「遙子だけこないな」と思っていたソロ曲
──今回のシングルにはカップリング曲として「voyage」という……。
菅野 来た!
──佐伯遙子さん初のソロ曲も収録されています。
佐々木 待望の、遙子のソロ曲です。星見プロのほかのみんなはソロ曲やデュエット曲を出していて、「遙子だけこないな……」と思っていたら、最後に。
菅野 やっぱ遙子さんはトリなのよ。大トリよ。
佐々木 ありがたいことに。実は「Gemstones」のカップリング曲ということで「voyage」も麻奈ちゃんに関わりがある曲なんです。この曲についてお話したい設定がたくさんあるんですけど、まだ公にされてなくて。今は、考察や想像をしながら楽しんで聴いてください!
──作詞は「Gemstones」と同じくPA-NONさんで、作編曲は増田武史さんですね。
菅野 遙子さんって、どこか昭和アイドルを彷彿とさせるというか。カチューシャとか髪型だったり、実年齢は20歳なのに「17歳」と言ったりしているところがめっちゃ好きで。サニピのみんなとも「いつか遙子さんのソロ曲が出るなら、80年代アイドルソングっぽい曲がいい」「フリフリの衣装でキュピッてしてる遙子さん、めっちゃ見たい!」と話していたんですけど、まさに理想とする楽曲が……もう、最高!
佐々木 実際、あの時代のアイドルの曲というのが、制作チームのこだわりポイントらしくて。例えばサビのボーカルは、ダブリングっていうんですか? あの、被せ録りをしているんですよ。当時のアイドルソングのサビはよくそういう処理をしていたと、スタッフさんがすごい熱量で語っていました。
橘・菅野 へええ。
佐々木 歌詞で私が特に好きなのは、2番Bメロの「先を行く背中を見送ると とめどなく 胸が痛むのは 逃げ出さないで 前を ちゃんと 見てるからでしょ?」で。遙子の立場に立つと、麻奈ちゃんとの差が開く一方でつらいけど、麻奈ちゃんの背中が見えているということは、自分もアイドルの道を歩んでいるということだから……。
橘 いろいろと想像が膨らむよね!
佐々木 遙子はアイドルだけど、聴いてくださる皆さんは会社員だったり学生だったり、いろんな立場の方がいると思うんです。でも、特にこのシングルがリリースされる5月頃って、新生活が始まって少し経って、不安になったりすることも多いんじゃないかなって。そういうときに「ちゃんと 進んでいるよ」と優しく励ましてくれる曲です。
菅野 しかも「先に行ける 遙か彼方 きっと行ける」という歌詞の「遙か」って、遙子さんの「遙」じゃん。これ絶対狙ってやってるよね?
佐々木 やってるやってる。
フリフリの衣装で歌ってほしい
──先ほどダブリングの話が出ましたが、ソロ曲ということで、ボーカル録りそのものがグループでのそれとは違ったのでは?
