音楽ナタリー PowerPush - KNOCK OUT MONKEY
ネット時代に問う「本物に触れる大切さ」
ライブ映像だけでライブを観た気になるのは危うい
──歌詞に関しては?
w-shun 書き殴るような感じでした。実はデモの段階から歌詞があったんですけど、時間を置いて読み直してもまったく違和感がなくて。自分自身も“これでいい”って納得できたというか、ここで歌ってることは、もともと腹の中に持ってたことなんですよ。怒りというよりも疑問ですけどね。“なんで?”っていう。
──具体的にはどんな疑問なんですか?
w-shun ネットが普及したことで、いろんなもののサイクルが信じられないくらい速くなってるじゃないですか。例えばバンドのライブにしても映像で簡単に探せるし、それだけでライブを観た気になってる人も世の中にはめちゃくちゃ多いんじゃないかなって。
ナオミチ うん。
w-shun そういう行動が全部悪いわけじゃないですけど、それだけですべてを判断するのは危ういと思うんですよ。だって、実際に会場に足を運んでみたら、全然違うわけじゃないですか。俺らも現場で感じたこと、そこで学んだことを大切にしながら、ここまで活動してきたので。まあ、タイプ的にはかなりアナログなんでしょうけど。
──バンドがライブ映像をアップするのは、ライブ会場に来てもらうための導線作りですからね。
w-shun そうなんですよね。もちろん自分にも経験がありますけど、好きなアーティストを生で見たときの感動って、何物にも代えがたいじゃないですか。それを知らないで、インターネットだけでわかった気になるのは本当に怖いなって。
dEnkA そうそう。生が一番!
w-shun (笑)。本物に触れる前に答えを出すのは違うんじゃないか?ということですよね、つまり。それはたぶん、俺がド田舎で育ったことも関係してると思うんですよ。ホントに何もないところだったので……。
dEnkA 沼と田んぼしかないからな。
w-shun 沼はない。あるのは池!
亜太 ははははは(笑)。
w-shun お年寄りが来ると「まあ、ええところやねえ」って言うような場所ですよ。そういうところで育つと、興味のあることを自分で探すようになるんですよね。
──それが今の考え方にもつながってる、と。
w-shun まあ、あんまり重く取ってほしくはないんですけど。曲を聴いた人が「何か言ってるよ、こいつ」って思うくらい、ワガママに書いてるので。こういうことを歌うのも、ロックの手段のひとつだと思うし。
ノリ一発で作ってもカッコいいと思える曲ができた
──カップリング曲の「If you fly」も衝動感にあふれたロックナンバーです。
ナオミチ リハーサルスタジオで音を出してるときに、ノリで作った曲ですからね。
dEnkA そう、ジャムりながら作ったので。
──最近の楽曲って、その場の直感を生かした曲が多くないですか?
w-shun そうかもしれないですね。前回のアルバム(「INPUT ∝ OUTPUT」)を作ったときの経験値が大きいと思うんですよ、たぶん。基本的なアレンジ力が上がったと思うし、そのうえで、今やりたいことに向き合えるようになったのかもしれないなって。あと、誰かがアレンジのアイデアを出したときに、その意図を汲み取れるようになってきたのも大きいと思います。まあ、「If you fly」はあまりにも考えてないというか、思いつき一発みたいな感じですけど。
ナオミチ・亜太・dEnkA はははははは!(笑)
w-shun (笑)。テーマがスノボだったんですよ、この曲。
dEnkA ホントにそれだけだよね。
w-shun 10代の頃からスノボが好きで、毎年のように行ってたんです。そういうときに「雪山で自分らの曲が流れたらカッコええやろうな」って思っていて。実はかなり前に、同じテーマで曲を作ったことがあるんですよ。「今同じテーマで曲を作ったら、どうなるだろう?」っていう興味もあったし。
──曲を作る過程で、「以前よりも力量が上がった」と感じられることもありました?
w-shun どう?
dEnkA うーん……。
w-shun ないんかい!
ナオミチ (笑)。直感を信じられるようになったとは思いますね。その場で思いついたことを適当にやるだけじゃなくて、しっかりと表現に結びつけられるというか。
w-shun あと、全員が積極的に意見を言うようになったと思います。前は曲を作ってるときに「どうする?」って言ったまま、30分くらい無言で悩み続けることもあったんですよ。今はどんどんアイデアが出てくるし、曲を作っていて楽しいんですよね。「If you fly」みたいにその場のノリで作っても、ちゃんとカッコいいと思える曲になるというか。そこは変わったところだと思いますね。
次のページ » ライブ定番曲を静かなルームミュージックにリアレンジ
- ニューシングル「How long?」2014年11月19日発売 / Being
- 初回限定盤 [CD+DVD]1944円 / JBCZ-6011
- 通常盤 [CD]1296円 / JBCZ-4012
CD収録曲
- How long?
- If you fly
- TODAY ~another one~(通常盤のみ収録)
初回限定盤DVD収録内容
Live at 2014.07.25 Namba Hatch
"INPUT ∝ OUTPUT" Tour -Final- セレクション
- I still
- Paint it Out!!!!
- Greed
- Challenge & Conflict
- realize
- You have got freedom
- BREAK
- Flight
LIVE INFORMATION
MERRY ROCK PARADE 2014
- 2014年12月21日(日)愛知県 ポートメッセなごや
ROTTENGRAFFTY presents ポルノ超特急2014
- 2014年12月23日(火・祝)京都府 京都パルスプラザ
rockin'on presents COUNTDOWN JAPAN 14/15
- 2014年12月29日(月)千葉県 幕張メッセ国際展示場1~11ホール / イベントホール
KNOCK OUT MONKEY TOUR 2015
"Mr. Foundation"
- 2015年1月28日(水)東京都 CLUB PHASE
- 2015年1月31日(土)北海道 BESSIE HALL
- 2015年2月5日(木)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2015年2月7日(土)香川県 DIME
- 2015年2月8日(日)広島県 ナミキジャンクション
- 2015年2月14日(土)福岡県 DRUM Be-1
- 2015年2月15日(日)長崎県 DRUM Be-7
- 2015年2月21日(土)岩手県 Club Change WAVE
- 2015年2月22日(日)宮城県 darwin
- 2015年2月28日(土)新潟県 CLUB RIVERST
- 2015年3月1日(日)石川県 vanvan V4
- 2015年3月7日(土)岡山県 IMAGE
- 2015年3月8日(日)愛媛県 松山SALONKITTY
- 2015年3月15日(日)静岡県 HAMAMATSU FORCE
KNOCK OUT MONKEY(ノックアウトモンキー)
神戸で結成。w-shun(Vo, G)、dEnkA(G)、亜太(B)、ナオミチ(Dr)からなる4人組バンド。ラウドロック、レゲエ、ヒップホップ、メタル、エモといったさまざまなジャンルの要素を取り入れたキャッチーなサウンドと、感情むき出しに咆哮するボーカルが魅力。2012年にはアンドリューW.K.の来日公演でサポートアクトを務めたほか、「SUMMER SONIC」をはじめ数々の大型フェスに出演し、その名を広く知らしめた。2013年10月に1stシングル「Paint it Out!!!!」でビーイングよりメジャーデビューし、同年12月にはZebraheadの来日ツアーにゲストアクトとして参加。2014年2月にフルアルバム「INPUT ∝ OUTPUT」を発表した。同年7月に大阪・なんばHatchでのワンマンライブを大成功させ、同月に「Wonderful Life」、8月に「Greed」というシングル2作品を連続発売。精力的にリリースを重ね、11月に4枚目のシングル「「How long?」を発表する。