キタニタツヤ×エジマハルシ(ポルカドットスティングレイ)|同い年の2人 濃密で刺激的なコラボレーションの先に

キタニタツヤが1月27日に新曲「Cinnamon」を配信リリースした。

2020年12月から4カ月連続で、“コラボレーション“をテーマに楽曲の配信リリースをスタートさせたキタニ。“feat. ファン”として制作された「白無垢」に続く第2弾として発表されたネオソウル系のナンバー「Cinnamon」にはエジマハルシ(ポルカドットスティングレイ)が参加し、魅力的なギタープレイを披露している。

音楽ナタリーでは今回、キタニとエジマの対談をセッティング。「Cinnamon」の制作についての話題を中心に、お互いの音楽観や現在の自身のモードなどについて語ってもらった。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 須田卓馬

カッコいい音楽をやってる人がいるな

──まず、キタニさんとエジマさんの交流が始まったきっかけを教えてもらえますか?

エジマハルシ(G / ポルカドットスティングレイ) 最初に会ったのは打ち上げじゃない?

キタニタツヤ あ、そうか。僕の「花の香」という曲のミュージックビデオの撮影をしてくれた人が共通の知人で、打ち上げにハルシも来てて。全然しゃべってないんですけどね、そのときは。

ハルシ すぐ帰っちゃったからね。もともと人見知りだし、たっちゃん(キタニ)は「イエー!」みたいな感じだったから、あんまり仲よくなれなそうだなと(笑)。

キタニ (笑)。その後、ハルシが参加しているバンドのライブを観に行って。ドラムのMattくんは僕のバンドメンバーでもあって、「Cinnamon」でも叩いてくれてるんですよ。お酒を飲みながら話したら、ハルシくん、すごく面白い人だったんですよね。

ハルシ あはは(笑)。たっちゃんのことはその前からよく名前を聞いていました。ウチのベース(ウエムラユウキ)とも知り合いだったし、「カッコいい音楽をやってる人がいるな」という感じで。

ギタリストとしてのストライクゾーンが広い

──キタニさんは、ギタリストとしてのエジマさんをどう評価していたんですか?

キタニ なんかのフェスでポルカのライブを観たのが最初だったんですけど、「すげえうまいな」と思って。めちゃくちゃ難しいじゃないですか、ポルカのギター。でも別のバンドではソウルっぽいギターというか、ずっとクリーントーンで。フレーズもポルカとは全然違ったから「こういうギターも弾くのか」と。

ハルシ 別のバンドは2019年に始まったんですけど、その頃はちょうど韓国のヒップホップに興味があって。その雰囲気をバンドでやってみようと思ったのも、活動を始めた1つのきっかけなんだよね。

キタニタツヤ

キタニ なるほど。それを踏まえてポルカの曲を聴き直したら、「実は渋めのギターのほうが本領なんだな」と思ったんです。メインのリフは派手だけど、歌がメインになるところでめっちゃ渋いギターを弾いてて、それがすごくいいんですよ。

ハルシ ありがたい。

キタニ ギタリストとしてのストライクゾーンが広いというのかな。こういうギタリストはなかなかいないと思います。

──エジマさんのギタリストとしてのルーツは、どのあたりなんですか?

キタニ 最初は邦ロックでしょ?

ハルシ そうだね、RADWIMPS始まりなので。

キタニ 同い年だから、中学、高校のときに共に青春を過ごした音楽が近いんですよ。で、最近はブラックミュージックやネオソウル系に傾倒していてね。

エジマハルシ(G / ポルカドットスティングレイ)

ハルシ うん。ギタリストに注目し始めたのは、ジョン・メイヤーやスティーヴィー・レイ・ヴォーンが最初です。ファンクなども聴いていたんですけど、ネオソウル系に興味を持って、「こういうギターを弾いてみたい」と思ったのはトム・ミッシュがきっかけかな。トラックに対するギターのアプローチが新しかったし、シンプルだけどすごくカッコいいんですよ。

キタニ トム・ミッシュは僕もすごく好き。Honneの「Me & You」でトム・ミッシュがギターを弾いてるんですけど、そのフレーズもすごくいいんですよ。「Cinnamon」のデモを作ってるとき、「こういうギターを入れてもらうのもいいな」と思ってたんですよね、実は。結果、全然違う感じになったんですけどね。