特別な1曲になるべくして生まれた曲

──そしてアルバム終盤では「僕らが描いた夢のその先に」「星降るフェアリーテイル」と畳みかけています。どちらも今のいれいすを余すところなく表現する“主題歌”感があって、非常にエモーショナルですよね。

初兎　うんうんうん。

ないこ　「僕らが描いた夢のその先に」はいれいす結成3周年記念楽曲としてHoneyWorksさんに書いていただいた楽曲で、「星降るフェアリーテイル」のほうはまふまふさんに書き下ろしていただいた武道館公演のテーマソング的な位置付けの楽曲ですね。おっしゃる通り、どちらもすごくいれいすっぽい曲なんじゃないかなと思います。

りうら　特に「僕らが描いた夢のその先に」は、“これまでの僕らの軌跡とその先”みたいなものを歌った歌詞になっていて。

-hotoke-　本当に僕らに寄り添った歌詞をHoneyWorksさんが書いてくださったんです。

If　HoneyWorksさんはこれまでにも何度か曲を書いてくださっているんですけど、そのたびにいれいすに寄り添った素敵な楽曲を作ってくださるので、その思いに応えようという気持ちで丁寧にレコーディングしました。

悠佑　HoneyWorksさんは本当にいれいすのことをわかってくれているなあと毎回思いますね。

りうら　だからこそレコーディングのときは本当にこれまでのことをいろいろ思い出しましたし、これから先もがんばろうという思いを込めて歌いました。

-hotoke-　この曲を歌っていると、「6人でここまで来たんだな……」という気持ちが高まってくるんです。その思いを噛み締めながら歌う瞬間が、個人的にはすごくエモいというか。ライブで歌うのも楽しみですね。

初兎　僕はこの歌い出しがすごく好きで……ゆうくん（悠佑）が歌割りしてくれたんですけど、これがメンバーの加入順になってるんですよ。歌詞の内容に沿った構成になっていて、それだけで心が熱くなりました。自然と感情が歌に乗ったような気がします。

悠佑　歌い出しは加入順で、それ以外の部分は「ここは絶対にこいつが歌うべき」「ここはこのペアに歌わせよう」とか、各メンバーの色が出るようにという意識で歌割りを考えていったんですけど……そういう作業を経たことで、この歌詞に込められたものがより理解できました。「これは特別な1曲になるべくして生まれた曲だ」という気持ちが、そこでより強くなりましたね。

──総じて、いれいすにとってどんな意味を持つアルバムになったと思いますか？

ないこ　本当にボリューミーでバラエティに富んでいて、これまで応援してくださっていたファンの方はもちろんですけど、初めていれいすを知る方にも自信を持って「聴いていただきたい」と思えるようなアルバムになりました。

──確かにこれを聴けばいれいすのすべてがわかる、“いれいす大百科”みたいなアルバムですよね。

ないこ　そうですね（笑）。いれいすが表現できるすべての音楽ジャンルが入っているような感じがします。

初兎　確かにけっこうすごいよね。マジでジャンルレスっていうか。

ないこ　そうだね。だからこそどんな音楽が好きな方でも1つは刺さるものがあるんじゃないかと思いますし、その1曲をきっかけに、今後ともいれいすの音楽を楽しんでいただければありがたいです！

特に理由はございません

──では最後に、来月に迫った武道館公演について聞かせてください。率直に現在の心境はいかがですか？（取材は1月上旬に実施）

りうら　結成当初から夢として掲げていた武道館という舞台に立てることは本当に念願と言いますか、率直にうれしいですね。

ないこ　日本武道館という舞台は、我々が最初に掲げた約束の場所ですから。

悠佑　“特別”っていう感覚がやっぱり強いですよね。結成当初からの一番の目標で、夢みたいな感じやったんで。きっとファンのみんなも観たいと思ってくれてるだろうと思いますし。

-hotoke-　今はとりあえず緊張が勝ってますね。毎日寝るときに本番をイメージしたりもしてるんですけど、そのたびに「うまくできるかなあ」って不安を感じていて……。

初兎　僕ももちろん緊張はすごいんですけど、楽しみな気持ちもけっこう強くて。普段はネット活動が主で、ファンの子たちに会える機会もなかなかないので、まずはみんなに会えるのが楽しみだなって。しかも今回は武道館ということで、すごい人数と一度に会えるわけですから。

If　うん、ただただ楽しみ。緊張はもちろんあるけど、自分ができる限りのことを尽くして臨みたいなという気持ちです。

──おっしゃったように武道館ライブは結成当初からの目標だったわけですけども、そもそもどうして武道館だったんですか？

ないこ　特に理由はございません。

悠佑　配信中に思いつきで言っただけっていう（笑）。

りうら　とりあえず名前が浮かんだ大きな会場、ってだけだよね。

ないこ　そうです。何か個人的な思い入れが武道館にあったわけではなくて、いろんなアーティストさんやバンドさんが目標に挙げがちな会場としてパッと思いついただけ、というのが始まりですね。それがどのくらい現実的なのか、非現実的なのかも全然考えてなかった。

──なるほど（笑）。じゃあ本当に絵に描いた餅みたいなものというか、“大きな夢”の象徴として武道館があったという。

ないこ　そうですね。おっしゃる通りです。

──そうなると余計に「まさか実現するとは」という感覚が強いんじゃないですか？

ないこ　当初は誰も想像できていなかったですね。僕も含めて（笑）。

If　そうそう。誰ひとり現実的なこととして考えていなかったというのが正直なところです。

ないこ　それがいつしか、僕らにとってもリスナーさんにとっても特別な意味を持つ目標地点に変わっていった。だからこそ当日は、あとにも先にもない特別なステージになります。一生に1回しか味わえないような伝説のライブにしたいですね。

初兎　集大成だもんね。最高の6人で最高のみんなと最高の思い出を作りたい！

悠佑　宝物みたいなライブにしたいと思っています。

ないこ　今回はライブビューイングもあるんですけど、普段は一切インターネット上のどこにも顔を出していない僕たちが、映像に顔を出してまで観ていただきたいと思って開催するライブなんです。僕たちいれいすのことを昔から応援してくださっている方も、最近知ってくださった方も、あるいはこのライブをきっかけに知ってくださる方も、あらゆる皆さんを絶対に満足させるライブにしますので、ぜひお越しください！