What U Want」などダイナミックなギターリフが印象的な楽曲で攻めまくる。このセットリストについてライブ後、Jean-Ken Johnnyは「僕タチハココニ出テイルバンドミタイニ、ラウドロックヲ全開デヤッテイルバンドジャナイノデ、日本ノセトリトハ変エテ『KNOTFEST』用ニ強イ曲ダケヤリマシタ」と教えてくれた。その後、日本でのライブアンセムである「FLY AGAIN」では、最初振付を知らないアメリカのオーディエンスは戸惑っていたものの、曲の中盤からは会場にいた全員が手を上げて右左へ揺らし「音楽は国境をも“フライアゲイン”」とでも言いたくなるような盛り上がりを見せる。「Get Off of My Way」ではサークルピットと共に砂埃が舞いライブはフィニッシュ。彼らが得てきた海外での経験値が見事に生かされたパフォーマンスに野太い大歓声が上がった。

出演後Jean-Ken Johnnyは「今日ヤッテミテ、マダマダアメリカデイケルッテ自信ニナッタ」と感想を語る。そして「マダ詳細ハ明カセナイガ、近イ将来ニサラナル海外展開ヲ予定シテイルノデオ楽シミニ」と含みをもたせて会場を去った。

  • 「KNOTFEST USA 2016」でのMAN WITH A MISSIONのライブの様子。(写真提供:FYD inc.)
  • 「KNOTFEST USA 2016」でのMAN WITH A MISSIONのライブの様子。(写真提供:FYD inc.)
Slipknot ライブレポート

最後に、トリのSlipknotのステージの様子をお届けしたい。

22:30過ぎ、当初の予定から約1時間遅れてSlipknotのライブがスタート。真っ暗な中、おどろおどろしいBGMが響きわたる。そして「(515)」が始まると、ファンはこの日のライブが、2001年7月にリリースされた2ndアルバム「IOWA」の完全再現ライブであることに気づく。ライブはシンガロングの広がった「People = Shit」を経て、「Disasterpiece」「My Plague」とアルバムの曲順通りに進行していく。それからバンドはこれまでライブで演奏したことのない楽曲の初披露に挑戦するという、スリリングな展開に。「Metabolic」が終わるとコリィ・テイラー(Vo)が「Thank you! California!」と言い、バンドはステージをあとにした。

アンコールで再びステージに登場したSlipknotは、そこから18分にわたり「Iowa」をプレイ。不穏なビートが延々と続き、壮大に展開したかと思えばまた不穏なビートへと戻る。見事にダークカーニバルを届けた彼らに、オーディエンスは盛大な拍手と歓声を送った。バンドメンバーは珍しくハグをし合い、健闘を讃え合う姿も見受けられた。最後にコリィは「俺たちのファミリーに感謝する! そして俺たちや今日の仲間たちがいる限りロックシーンはまだまだ進化する!」と宣言し、熱狂の1日を締めくくった。

  • 「KNOTFEST USA 2016」でのSlipknotのライブの様子。(提供:KNOTFEST JAPAN)
    「KNOTFEST USA 2016」でのSlipknotのライブの様子。(提供:KNOTFEST JAPAN)
  • 「KNOTFEST USA 2016」でのSlipknotのライブの様子。(提供:KNOTFEST JAPAN)
CONTENTS INDEX
クラウン(Slipknot)× ROTTENGRAFFTY 座談会
クラウン(Slipknot)× Crossfaith 座談会
「KNOTFEST USA 2016」SiM密着レポート&MAN WITH A MISSION、Slipknotライブレポート

KNOTFEST JAPAN 2016

2016年11月5日(土)
千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
<出演者>
Slipknot / Deftones / Disturbed / A Day To Remember / Hoobastank / Issues / SiM / RIZE / ROTTENGRAFFTY / OLDCODEX / coldrain / Crystal Lake
オープニングアクト:a crowd of rebellion / Survive Said The Prophet / jealkb / THE SIXTH LIE
2016年11月6日(日)
千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
<出演者>
Slipknot / Marilyn Manson / Lamb of God / In Flames / Anthrax / Butcher Babies / MAN WITH A MISSION / the GazettE / Crossfaith / MUCC / HER NAME IN BLOOD / CRAZY N' SANE
オープニングアクト:THE冠 / 魔法少女になり隊 / 彼女 in the display / SALTY DOG
MAN WITH A MISSION(マンウィズアミッション)
MAN WITH A MISSION

頭がオオカミで身体が人間という“5匹”組ロックバンド。2010年より本格始動し、同年11月に1stミニアルバム「WELCOME TO THE NEW WORLD」を発表する。パワフルでエネルギッシュなサウンドが支持を集め、徐々にライブハウスシーンで話題に。2011年6月、日本クラウンよりアルバム「MAN WITH A MISSION」でメジャーデビュー。その後数多くの夏フェスに出演し注目を集め、2012年7月にはフランスで行われた「JAPAN EXPO 2012」に出演する。2013年はソニー・ミュージックレコーズに移籍したほか、初の日本武道館公演、初の横浜アリーナ単独ライブを敢行。12月にアメリカのメジャーレーベル・Epic Recordsとの契約を発表し、全米、ヨーロッパツアーも積極的に行うなど活動はワールドワイドに拡大する。2015年1月に活動5周年を記念したアルバム「5 Years 5 Wolves 5 Souls」を発表。5月にはZebraheadとのスプリット盤「Out of Control」をリリース。10月よりZebraheadとともにさいたまスーパーアリーナ2DAYSを含んだ国内ツアーおよびヨーロッパ各国を回る15公演のツアーを実施した。2016年2月にはJR東日本の「JR SKISKI」キャンペーンのCMソング「Memories」を収録したアルバム「The World's On Fire」を発表した。

Slipknot(スリップノット)
Slipknot

アメリカで結成されたヘヴィメタルバンド。1999年にリリースした1stアルバム「SLIPKNOT」が世界的な大ヒットを記録した。各メンバーがそれぞれユニークなマスクを被ってパフォーマンスをすることでも知られ、2000年2月には初来日公演を成功させた。2012年から開催していた自主企画イベント「KNOTFEST」を、2014年には「KNOTFEST JAPAN」として日本で開催。ONE OK ROCK、MAN WITH A MISSION、SiM、Crossfaithら日本のアーティストが出演した。2016年10月に2度目の「KNOTFEST JAPAN」を開催する。