問題に直面したときに、新しく生まれ変わらざるを得なかった
──以前に見かけたインタビューで「10代から20代までは勢いでやっていけた」と話してましたけど。30代になってどうですか?
自分の考えに白黒を付けるようになりました。子供には「どっちでもいいよ」は通用しなくて、いけないことをしたら「これはダメだよ。その理由は……」と教えないといけないんです。つまり「Yes」か「No」かで物事を考えるようになって。それを仕事に置き換えたとき、多くの選択肢がある中でも何を選ぶべきか判断できるようになりました。20代の頃って、あれもこれもやりたいと考えてるうちに何をすればいいかわからなくなって、結果「気持ちがこもっていれば伝わるだろう」と考えていたことがあったんですけど、気持ちを伝えるためには自分の頭の中でどんな伝え方があるのか整理しなくちゃいけない。考え方の順番が変わったんですかね? それが30代になって一番の変化だと思います。
──「小さい頃はお姉さんの後ろをくっついて歩くような引っ込み思案タイプで。誰かと争うのが苦手な性格だった」というのをインタビューで読みましたけど。そこから考えると、自分を主張するようになったのはたくましくなりましたね。
自分がやりたいことは言わないと先に進まないんだなって、1人で仕事を始めてすごく感じました。私は今に至るまで、多くのスタッフにものすごく支えられていたから、ある程度は考えなくてもできちゃってたんですよ。ただ、今回は自分がどう進めていいのかがわからなすぎて「千晃さん、これはどうすればいいですか?」と何回も指摘されたんです。その判断は今までスタッフがやっていたことなので、どうやるのかわからなかった。その問題に直面したときに新しく生まれ変わるきっかけになったというか、変わらざるを得なかったし、そうじゃなければ「New Beginnings」もできなかったと思います。
──スタッフの皆さんは、伊藤さんが何をしたいのかで動くわけですもんね。
今まではアイデアを投げるだけで、「何がやりたい?」「かわいいものがやりたい」「じゃあ、こういうものがあるよ」ってスタッフが並べてくれていたんですよ。今はそうじゃなくて、私が具体的なイメージを挙げてからスタッフが動く順番なので、私が何をやりたいのかが一番大事なんだと気付きました。今作がまさにそれで、「歌詞はどうする?」「作曲家さんは誰にする?」「どういうコンセプトにする?」とかも今まではプロデューサーが指示していたんですけど、今は私以外に決める人がいないんです。そこが難しく感じましたね。こうして形にすることができたのは奇跡だなと思います。
──まさに自分と向き合わざるを得ない環境だった。
本当にそうですね。自分のイメージを具体的に伝える作業が大事なんだと「New Beginnings」の制作を通して感じました。特に作詞では、1曲に対していろんな要素を詰め込むのはよくないと思って。それぞれの曲を作るごとに「今回はこの気持ちを優先したいです」というのを決めるところから始めましたね。
──どんな思いを込めて歌詞を書いたんですか?
今回は伝えたい思いがあふれ出そうな感じだったんですよ。だから、自分の伝えたいことを各曲に5等分できてよかったです。ここまで来れたのはファンの方々のおかげなので、ファンの方々をイメージして作った曲が「happiness」。先の人生に悩んだ時期があって、そこから一歩踏み出したくて作ったのが「New Beginning」です。「LOVE or LIPS」は私の好きなファッションやメイクの世界観を音楽に落とし込みたくて歌詞を書きました。「A Song For You」は、何かファンの方々と一緒に作る曲ができたらと思って作った曲です。ファンクラブイベントで“千晃ちゃんへのメッセージボード”を設置させてもらって、来てくれた方がそこに書いてくれた私へのメッセージをまとめたのが「A Song For You」の1番の歌詞で、それに対するアンサーが2番なんです。このように、やりたいことがあふれそうなくらい詰まってて。それを曲ごとに表現できてよかったです。
自分が崩れたらみんなの期待を裏切ることになるし、大事な家族を守れなくなる
──ミニアルバムがリリースされるほかに、12月28日からは伊藤さんの写真展も開催されるんですよね。
はい。渋谷のGALLERY X BY PARCOを借りて、1月14日まで開催します。「New Beginnings」を提げての写真展になるので、作品と写真がリンクしている空間を作る予定です。なので、楽曲とともに写真を見ていただくと面白い発見があると思います。それに加えて会場では「LOVE or LIPS」「A Song For You」のミュージックビデオをフル尺で公開しますし、ほかにも面白い仕掛けを組み込むつもりなので、音楽、言葉、映像の融合を楽しんでいただければと思ってます。
──妊娠中に撮影された昨年発売の写真集「CHEERS」には素の伊藤さんが写っていましたけど、今回の写真展はどのような雰囲気になってますか。
