野音後のツアーで感じた成長
──そういった反省がつながったからなのか、4月のZepp Shinjuku(TOKYO)ワンマンではバンドメンバーと絡んだり、お客さんとコール&レスポンスしたりする場面が見られました。
すずめ 野音のあとにツアーがあって、そこから変わっていきました。
ライカ それまで私たちはぶっ通しでパフォーマンスすることが多くて、MCをちゃんと入れてこなかったんです。野音後のツアーからそこを変えるようにして、すずめがお客さんに振付のレクチャーをしたり、新しいことに挑戦し始めました。ツアーを通して成長するのが1つの目的だったので、Zepp Shinjukuでその成果を見せられたんじゃないかと感じています。
──すずめさんがMCや煽りの役割を多く担ってるんですか?
すずめ これまでフロアをガンガン煽るようなことはしていなかったんですけど、ツアーが始まり、私がMCや煽りを任されることが増えて、どういう言葉をどういう感じで伝えたらお客さんが盛り上がるんだろうとすごく考えました。ファンのみんなをもっと引っ張っていかなきゃという覚悟が芽生えたし、ファンの方から「すずめちゃん覚醒したね」と言われることも増えて。新しい武器を持てたというか、グループに貢献できているのがうれしいですね。
がるむ ツアーを通して、すずめちゃんが一番開花したと思います。もともと努力家でがんばり屋なんですけど、このかわいいキャラクターだからこそ、激しい煽りをするとお客さんがすごく乗ってきてくれるんです。同時に、このままだとすずめちゃんに全部任せっきりになってしまいそうなので、私も自分なりのグループでの在り方を見つけていきたいと思います。
──メンバーの成長がお互いにいい刺激になっているんですね。
カリヲリ ツアーを通して、1公演1公演に対して今まで以上に真剣に向き合ってますね。ライブの構成を考えたうえでMCや煽りにちゃんと意味を持たせることが大事だと、メンバー全員が意識している。ファンの方とのコミュニケーションを大切にできている気がします。
──ちなみに、ツアーの台湾公演はいかがでしたか?
イヴ すごく楽しかったです。言語が違うから、MCやライブ中のかけ声でどう話すかを調べて。正直不安もあったんですけど、ここ台湾だよね?と思うくらいめちゃくちゃお客さんがいました。何より感動したのが、日本でも聞いたことのないようレベルの大きい声で一緒に歌ってくれたことで、本当に泣きそうでした。
すずめ フリコピしている人もたくさんいたよね。
──大盛況だったんですね。
イヴ 特典会で現地の方が日本語でしゃべってくれて驚きました。
すずめ 感動したよね。
はのんまゆ やっぱり音楽は言語の壁を超えるんだなと感動したし、また行きたいなと思いました。
すずめ ライブ中、涙を流している人もいて。台湾以外の国にも行ってみたくなったし、いろんな国の人に愛されるグループになりたいです。
今のINUWASIがいいんだよ!
──「Shadows Core:World of Unreal」はINUWASIにとって初のシングル作品です。「Shadows Core」「World of Unreal」の2曲が収録されていますが、それぞれどのようなテーマで制作されたんでしょうか?
はのんまゆ 「Shadows Core」は、衣装も含めて和風テイストになっています。ここまで和のテイストを全開にした曲は初めてなんじゃないかな。
──和のテイストとエレクトロが融合していますね。
がるむ INUWASIの2024年のテーマである“和”をふんだんに盛り込んだ形ですね。イントロのテンポチェンジが個人的にめちゃめちゃ好きです。INUWASIの曲はテンポチェンジが多いイメージが強いので、いい意味で情緒不安定さが出ている(笑)。テンポチェンジをすることによっていろんな顔を見せられるし、聴いていて飽きないと思います。
カリヲリ テンポチェンジとか、エレクトロ×バンドサウンドの組み合わせとか、INUWASIらしさが全面に感じられます。それと同時に新しい一面も見せているし、ライブでの盛り上がりを想定して作られた曲なのでステージで歌うのが今から楽しみです。
イヴ デモを聴いたときから、「イントロから絶対クラップ入るでしょ!」と思いました。今のINUWASIのライブも楽しいし盛り上がるけど、「Shadows Core」がセットリストに入ったらもっと勢いが出るだろうなって。早くライブでお披露目したい!
すずめ 私のパートではないんですけど、「一か八かで 立ち向かおうぜ その先へ」「先陣切って舵取れ」という歌詞がめっちゃ好きです。今のINUWASIはいろんなものに立ち向かっている最中なので、この曲で勢いを付けたいです。
カリヲリ もう1曲の「World of Unreal」は、ミュージックビデオがセットになって初めて理解が追いつく楽曲だと思います。過去の自分たちを壊して、また次へ進んでいくという意味を込めていて。この曲もテンポチェンジしまくったり、今のINUWASIの特徴がサウンドにも表れています。
──過去の自分たちに決別する、みたいなテーマも?
