“きっかけの人”に楽曲を依頼

──アルバムの1曲目を飾るナンバー「僕らの夏」は佐香さんからの提供曲です。kainさんにとって佐香さんはどういう存在なんですか？

kain　僕が歌い手を始めるきっかけになった人がTくん（佐香）なんです。高校生の頃に学園祭で使う曲をネットで探しているときにTくんの「君に届け」を聴いて。それまであんまり歌い手の曲とか聴いたことがなかったんだけど、そこからいろいろ聴くようになって、僕自身も歌い手として動画をアップするようになったんです。

佐香智久　こうやって面と向かって言われると恥ずかしいですね。

kain　今回2ndアルバムを作るに当たって、僕にきっかけをくれた人に曲を書いてほしいなって思ったのでTくんにお願いすることにしました。

佐香　楽曲の書き下ろしをお願いされて、まずはkainくんのこれまでの曲を全部聴いたんです。そのうえでどういう曲がいいのかなって考えて。それと「夏がテーマの出会いの曲、胸がキュンとするような恋愛の曲を書いてほしい」ってオーダーもあったので、その要素と僕がkainくんに歌ってほしいと思う要素を混ぜて、僕ができなかったことを曲の中でやってやろうと思って書いたのが「僕らの夏」です。

──「僕らの夏」は片想いを歌った曲ですが、曲の背景にあるストーリーはどういうものですか？

佐香　この曲は “ひと夏の儚い恋愛”をテーマにしたものなんです。登場人物は中高生で気持ちを言葉にできない男の子と女の子で。男の子が勇気を出して「花火大会行かない？」って、女の子に声をかけたんです。女の子はちょっと好意に気付いていて、なんなら女の子も彼のことがちょっと好きなんですよ。でも2人共「好き」って言葉にするにはまだ若すぎる。で、女の子は花火大会に行くことを母親に相談するんですね。そうしたら「それはもうデートだから、あんた浴衣着て行きなさい」って言われて。で、浴衣を来て花火大会に行って男の子はグッとくるわけですね。そこから始まり、恋がどうなるのかっていう曲を書きました。

kain　母親とか歌の中には登場してないよね。

佐香　今のストーリー、Aメロの前の話だから（笑）。

──ご自身でこういう経験はできなかったと。

佐香　こういうのやりたかったなあーって。それに今回はkainくんに歌ってもらうわけですから、kainくんのファンの人たちに登場人物の女の子になりきって聴いてもらいたいなって思ってます。

今度制服来てディズニーに行ってみようよ！

──kainさんはこういう“ひと夏の恋”を経験したことはありますか？

kain　ないです！ 僕、音楽系の高校に通っていて、その学校は部活をやっちゃダメだったんですよ。音楽の専門だったから周りに女の子がたくさんいたんですけど、別にそこまで恋に発展することはなくて。普通にアッサリ高校生活が終わってしまいました（笑）。

──今振り返ってみて、「僕らの夏」のような恋はしてみたいと思いますか？

kain　こういう恋愛がしてみたかったですね。もう僕は学生じゃなくなっちゃいましたけど、制服デートっていうのが超夢なんですよね。

佐香　すごくわかる！ 僕、ずっと北海道に住んでいたんですけど、制服でディズニーとかすげー行きたかったもん。

kain　わかります！ 僕も愛知県在住だったので、地方の学生にとって制服でディズニーは夢ですね。

佐香　今度、僕らで制服着てディズニーランドに行ってみようよ！

kain　制服着て、男同士でデートするの……？

佐香　メッチャ面白そうじゃん！ たぶんものすごいリツイートされるよ（笑）。