私はスタジオだとキメている感じの表情しか出ないけど、今回もフォトグラファーがプライベートでも仲良くしている方なので、自然体の私を撮っていただいてます。今年4月から撮り溜めていた写真なので、同時期に制作していたアルバム収録曲と照らし合わせて見ていただくと、より深みを感じられると思います。
──前回の写真集を見て感じたんですけど、今の伊藤さんは優しい表情になられましたよね。
うれしい! 「表情が変わった」というのは出産してからよく言われますね。守るものができたのが大きいと思うんですけど、あとは戦いの姿勢も変わったんですよね。これまでは周りに支えられることが多く、その中で自分は生かされていたんです。でもソロ活動を始めて、自分の責任だったり、自分の足りなさだったりが浮き彫りになってきた。それを感じたことによって、顔つきも変わってきたと思うんです。たぶん、心の中の強さが顔に表れているじゃないかなと。
──今、悩むことってあるんですか?
毎日、悩んでますよ!
──伊藤さんなら、その悩みすらもプラスの力に変えられるような強さがありそうです。
強くなりましたね。自分の弱い部分を突いちゃうと、ものすごいネガティブな自分が出そうなぐらいグラグラな面も正直あるんですよ。でも、自分が崩れたら一緒に崩れてしまう人たちがいるんです。それこそ私の音楽活動を待っていてくれた子たちの期待を裏切ることになるし、大事な家族を守れなくなる。それを考えて「自分の悩みを前向きに考えていこう」と意識してますね。
- 伊藤千晃「New Beginnings」
- 2018年12月5日発売 / avex trax
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[CD+DVD] 2268円
AVCD-96036/B -
[CD] 1620円
AVCD-96037 -
FC・イベント盤
[CD+グッズ] 2700円
AVC1-96038
- CD収録曲
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- New Beginning
- happiness
- Eternal Story
- LOVE or LIPS
- A Song For You
- DVD収録内容
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- 「New Beginning」Music Video
- 「Eternal Story」Music Video
- イベント情報
伊藤千晃 1stミニアルバム「New Beginnings」発売記念イベント -
- 2018年12月24日(月・振休)
東京都 タワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIO
START 18:30~
- 2018年12月24日(月・振休)
東京都 タワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIO
- バースデートークショー2019
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- 2019年1月12日(土)
東京都 ホテル椿山荘東京
[1st] OPEN 12:30 / START 13:00
[2nd] OPEN 16:00 / START 16:30 - 2019年2月3日(日)
兵庫県 神戸ポートピアホテル
[1st] OPEN 12:30 / START 13:00
[2nd] OPEN 16:00 / START 16:30 - 2019年2月11日(月・祝)
京都府 京都タワーホテル
[1st] OPEN 12:30 / START 13:00
[2nd] OPEN 16:00 / START 16:30 - 2019年2月17日(日)
福岡県 ホテルニューオータニ博多
[1st] OPEN 12:45 / START 13:15
[2nd] OPEN 16:15 / START 16:45
- 2019年1月12日(土)
東京都 ホテル椿山荘東京
- 名古屋市公会堂リニューアル記念CHIAKI ITOトークショー スペシャルエディション
-
- 2019年3月25日(月)
愛知県 名古屋市公会堂
OPEN 14:00 / START 15:00
- 2019年3月25日(月)
愛知県 名古屋市公会堂
- 伊藤千晃(イトウチアキ)
- 1987年生まれ愛知出身のモデル / アーティスト。コスメブランド「C-TIVE」のプロデュースやアパレルのコラボ商品開発などで幅広く活躍中。美容やファッションに関する豊富な知識で同世代の女性からの支持も高い。2018年夏にソロアーティストとして音楽活動を本格的に行うことを発表し、同年12月に初のミニアルバム「New Beginnings」を発表した。