佐々木 違いましたね。例えばサニピの5人で歌う曲は、さっき歌割りが細かいという話もありましたけど、1曲の中の自分のパートを担当する感じなんです。でも、ソロの場合はAメロからBメロ、サビに至るまで、1曲を通した感情の流れを意識しました。その流れの中で、自分としては最後のサビの直前、「どんな高い波でも ちゃんと 越えられるから」という部分が若干暗すぎたと思って。「録り直しませんか?」と提案したんですけど、「むしろラスサビとメリハリが付いていい」と。
菅野 盛り上がる前に、いったん沈むのがいいんだよ。うん、超いい。
佐々木 ならよかった(笑)。こういう80年代アイドルソング的な曲って「アイプラ」でも初だから、「Gemstones」と同じく新鮮でした。
菅野 さっきも言ったけど、ライブではフリフリの衣装で、カチューシャも付けて歌ってほしい。
橘 私もフリフリの遙子さん、見たいなあ。
佐々木 本人NGが出るかも(笑)。あと「voyage」はメッセージ的にも、ゆっくりでもいいから前に進もうみたいなところで「Gemstones」と通じていると思うので、こじらせ気味な琴乃ちゃんにもオススメ。
橘 「逃げ出さないで 前を ちゃんと 見てるからでしょ?」という歌詞は、本当に救われます。この道でいいんだ、みたいな。
菅野 私は勝手に、美來ちゃんには自信家というイメージを抱いていて……いや、もちろんそれは努力に裏打ちされた自信で、実際に努力している姿を間近で見てきたんだけど、とにかく自分に自信がある子だと思っていたんです。でも、意外と内省的な一面もあるというのが新たな発見でした。けっこう長い付き合いになるのに。
橘 最初の頃は、隠してた(笑)。琴乃というキャラを背負うからには、しっかりしないといけないと思って。
佐々木 初対面のときはクールというか、ピリッとしてね。
菅野 本当に琴乃ちゃんみたいなことをいつも言う。
──初期の琴乃って、だいぶ尖っていましたよね? 「アイドルをナメないで」とか言ったり。
橘 そこまで私は言っていないはず(笑)。でも、言ってたらごめんね。
菅野 いやいや。美來ちゃんは琴乃ちゃんみたいにカッコいい子というイメージがあったので、それだけじゃない、人間味あふれる部分があるというのを知れてうれしいです。
地方のマネージャーさんに、こちらから会いに行きたい
──佐々木さんがフリフリの衣装を着るかどうかはさておき、7月15、16日に「LAWSON presents IDOLY PRIDE VENUS PARTY The First」という、楽しげなタイトルのライブがありますね。
佐々木 「VENUS PARTY」だからね。
菅野 華やかなライブにしたいですし、初めての2DAYSというのが、演者としてはちょっとドキドキです。体力持つのかな?
佐々木 いや、1日2公演だと朝早くリハをゴリゴリやって、昼と夜の公演だから実質1日3ステージじゃない? でも今度は1日にリハと本番の2回でしょ。しかも2日目はリハをやらなかったりするから、私は2DAYSめっちゃうれしいです。
菅野 本当? でも筋肉痛が次の日に来たりするから。
橘 昼夜2公演だと、筋肉痛が来る前に夜のステージもできる。
菅野 そうそう。2DAYSだと、次の日に疲れが残ったりしないかな?
佐々木 2月のライブから個々のソロ曲やデュエット曲をやりだして、楽屋がすっごいバタバタしてたじゃない。私はソロ曲がなかったからけっこう優雅に過ごしていたけど、みんな「衣装、これに着替えて!」「違う! この髪飾りじゃない!」って本当に大変そうで。
菅野 でもほら、今回のシングルで「voyage」が入ったよ。
佐々木 それでも衣装替えのバタバタを1日2回やるよりは、2DAYSで1日1回ずつに分けたほうが楽じゃない? いや、楽は言いすぎだけど、私は2DAYSのほうがセットも長めにできるんじゃないかと期待してもいて。お客さんも1日で楽しめる分量が増えるんじゃないかな。
菅野 そうか。それに初日か2日目、どっちかなら行けるというマネージャーさんもいるだろうし、よりたくさんのマネージャーさんに会えるかもしれないという意味では、2DAYSめっちゃ楽しみになってきた。いずれにしろ「気を引き締めてがんばろう!」ですね。
──「この人たち、ずっと裏側の話してるな」と思って聞いていたんですが、いい感じに話が転がり始めてよかったです。
菅野 失礼しました(笑)。
橘 今回の会場は幕張イベントホールなんですけど、初めて「IDOLY PRIDE」の単独イベント(2020年11月に開催された「IDOLY PRIDE - VENUS STAGE / RE:BEGINNING -」)を行ったのも幕張なんです。なので「帰ってきた!」みたいな。
菅野・佐々木 確かにー!
