今はポジティブなメッセージを歌いたい

──ところで、1stアルバム「MUSICATION」から2年、メジャーデビューからは3年経ちましたが、音楽活動に対する気持ちに変化はありますか？

デビュー当時は、右も左もわからないっていうところで逆に余裕もあったんですけど、もう新人ではないから、過去に作った以上のものを常に求められるし、自分も求めていきたいし。で、まさにそこなんですけど、今は前回のアルバムからどっか変わった自分を見せたいなっていう気持ちが強くあるんですよね。

──この1～2年で歌いたいメッセージも変わってきた？

変わりましたね。前回のアルバムはラブソングが多かったと思うんですね。男女の関係性というか。でも、今は夢とか、苦しんだ中でつかもうとする希望とか、ポジティブなメッセージを歌いたいなっていうのをすごく意識して作ってますね。この「永遠はただの一秒から」ではラブソングを作りましたけど、全体的にはそういうメッセージ性が強い気がします。

──「永遠はただの一秒から」も希望がベースになってる曲ですしね。

そう。「Toy box」を作ってるときにもすごく思ったことなんですけど、僕、インディーズで活動を始めるもっと前からもがいてたんですよね。仕事しながら音楽活動してたんですけど、一回歌をやめようと思ったことがあったんですよ。お金がないから仕事もしなきゃいけないし、掛け持ちしながら歌をやろうと思っても、歌をやる時間がほとんどなかった。で、このままじゃらちがあかないし、きちんと就職したほうがいいなと思って、音楽をあきらめそうになったんです。で、就活したら受かったんですね、「おめでとうございます」っていう電話が来て。その瞬間に、それまで苦労してきたこととか、音楽でうれしかったこととかがバーッと頭を巡って、「もし、ここで俺がOKを出したら、もう二度と音楽をやることはないな」と思って。本当に今も苦労してるけど、それでいいねんな？って自分に問いかけたときに、なんか覚悟ができて、苦労しようが何があろうが歌をやっていこうと思って、就職先からの合格を断ったんです。そこから自分の中で変わったんですよ。

──歌っていく決心をした。

そう。で、それ以降、苦労することはありましたけど、怖くなかったというか。どっかでどうにかなるんじゃないかって自分がまず信じなきゃそこで終わりだなと思ってるし。そういうときに得た経験や感じた思いが今の曲作りに反映し始めてるのかなって思うんです。人生、楽じゃないけど、でも自分を信じなきゃ何も始まらないよっていう。その部分を伝えられたらいいなって思ってるんです。

──なるほど。じゃあ、次の一手がますます気になるところです。

ですよね？ アルバム出します！ 11月16日に2ndアルバムを。

──おっ、うれしいニュース。どんな内容になりそうですか？

今回は「Your Voice」というタイトルで、僕の声でもあるし、あなたの声でもある、っていう意味でつけてるんですけど、まさにさっき言った、自分が経験した苦しみだったり、自分を信じてそれを乗り越えた喜びだったり、そういうのを人に伝えられるようなアルバムにできたらいいなと思って。恋愛ソングはもちろん入ってますけど、苦しみの中でポジティブな面を見つけるっていうことだったり、そういうときに人が感じることだったりを前面に出したアルバムになってるので、たくさんの人に聴いてもらえるとうれしいですね。