1人ずつインタビューをして作られた曲

──デビュー曲「CONNECT」は、これまで困難を経験してきた皆さんが、新たな世界へ踏み出していくさまを描いたような1曲です。かなりパワフルでインパクトがある楽曲ですが、最初に聴いたときはどう思いましたか？

RIN　まず「もう1回聴きたい」と思いました。曲調が何回も変わるし、1回では脳内で処理できなかったというか。

YUUKI　展開が多いよね。最初にデモを聴かせてもらったときは「今、映画を観たんだっけ？」ってみんなで話しました。テンポが速くなったと思ったら急に幻想的なメロディになったり。私も「もう1回聴きたいな」と思いました。

──皆さんのこれまでと今を反映したような歌詞ですが、特に思いを込めて歌っている歌詞はどこでしょうか？

NANO　うーん、どこだろう。踊っていて毎回力が入っちゃうのは「Now We Finally Connect」の部分です。ダンスとしてもポイントになる部分だし、タイトルの「Connect」というフレーズも入っているので、気持ちがすごく入りますね。

──歌詞には「君」や「you」というフレーズがよく出てきて、「同じ瞳をした私たちがConnect?」という歌詞もあります。「we」はIS:SUEのメンバー同士のことでもあり、ファンの皆さんとIS:SUEのことも指している……という捉え方であっていますか？

RINO　いろんな意味合いが込められていると思っています。IS:SUEを指して「私たち」と言っているところもあるし、ファンの方に語りかけるような部分もあるし、完成した楽曲を聴いている自分に語りかけている部分もあるかもしれない。そうした、いろんな意味が込められた代名詞として歌うように私は意識していますね。

YUUKI　レコーディング中はそういった部分を考えながら歌っていたんですが、「KCON」でお披露目するまではずっと鏡に向かって練習していたので、対象についてあまり突き詰めて定義できていなかったんです。でも「KCON」で観客の皆さんを目の前にしたとき、自分の中に「目の前の人に届けよう」という気持ちがすごく湧いてきて。その瞬間、「you」や「we」の指示対象はファンの方々なんだと感じました。ライブの場では、ファンの方々とつながるという意味合いが強まる気がします。

──なるほど。ステージのパフォーマンスでもミュージックビデオでも、前半では勇ましい表情が多かったのが、ブリッジパートからはどこか表情が柔らかくなる印象を受けたんです。そうした細かい表現も意識しているんでしょうか？

NANO　そうですね。ブリッジの部分はガラッと雰囲気を変えるように振付の先生から言われましたし、自分たちでもそうしようと意識して踊っています。

──3分間の中にいろんな表現を詰めているんですね。ダンスの面で特に注目してほしいパートは？

YUUKI　自分のパートで言うと、2番の最初のラップパートで、私の拳の動きに合わせてカメラのアングルが変わるところは見ていて楽しいと思うので、ぜひ注目していただきたいです。あとはRINの「Shout it loud, Shout it loud 一瞬でConnect」というパート。Connectポーズで2回“打つ”振付のニュアンスが毎回違うのが、私はすごく好きです。表情も相まってすごく魅力的なんですよ。

RIN　ありがとう！ 寄りのカメラのときは少し弱めにして顔を見せて、引きのカメラのときは動きを大きくすることを意識してやっているんです。

NANO　そういうことだったんだ、すごい！（全員から拍手が起こる）

RINO　ちなみに人差し指と小指を立てるConnectポーズは、コンセントがモチーフになっているんです。振付の先生が「つながる」というテーマに合わせて考えてくださいました。

NANO　私が注目してほしいポイントは、最後のダンスブレイクで4人が1列になって前に進んでくるところかな。盛り上がりや4人のチーム感が感じられると思います。

YUUKI　あそこはMVでの撮影もけっこう苦戦したね。意外と水位が浅くて、大げさに踊らないときれいに跳ねなくて。水しぶきを演出するために、みんな体の半分以上を濡らしながらがんばりました（笑）。RINOちゃんの注目ポイントは？

