JUJU|16年分の愛、願い、トキメキ、祈りを詰め込んだオールタイムベスト

信じるって“願うこと”

──「Theater PURPLE」の中で印象深い曲というと?

「君がついた嘘なら」ですね。個人的にすっごく好きなんです。これは特に若い子たちに聴いてほしいんですよ。若い頃って、すぐ何もかもが嫌になって自暴自棄になったりするじゃないですか。でも、大切な人に出会うことですべてが変わっていく。例えその相手が嘘をついていたとしても、例え騙されていたとしても、その人を愛する気持ちは持ち続けてほしいなって私は思うんですよね。嘘だとしても「私はあなたを愛しているから信じます」みたいな。

──ままならない恋愛であっても、その裏にあるのは相手に対するまっすぐな愛、「Theater RED」に通ずるような愛であってほしいと。

うん。歌詞の中に「信じるってなんだろな 疑って証明することかな それとも願うことかな」というフレーズがありますけど、私は“願うこと”であってほしいなってすごく思います。願うことの尊さを自分の中に持てたら、それは強さにもなりますからね。私自身、こんな曲と10代の頃に出会いたかった!(笑)

──ままならない物語が詰まった「Theater PURPLE」ですが、最後に「Woman In Love」が収録されていることが救いになっている印象もありました。

この曲はある意味、覚悟を歌っているので、聴いていると苦しくなる感覚もあって。ただその出会いがどんな形であろうとも、暗闇も怖くないと思える相手と巡り会えたことを私は祝福したかったので、このディスクの最後に入れることにしました。聴く人によってはウエディングソングにもなるんじゃないかな。ままならないながらもこれでいいんだと思ってもらえるような曲になればいいなって思います。

なかなかの情緒不安定っぷり

──「Theater PINK」はサウンドのカラフルさが際立つ1枚だと思います。

私はかくありたい。この盤のように生きたい思いがあるんですよね(笑)。ずっとときめいていられたらそれに越したことはないじゃないですか。恋愛ですごく傷付いたとしても、またすぐ誰かのことを好きになっていたいなって。だから大好きな曲がたくさん入っています。まあでも1枚通して聴くとなかなかの情緒不安定っぷりですけどね。ピュアな恋愛を描いた曲もあれば、不埒な曲もあるし、挑んでる女豹みたいな曲もあったりして(笑)。「Hold me, Hold you」をリリースしたときなんかはね、それまでずっとままならない曲ばかり出してたのに、急に“Darling Darling”言い出したから、友達にめちゃくちゃ心配されました(笑)。個人的にはカップリング曲だった「READ MY LIPS」を入れられたのがすごくうれしかったです。この曲のボーカルは自分の一番好きなタイプかもしれない。

──「Stop Motion」という新曲が入っているのもうれしいですね。

これはもう「Theater PINK」らしいウキウキした方向で、「PLAYBACK」の続編みたいなイメージで作りました。不埒な夏の曲をもう1曲増やそうと。夏の思い出ってすべてがキラキラしてるから、コマ送りみたいに脳裏に残っていく感じがあるじゃないですか。そんなひと夏の思い出をプレイバックする曲になっています。

今日が一番若い

──そして最後は「Theater BLUE」。日々を力強く、楽しく生きるためのさまざまな応援歌が詰まっています。

生きている中においては今日が一番若いわけですから、夢を見続けることをあきらめず、どんどん前に進んでいってほしいなって思うんです。そんな私からの祈りですね、この盤に収録されている曲たちはすべて。JUJUとしての命は「奇跡を望むなら…」というバラードがつないでくれたものなので、これからもバラードを大事に守っていきたい気持ちはもちろんあります。でも同じことばかりしていてもつまらないし、飽きられてしまうじゃないですか。だから新しいドアを開けることを怖がらないでいたいという気持ちを込めて作ったのがアルバム「DOOR」(2014年リリース)であり、そこに入っていた「Hot Stuff」という曲だったんです。なので、その2曲が同じ盤に入れられたのは感慨深いし、「Hot Stuff」があったからこそ最新シングル「STAYIN' ALIVE」につながっていったっていうのも面白いなって思いますね。

──HITSUJI(吉田羊)さんと歌われた、平井堅さん提供曲「かわいそうだよね」が「Theater BLUE」に収められたのも面白いですよね。

そうそう。私もそう思いました。この曲で歌われているかわいそうな人は自分自身のことだし、惨めなのもこの私なわけですよ(笑)。それを歌うことに対してはそれなりの覚悟が必要でしたけど、でもせっかく平井さんがくださったチャンスを無駄にはしたくなかったんです。こういうタイプの曲が歌えるくらい自分も大人になったんだなって思うと、ちょっとうれしかったですしね。なかなかこういうタイプの曲はレパートリーとして増えてはいかないですけど、実はまた巡り会えることを手ぐすね引いて待っている部分もあったりします(笑)。

──このベストを引っ提げ、9月からはアリーナツアーも開催予定です。

距離的にホールが好きっておっしゃる方もいらっしゃるとは思うんですけど、演出面などに関してはアリーナだからこそできることもたくさんあるんです。それをしっかり考えたうえで、皆さんに楽しんでいただける内容にしようと思っています。この16年間の総決算ともいえるツアーですが、タイトルは「YOUR STORY」なので、皆さんそれぞれ自分が主役だと思って遊びに来てください。

ライブ情報

JUJU ARENA TOUR 2020「YOUR STORY」
  • 2020年9月5日(土)北海道 北海道立総合体育センター 北海きたえーる
  • 2020年9月12日(土) 愛知県 Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)
  • 2020年9月19日(土)福岡県 マリンメッセ福岡
  • 2020年9月22日(火・祝)宮城県 セキスイハイムスーパーアリーナ
  • 2020年10月3日(土)大阪府 大阪城ホール
  • 2020年10月4日(日)大阪府 大阪城ホール
  • 2020年10月10日(土)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
  • 2020年10月11日(日)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
  • 2020年10月24日(土)愛媛県 愛媛県武道館
  • 2020年11月7日(土) 富山県 富山市総合体育館
  • 2020年11月21日(土)広島県 広島サンプラザ ホール