音楽ナタリー Power Push - イナズマロック フェス 2015
T.M.Revolution
TAKUYA∞(UVERworld)
滋賀の“祭り”が魅せるもの
知名度の向上
──過去6回の開催を通じて、「イナズマロック フェス」が滋賀のイメージを向上させることに貢献できたと実感されたことってありますか。
西川 僕らがやってることなんて微々たるもんですけど、県外の方で「『イナズマ』聞いたことあります」「滋賀でやってるんですよね」って言ってくださる方が増えた気はします。
──県外での認知度も着実に上がってきてるんですね。
TAKUYA∞ 県内の「イナズマ」の知名度も上がってきてますよね。以前地元のマッサージ屋に行ったら待合室におじいさんやおばあさんがズラーッと座って待ってて、そこの先生が僕のことを知ってたからその人たちに「TAKUYA∞さんはすごい人なんですよ」って説明してくれたんですけど、みんなポカーンとしてて(笑)。その説明で「去年は京セラドームでもやってて」「日本武道館で」って言っても同じ感じだったんですけど「『イナズマロック フェス』にもたくさん出て」って話したらそこでいきなり「ああ!」って反応して。
──ははは(笑)。
TAKUYA∞ 「イナズマ」の話が出てから待合室に「ここにスターがいる」みたいな雰囲気が漂い始めたんです。そのとき「イナズマ」が地域に密着したイベントなんだなって改めて実感しました(笑)。
西川 うん。そういう人たちにもアプローチしていきたいとは思っていたから、TAKUYA∞くんから以前その話を聞かされたときはすごくうれしかったな。
──この年をきっかけに地元での認知度が上がった、みたいな回はありますか?
西川 前回TAKUYA∞くんが出てくれた5年目とかは、すごくいい節目だったと思いますね。地元の方は、最初は「面白そうやな」と思ってもちょっと引いて見ちゃうというか。すぐ行くのではなく、最初は少し様子見みたいな時間がやっぱりあって。5年目のときにはやっとそういう距離感が少し縮まった感じがしました。
「あったらいいな」をちょっとずつ実現
──イナズマの特色のひとつに、企画の豊富さがあると思います。
西川 例えば転換の時間をうまく楽しんでもらえる方法はないかって考えた結果、開催エリアが関西なので、芸人さんにネタをやってもらうとか。そんな感じで「ここにこれがあったらいいな」をちょっとずつ実現している感じです。
──TAKUYA∞さんのお気に入りのスポットは?
TAKUYA∞ 具体的にどこっていうよりも、全体的に好きですね。琵琶湖のほとりを歩くのとかすごくいいし、地元の名産物を食べながらステージを観たり、お客さんと同じスペースに行ったり。いろいろ楽しんでます。
──なるほど。西川さんはどんな完成イメージを持って「イナズマ」を主催しているんですか?
西川 完成形をイメージ……というより、毎年できることのベストを尽くしてます。そうすることで「次はもっとこうなったらええな」って発見がたくさん出てくるんですよね。その結果ちょっとずつ状況も変わってきてて、例えば「風神ステージ」っていう観覧無料のステージには「うちも出たいです」「出してください」って言ってくださる事務所やレーベルの方が増えてきました。あと「イナズマゲート」っていうオーディション企画の応募数も去年、今年とケタ違いに増えています。
TAKUYA∞ すごい。
西川 うん。毎年オーディションきっかけでデビューするアーティストも出てきてて、昨年のオーディション応募者がThinking Dogsっていうバンドとして今年デビューできたし。
──「イナズマ」内からどんどん新しいものが生まれていく。
西川 はい。だからもっとよくしていくことを考えられればいいし。それはさっき言ったみたいに「滋賀県知名度ワースト1」みたいなところだからこそ、いろんなことができるというか(笑)。「うちはこんなイメージがあるから」とかそんなこと何も気にしなくていいし、やっていって結果を出していくうちに滋賀を変えるみたいなことにもつながる。
TAKUYA∞ ワースト1っていうのも逆にいいですよね。なんか反骨精神が生まれる(笑)。
西川 な。いろんなことを変えていけば、それがモデルとなってひとつの地域、ひとつの国の変化の縮図みたいなことになるかもしれない。それを広げていけば、元気がない日本に対していろんなことができるんじゃないかなあなんて思ったりしています。だから完成形より、夢を持ってるっていう感じですね。