橘 そのイベントは初期も初期の、まだアニメも放送していないときにやったので、そこから私たちがどれだけ成長したか、マネージャーさんたちにお見せしないと。
佐々木 しかも幕張は花道があって……7月のライブでもあるのかな? あったら絶対に歩きたいんですけど、私は花道を歩いているときに自分の友達を見つけることができて。
橘・菅野 (笑)。
佐々木 それぐらいお客さんの顔がよく見えるんですよ。逆に言えば、お客さんからもよく見えているということだし、その距離で声出しもできたら、間違いなく楽しい。
菅野 サニピとしては、タオルをブンブン振り回したいなあ。「サマー♡ホリデイ」という楽曲があって、北川さんが「この曲はビーチリゾートみたいなところで歌ってるイメージで作った」とおっしゃっていたので。ちょうど夏だし、熱いライブにしたいですね。
橘 私も幕張でたくさんのマネージャーさんに会えるのがすごく楽しみなんですけど、欲を言えば地方のマネージャーさんに、こちらから会いに行きたい。
佐々木 それってつまり、全国ツアー的な?
菅野 やりたい! 全国のマネージャーさんに会いたい!
佐々木 今まで東京と横浜でしかライブをやってないからね。私は大阪出身なので、関西のほうにも行ってみたいなあ。
菅野 もっと欲を出していいなら、海外でもライブをしてみたい。「アイプラ」には本当にいろんなタイプの楽曲があるし、いろんな国の人たちに好きになってもらえるはず。
佐々木 やりたいことを言っていいなら、私はシャッフルがやりたいです。サニピではできないような、ダークな曲を歌ってみたい。
──具体的には?
佐々木 LizNoirの曲。
菅野 私も! リズノワめっちゃカッコいい。
橘 私はⅢXの曲を歌ってみたい。カッコよすぎてできる自信はないけど、言うだけならタダなので。
佐々木 言っとこう言っとこう。
菅野 ライブでトロッコに乗ってみたい。
橘・佐々木 乗りたーい!
菅野 以前、スフィアさんの全曲ライブ(2019年2月に開催された「LAWSON presents Sphere 10th anniversary Live 2020 “スフィアだよ!全曲集合!!”」)を観たとき、皆さんがトロッコに乗って客席のすぐそばまで来てくださったのがすごくうれしくて。いつか「アイプラ」でも、トロッコでマネージャーさんたちの近くまで行きたい。
──幕張はトロッコ出せますよね。
佐々木 出してもらえますかね? トロッコじゃなくても自分で走りますよ。
橘・菅野 (笑)。
──あるいは台車とかなら、会場に必ずあるでしょうし。
菅野 2人1組で(笑)。
佐々木 やっていいなら全然やりますよ!
※記事初出時より本文を一部変更しました。
ライブ情報
LAWSON presents IDOLY PRIDE VENUS PARTY The First
- 2023年7月15日(土)千葉県 幕張メッセ 幕張イベントホール
- 2023年7月16日(日)千葉県 幕張メッセ 幕張イベントホール
プロフィール
橘美來(タチバナミライ)
2017年に開催された「第3回ミュージックレインスーパー声優オーディション」に合格。メディアミックスプロジェクト「IDOLY PRIDE」の長瀬琴乃役で初のメインキャラクターを演じる。
3期生-ミュージックレインSTAFF (@3rdMR_staff) | Twitter
菅野真衣(カンノマイ)
2019年よりマウスプロモーションに所属。主な出演作にメディアミックスプロジェクト「IDOLY PRIDE」の川咲さくら役、デジタルコミック「こっちむいて!みい子」のみい子役、韓国ドラマ「わかっていても」のソ・ジワン役など。
菅野真衣(かんの まい) (@_m_aaii) | Twitter
佐々木奈緒(ササキナオ)
2019年より81プロデュースに所属。主な出演作にメディアミックスプロジェクト「IDOLY PRIDE」の佐伯遙子役、デジタルコミック「この俺が、マグロ女子とのセックスなんかに溺れるワケがない。」の小鳥遊椿役など。