すずめ はい。私は自分自身のことが嫌いだったんですけど、INUWASIでの活動を通して変わることができたと思っていて。楽曲やMVを通してその成長を感じられると思います。
ライカ 今回のシングルは今の私たちをぎゅっと詰め込んだ作品になっていると思っています。「World of Unreal」には切なさと壮大さが入り混じっていて。私たちは常に変わり続けなきゃいけないと思っているんですけど、この曲には「小さな力でも未来を変えていける」みたいなメッセージが込められていて、今のINUWASIにぴったりだと感じています。
カリヲリ MVではデビュー時のアー写の衣装で撮影したり、初期曲のMVを撮ったロケ地にみんなで行ったりして。昔と今を比べつつ、「過去のINUWASIもいいけど、今のINUWASIはもっといいんだよ!」ということを伝えられたらと思っています。
ライカ 結成時からこの6人で変わらず活動を続けてきたからこそ、そういうことが表現できるんだよね。
はのんまゆ 確かに。INUWASIの歴史が詰まったMVでもあると思います。
ずっと夢見てきたZepp DiverCity(TOKYO)へ
──8月13日にはZepp DiverCity(TOKYO)でバンドセットライブが開催されます。Zepp DiverCity(TOKYO)は以前から目標として掲げてきた会場だそうですが、ライブに向けての意気込みを聞かせてください。
カリヲリ Zepp DiverCityは、O-EASTやZepp Shinjukuをソールドアウトできたからこそ、自信を持って挑戦できる場所だと思っています。ファンの方とつかみ取った場所なので、すべてを背負ってステージに立ちます。INUWASIは言葉にしてきた目標を実際に叶えてきたグループなので、自分たちのことを信じて今回のワンマンも成功させたいです。
ライカ デビューのときからZepp DiverCityでのワンマンを目標に掲げていたんですけど、「本当に立てるのかな」という不安と、「絶対立ってやるぞ」という自信が半分ずつあったんです。でも、いろんなライブを経験させてもらう中で、「絶対に叶えたい」という思いが強くなっていって。ファンの方も「Zepp DiverCityに立っているINUWASIを見たい」と言ってくれているので、ライブに来てくれたみんなに「最高に楽しかった!」と思ってほしいし、「INUWASIについていけば間違いない」と確信させるパフォーマンスを見せたいです。
イヴ Zepp DiverCityワンマンの開催が発表されたとき、ファンの方たちがすごく喜んでくれたんです。本当にみんな楽しみにしてくれているので、その気持ちに応えたい。6人で力を合わせて、成功させたいです。
すずめ 私は今までワンマンのたびに「勝負のライブ」と言ってきたんですけど、今回のライブはさらに上に行くための通過点であり、今後の私たちが決まるライブだと思っています。対バンでは何度もZepp DiverCityのステージに立っているけど、ワンマンは初めてなので、悔いがないようにメンバー1人ひとり気持ちを強く持って挑みたいと思います。
はのんまゆ これまで私は親をライブに呼んだことがないんですよ。芸能関係にあまり理解のある家じゃないし、そもそもアイドルをやることに反対されていたから呼びづらくて。でも、Zepp DiverCityは有名な会場だし、「呼んでもいいかな」と思えるラインにやっと立てたなと感じています。Zeppに立てるアーティストさんは限られていると思うし、この機会を無駄にしたくないですね。この会場にふさわしい存在にならなきゃと思っています。
がるむ 自分の夢のためにがんばるのもすごく大切なことだなと思うんですけど、ほかの人のためにがんばるほうが、自分の力をより発揮できると私は思っていて。Zepp DiverCityという舞台は、事務所としてもずっと夢見てきた場所なんです。これまで立てなかった人たちの後悔とかも背負って、今の状況に感謝しながらライブに挑みたいです。
公演情報
INUWASI ONEMAN LIVE 2024〝狗鷲一閃〟
2024年8月13日(火)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
プロフィール
INUWASI(イヌワシ)
芸能プロダクション・MAPLE INC.に所属している、犬と鷲の融合“ハイブリッドラプター”をイメージした6人組アイドルユニット。2020年2月に黒い衣装を身にまとい、ハードコアの楽曲を歌うというスタイルで活動をスタートさせた。その後、作品の発表やワンマンライブの開催をコンスタントに続け、精力的な活動を展開。2023年2月に東京・LIQUIDROOMで初のバンドセットライブを行い、その後東京・渋谷CLUB QUATTRO、新宿BLAZEでのワンマンライブも成功させた。2023年10月に開催した東京・Spotify O-EAST公演にて、活動の“第1章”が完結し、“第2章”の幕が開けることを発表。2024年2月の東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)ワンマンを皮切りにバンドセットライブを軸にした活動を展開し、4月には東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)でもバンド編成のライブを行った。6月にグループ初のシングル「Shadows Core:World of Unreal」をリリース。8月に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)でワンマンライブを開催する。