イナズマロック フェス 2015
2015年9月19日(土)滋賀県 烏丸半島芝生広場
<出演者>
- 雷神STAGE
- アーティスト:UVERworld / NMB48 / 倖田來未 / T.M.Revolution / Fear, and Loathing in Las Vegas / ももいろクローバーZ / 藍井エイル(オープニングアクト)
- パフォーマー:アンガールズ / ジャルジャル / スギちゃん / ダイノジ / U字工事
- 風神STAGE supported by Eggs
- 愛笑む / AKIRA / Gacharic Spin / SuG / Civilian Skunk / Thinking Dogs / SKY'S THE LIMIT / 杉恵ゆりか / THREE LIGHTS DOWN KINGS / and more
2015年9月20日(日)滋賀県 烏丸半島芝生広場
<出演者>
- 雷神STAGE
- アーティスト:[Alexandros] / UVERworld / AKB48 / キュウソネコカミ / 超特急 / T.M.Revolution / BACK-ON(オープニングアクト)
- パフォーマー:じゅんいちダビッドソン / 天竺鼠 / ニッチェ / ハマカーン / やしろ優
- 風神STAGE supported by Eggs
- ASH DA HERO / THE Hitch Lowke / THE HOOPERS / Signal / Doll☆Elements / NOISEMAKER / MAGIC OF LiFE / 武藤彩未 / 山猿 / and more
T.M.Revolution(ティーエムレボリューション)
1970年滋賀県生まれの西川貴教によるソロプロジェクト。1996年5月にシングル「独裁-monopolize-」でメジャーデビュー。キャッチーな楽曲と激しいライブパフォーマンスで人気を集め、「HIGH PRESSURE」「HOT LIMIT」「WHITE BREATH」などのヒット曲を連発する。2008年には「滋賀ふるさと観光大使」に任命され、翌2009年から滋賀県初となる大型野外ロックフェス「イナズマロック フェス」を毎年開催。ほかにも舞台やミュージカルなど幅広い分野にて精力的な活動を展開している。2013年には水樹奈々とのコラボシングル「Preserved Roses」「革命デュアリズム」を発表。2015年5月に通算10枚目となるオリジナルアルバム「天」を発売し、8月にはシングル「DOUBLE-DEAL」をリリースする。
- T.M.Revolution ニューシングル「DOUBLE-DEAL」
2015年8月5日発売 / EPICレコードジャパン - 完全生産限定盤A [CD2枚組] 1944円 / ESCL-4490~1
- 完全生産限定盤B [CD+DVD] 1620円 / ESCL-4492~3
UVERworld(ウーバーワールド)
滋賀出身で幼なじみのTAKUYA∞(Vo)と信人(B)らを中心に結成されたロックバンド。関西を中心に活動を続け、2004年末に上京。2005年7月にシングル「D-tecnoLife」でメジャーデビューを果たす。2008年11月には12thシングル「儚くも永久のカナシ」で初のオリコン週間ランキング1位を獲得し、同年12月には東京・日本武道館、大阪・大阪城ホール公演を成功させる。そして2010年11月に初の東京・東京ドーム公演を実施。一方で地元滋賀にある200人規模の会場での公演やZeppを中心としたライブハウスツアーも行っている。2014年にはサポートメンバーだった誠果(Manipulator, Sax)が正式メンバーとして加入し6人編成に。結成15周年とメジャーデビュー10周年を迎える2015年には7~9月、9~12月にそれぞれ全国ツアーを実施する。
- UVERworld ニューシングル「I LOVE THE WORLD」
2015年8月26日発売 / gr8!records - 初回限定盤 [CD+DVD] 1700円 / SRCL-8895~6
- 通常盤 [CD] 1300円 / SRCL-8897