キタニタツヤ×エジマハルシ(ポルカドットスティングレイ)|同い年の2人 濃密で刺激的なコラボレーションの先に

ギターソロはネオソウル王子でお願いします

──「Cinnamon」は、4カ月連続リリース企画の第2弾となる楽曲です。このシリーズは、誰かとコラボレートすることも1つの目的なんですよね?

キタニ そうですね。一昨年くらいから言ってたんですけど、僕はずっと1人で音楽活動を完結してきたので、これからはいろんな人に刺激をもらいながら作っていきたいなと。「Cinnamon」もそうだけど、人に任せたほうがいい場合も多いし、臆せずやっていきたいんです。

──なるほど。エジマさんはどうですか? バンド以外の場所でギターを弾いてみたいという気持ちもある?

ハルシ いろんなところで弾いてみたいと思ってるんですけど、注文が来ないことには……。

キタニ めっちゃ宣伝しとくよ! 「エジマハルシ、いいギタリストだよ」って。

ハルシ ありがとう(笑)。ちゃんとポルカの曲を聴いてもらったら、「空気を読めるギタリストだな」とわかってもらえると思うんですよね。

──空気を読むというのは、楽曲に合わせたフレーズを弾くということ?

ハルシ そうですね。ポルカの曲を聴いて、「この人、めちゃくちゃ弾き倒しそう」と思われることもありそうだけど……。

キタニ 「速いカッティングするんでしょ?」みたいな。

ハルシ そうそう(笑)。でも、それはポルカの曲に合った演奏をしてるからで。あえて弾かないということもできますからね。

キタニ そうだよね。それこそ「Cinnamon」は「ギタリストとして、こういう手札もあるんだぜ」という曲になるんじゃない?これからハルシには、ネオソウル王子として活躍してほしい。

──いいですね、ネオソウル王子。

キタニ レコーディングのときから言ってたんですよ。「ギターソロはネオソウル王子でお願いします」って。

ハルシ 言ってた気がする(笑)。

──ちなみに、キタニさんがベーシストとして仕事するときはどういうアプローチなんですか?

キタニ 完全に守りに入りますね(笑)。もともとベースがモリモリ動くアレンジはそんなに好きじゃないし。(キタニがベーシストとして参加している)ヨルシカの場合はn-bunaくんから「もっとやってよ!」と言われることがあるので、そのときは弾きますけどね。作曲者、アレンジャーと演奏者のコミュニケーションですよね、大事なのは。

左からキタニタツヤ、エジマハルシ(G / ポルカドットスティングレイ)。

どんどん変化するアーティストが好きだし、自分もそうありたい

──ではここでお二人の2021年の展望についても聞かせてもらえますか?

キタニ 俺、「今年のキタニタツヤはこれだ!」と考えていることがあって。去年リリースした「DEMAGOG」はスケールの大きい歌が多かったというか、社会に対して「俺はこう思う」ということを表現していたんですね。ある程度納得できるものができたので、今は自分に戻って、私小説的な曲作りが増えているんです。「白無垢」「Cinnamon」もそういうモードで作ったし、このあともしばらくは内省的な曲が中心になりそうです。派手なロックもやりたいんだけど、歌詞に関しては自分と向き合う感じになるんじゃないかな。飽き性だから、スタンスはコロコロ変わるんですけどね(笑)。リスナーとしてもどんどん変化するアーティストが好きだし、自分もそうありたいなと。

──エジマさんはどうですか?

ハルシ 何だろう? 今は「(ポルカの)アルバム出しました!」という感じなので……。

キタニ 出たばっかりだからね。

ハルシ そう。ギタリストとしては、ちょっと前くらいから「邦ロックのギタリストが弾かないようなフレーズを取り入れたい」と思っていて。「Cinnamon」のネオソウルっぽいフレーズもそうなんですけど、今後は“っぽい”ではなくて、より深みを出していきたいなと。

キタニ いいね。そういう話、ポルカのメンバーにはしているの?

ハルシ そんなこと話さないよ(笑)。

キタニ ハルシみたいなギタリストが活躍するのは、僕もうれしいです。若い人たちがハルシの演奏を聴いて、「こういう演奏を邦ロックに入れてくるんだ!?」って刺激を受けてくれたらいいなって。それは技術がないとできないことだし、ハルシには先陣を切ってほしいですね。

──いわゆる邦ロックの中に現行のネオソウル、オルタナR&B的なテイストを加えるのは、キタニさんの作風にも共通してますよね。

キタニ そうですね。邦ロックは好きだし、ずっと影響を受けてきたものなので。その根幹を大事にしながら、いろいろな要素を入れていきたくて。そいうことができる世代だと思うんですよね。

ハルシ うん。いいバランスで取り入れたいよね。

キタニ Mattもそういうタイプのドラマーなんですよ。彼も邦ロックが好きなんだけど、いろんな要素が混ざってる。メタルをやりにアメリカに行って、ブラックミュージックに染まってきた人ですからね。

ハルシ そうだね。僕はMattと幼なじみなんですけど、高校の頃は「FACTやろうよ」って言ってました(笑)。

──キタニさん、エジマさんの次のコラボも楽しみにしています。まずは「Cinnamon」をステージで聴いてみたいですね。

ハルシ あ、確かに。僕は普通にライブで聴きたいですけどね(笑)。

キタニ 僕のバンドでやるんだったら、ギターのパートはめっちゃアレンジするだろうな。

ハルシ いいね。そのまま弾いてもらってもいいし、変えてもらってもいいし。どっちにしても興味ある。

──ちなみにお二人は、最近どんな音楽が気になっているんですか?

キタニ 東南アジアやフランスのインディーズシーンの音楽をよく聴いてますね。ストリーミングでまとめられてるんですけど、本当にいい曲が多くて。

ハルシ ちょっと前はメラニー・フェイとかを聴いてたんですけど、直近は日本の音楽を改めて聴いてますね。話題の若手の曲とか。

キタニ いいよね。いい曲がヒットする時代なので、今は。