明るい未来を一緒に思い描けたら

──最果タヒさんが作詞を手がけた曲は「波打ち際」ですね。これも今までにない新しいJUNNAさんを強く感じることができる1曲だと思います。

この曲には私もすごく新鮮な感覚がありました。最果さんの詞がすごく印象的で。言葉のもつエネルギーを感じる面白さがありました。さらに、ここまで静かでシンプルなサウンドというのも今までにはなかったですからね。

──歌い方はどうアプローチしていったんですか？

最初は優しく歌っていくのもアリなのかもしれないなとは思っていたんです。ただ、私っぽさをあまり感じない歌になってしまうような気がしてしまって。曲が持っている切なさや悲しさを表現するには強さと優しさを共存させた歌声で歌おうと思いました。歌い終わったときに「すごくいいよ」と言ってもらえて（笑）。まるで映画を1本観終わったかのような感覚になる曲に仕上がったので、すごく気に入ってます。

──そしてアルバムのラストにはJUNNAさん自らが作詞・作曲を手がけた「いま」という曲が収録されています。

はい。この曲は自粛期間中にワンコーラスだけを作って、Twitterで発表した曲です。コロナ禍を過ごすみんながこの曲でちょっとでも元気になってくれたらいいなっていう願いを込めて。それがまさかフルコーラスになってアルバムにまで入るなんて想像もしていなかったので驚きました。私が初めて書いた曲を認めてもらえるのかなという不安もありましたし。でも、島田（昌典）さんの壮大なアレンジによって、アルバムのラストにふさわしい曲に仕上がったことが本当にうれしいです。

──曲はどう作っていったんですか？

ピアノで作りました。Bメロ以降はスッとメロディが浮かんできて。そこにあとからコードを当てはめていきました。この曲は自分の一番歌いやすいキーで作ることができたので、歌の表現がしやすかったと感じています。

──今のJUNNAさんが抱いている決意が見える歌詞もすごくいいですよね。

AメロとBメロは聴いてくれる誰もが共感できるように書いたところはあったんですが、サビは自分自身のことをみんなに伝えるような内容になりました。「私は歌でがんばる。だからみんなもがんばってね」ということをしっかり伝えたかったから。将来的にはライブのラストに歌って、明るい未来をみんなで一緒に思い描けたらいいなって思っています。

──「私はここで歌うよ」という歌詞が、最後だけ「私とここで歌おう」になっているところは、まさにライブを想起させるフレーズですよね。

「私はここで歌うよ」という自分の気持ちを伝えて、最後はいつかまたみんなで会える日のことを想像してもらえる言葉にしたかったんです。書いているときはファンのみんなのことや、これまでのライブのことをずっと思い浮かべていたので、自然とこうなりました。この部分に自分の一番の思いを詰め込めたと思います。

また新たな自分になれる

──大きな成長を実感させる本作を経て、未来に向けて何か思い描いていることはありますか？

今回のアルバムでは、前作からの2年で経験してきたものを新たな表現として各曲に注ぐこともでき、自分としても成長の手応えを感じられました。これから先もいろいろな経験をしていくことで、たくさんの新たな自分に出会えると思っています。

──キャリアと同様に、年齢を重ねていくことも楽しみですか？

そうですね。10代の自分が好きだったので、実は20歳にはなりたくはなかったんです（笑）。ただ、20歳になった今ではもう楽しみしかないです。年齢を重ねることでどんどん表現も変わっていくと思いますし、新しい引き出しもどんどん増えていくと思うので。まだまだ成長できることがうれしいです。

──来年の2月には東名阪ツアーも決定したそうですね。

そうなんです！ 今年はライブができなかったので、本当に楽しみです。今回のアルバムは歌うのが大変そうな曲ばかりなので不安もあります（笑）。しっかり準備したうえで臨みたいです。

──では最後に、20歳になったJUNNAさんがプライベートでやってみたいことは？

コロナが収まってどこにでも行けるようになったら、いろんな人とお酒を飲みに行きたいです（笑）。お酒を飲みながらいろんな深い話がしたいです！