“叫んでみる”というアイデア
──「我は小説よりも奇なり」のボーカルはものすごくパワフルですよね。その強さこそがJUNNAさんの大きな武器だと思うので、そういった意味でも1曲目にふさわしい仕上がりだと思います。
全体的にめちゃめちゃ強さを強調した曲になりました(笑)。ちょっと力を抜いて歌う、みたいなことはほとんどしていないので。ライブの1曲目に歌って、みんなの心をギュッとつかむくらいのパワーを込めてレコーディングに臨みました。完成されたものを聴くと、そのアプローチは正解だったと思いました。
──後半のブレイクポイントでは張り裂けんばかりの叫び声が入っていたりもして。
制作の途中に感情を吐露するようなシーンを入れたいということで、現場で出たアイデアなんです。叫び声が入っている曲なんて聴いたことがなかったし、まさか自分がそんなことをやるなんて思ってもみなかったんですけど(笑)。ライブでもその叫びの部分を楽しみにしてもらえるんじゃないかなって思います。
──続く2曲目の「FREEDOM~Never End~」は力強いロックナンバーです。こういったテイストの曲はJUNNAさんが得意とするところですよね。
はい、とても(笑)。普段聴いている音楽もロックが一番多いので、自分が歌う際にも楽曲に表現を落とし込みやすいところがあると思います。ただ、この曲のBメロはちょっと優しい雰囲気になるし、大サビでは急に女の子らしい歌詞になったりもして。そこをどう表現するかはけっこう悩みました。強く突っ走っていくほかのパートとの違いをどう出すかがこの曲のポイントだったと思います。
──ロックな表情を見せたかと思えば、4曲目「La Vie en rose」ではダンスチューンにも挑戦しています。
今までもダンスチューンっぽく聴こえる曲はあったんですけど、そこを明確にめがけて作ったのは実はこの曲が初めてなんです。自分としてはよく聴いているタイプのサウンド感だし、歌ってみたいと思っていたんです。実際に歌ってみるとかなり苦戦しました(笑)。早口に聞こえるところがあったり、どう表現するかはすごく考えました。歌詞が大人っぽい内容だったので、カッコよさと大人っぽさを表現することは、ワルキューレでの経験を生かしつつ、新しく挑戦できたと思います。
──ライブではがっつりダンスしてくれることを期待しています。
これまでソロライブでダンスをしたことはあるんです。この曲でのダンスは大丈夫かなと不安もありつつ(笑)。でもがんばります!
え、こんなにすごい方々ばかりなんだ!
──さらに新しい表情が見られる曲として「Now or Never」が挙げられると思います。かなりジャジーな雰囲気ですよね。
サウンドはもちろん、歌詞が全部英語というのも初めての経験で。ずっと挑戦してみたいことではあったので、難しさは感じながらもすごく楽しみながら臨めました。
──英語で歌ってみていかがでしたか?
日本語の歌詞とは音符に乗せる言葉の数が全然違うので、なじむまでがなかなか大変でした。発音も含めこだわって、スタッフの方に助けていただきながらレコーディングしました。この曲はAメロで特にメロディが低いパートがあって、歌唱すると声のテンションも下がっているように聞こえてしまうので、明るく聞こえるように歌唱するのがけっこう大変でした。
──低い声でも明るいテンションを出したかったわけですか?
そうなんです。サウンドには明るくてポップな雰囲気があるので、明るくポジティブな感情で歌っていても、まだ暗く聴こえてしまうということがあって、何度も録り直しました。
──ちなみにこの曲の作詞はTAHITI 80のグザヴィエ・ボワイエさんです。ほかにも今回のアルバムには岩里祐穂さん、尾上文さん、唐沢美帆さん、Schroeder-Headzさん、JUON(FUZZY CONTROL)さん、藤林聖子さん、降谷建志(Dragon Ash)さんなど、そうそうたるクリエイター陣が参加されていますよね。
「え、こんなにすごい方々ばかりなんだ!」って自分でも驚きました(笑)。どの曲にもものすごく新鮮な驚きと楽しさがあって。個人的には「我は小説よりも奇なり」の歌詞を石川智晶さんが書いてくださったのが特にうれしかったです。あと、Twitterをよく拝見していた最果タヒさんとご一緒できたことも感激でしたね。
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