RINO　うーん。どこを切り取っても全部素敵なので、難しいな……。

YUUKI　私、MVでRINOちゃんの周りに車ができあがっていくところがすごく好きだよ。キメキメで座ってるRINOちゃんの周りに……（笑）。

RINO　ちょっと笑ってるじゃん！（笑） あのシーンは、完成するまで全然想像できなかったけど、ハリウッド映画みたいにカッコよく仕上がっていたので、すごいなと思いました。

RIN　あと苦労したのが、みんなで視線を合わせて微笑むシーン。感動的な場面のはずなのに、顔を見合わせるとどうしても笑っちゃって。爆笑してしまい、NGを連発しました（笑）。

NANO　確かに大変だった（笑）。

──カップリング曲「STATIC」は打って変わって、皆さんの歌声が優しく響くR&Bナンバーですね。

NANO　「STATIC」は、メンバーが1人ずつプロデューサーさんに事前にインタビューを受けたうえで制作していただいたんです。1人ひとりがこれまでのエピソードをじっくりお話したので、私たちの思いがストレートに表現されている歌詞になっていると思います。自分たちでも「本当に素敵な歌詞だな」と思いながら歌って踊っているので、感情が込めやすいですね。

YUUKI　確実に、メンバーみんなが共感できる内容になっていると思います。

──ファンの方への思いも感じる歌詞になっていて、聴きながら泣いてしまう方も多そうです。

NANO　自分も歌っていて泣きそうになっちゃいます。聴いてくださる皆さんの心を動かせるようにがんばりたいです！（笑）

4人の個性とグループの調和が両立する、という強み

──IS:SUEのさまざまな映像やビジュアルが公開されるたびに、「日本にこれまでいなかったガールズグループだ」という声をよく見かけました。確かにいわゆるガールクラッシュ感がありつつ、でも強いだけではない女性像や、迫力のあるダンスなどに私も新鮮さを感じたのですが、皆さんはそういった声があることをどう受け止めていますか？

YUUKI　すごくうれしいですね。オーディションを通して知ってくださっている人も多いですけど、初めての方がパッと見ただけでメンバーそれぞれの区別がつく個性もあると思うんです。そのうえで4人として調和もできているというフィードバックをいただけるのは、すごくありがたいことですよね。

──現時点では難しい質問かもしれないですが、IS:SUEにしかない魅力や強みを挙げるとすると、どういった部分だと思いますか？

YUUKI　確固たるものはまだ探している最中ですが……、やっぱり各々にしかない魅力があるところかな。何年間も一緒に練習生活を続けてグループが結成されるパターンはけっこうあると思うんですけど、私たちはそれぞれ違うルーツを持った4人がそろっている。だからこそいろんなポテンシャルがあると思っていて。メンバーそれぞれに異なる魅力や伝えたい思いがあるのが、このチームの一番の魅力かなと思います。

──今後グループとして歩んでいく道筋や目標について、メンバー間ではどのように話していますか？

NANO　成し遂げたいこと、やりたいことはたくさんあって、全員でしっかり共有して話していますね。

RINO　世界に羽ばたいていけるグループになりたいと、みんなで話しています。

RIN　最初に4人で「日本にとどまらないこと」という大きな目標を立てて、そこへ向けて逆算して「この番組に出る」「この賞を受賞する」「このステージに出る」と細かい目標も決めていきました。1つひとつ叶えていけるように、ファンの皆さんの力も借りながらがんばっていきたいです。

YUUKI　大きな夢にはなりますが、最終的にはやっぱり、海外の大きなフェスに出演できるアーティストになりたいです。自分が見てきた、ビヨンセさんやブルーノ・マーズさんが出ているようなステージに立ちたい。いつかそんな存在になれたらいいなと思います。