アイドルネッサンスでデトックス
竹中 こういう概念の話とかばっかりじゃなくてさ(笑)、シンプルに好きな曲とか言い合おう!
日笠 いっぱいあるよ。みんなの場合はコラボした思い出の曲とかもあるだろうし。
コショージ Maison book girlは「トラベラーズ・ハイ」を一緒に歌いました。私と和田がアイルネさんに入って、(新井)乃亜ちゃんとなっこちゃん(比嘉奈菜子)がブクガに入って。
和田 2人ずつ入れ替わりで。
コショージ それで歌ったんですけど……これ(間奏でメンバーが肩に手を乗せ一列になるダンス)があるじゃないですか。もう、イヒヒ(笑)。「これに入っていいの!?」みたいな(笑)。和田はわかんないですけど、私は本当にダンスができないので、レッスンのときに皆さんが心配そうに教えてくださって。本番もわざわざ後ろを振り返って私にアイコンタクトしてくれて。
一同 わー!
コショージ 和田は緊張しすぎてずっと前しか向いてなかった(笑)。
和田 だって、アイドルネッサンスさんのライブですよ。ヘマはできないじゃないですか。
寺嶋 私は「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」を一緒にやらせてもらいました。ツーマンの最後に全員で(参照:バンド、猫耳、ゆるキャラ!大盛況のアイドルネッサンス主催ツーマン)。
竹中 あのライブは由芙ちゃんがセトリ考えたんだよね?
寺嶋 全部じゃないんですけど「これをやってほしいです」と案を出させてもらって、その頃あまりやってなかった曲とかをわざわざ引っ張り出してもらいました。
竹中 ファンの人たちみんな「ゆっふぃーありがとう」って言ってたよね。
寺嶋 ダンスバトルで二手に分かれるところは、私が真ん中に立たせてもらって「ゆっふぃーさんは先生役で」って……。
一同 キャー!
寺嶋 どっちも観れるし、みんなこっち向いてやってくれるし、しかもそのあと肩を組む振り付けもあるから「私、肩組んでる……」と思って。なんか青春でした。バスケ部の気持ちでした。私は学生時代にそうやって肩を組んでみんなでスポーツをやるような経験がなかったし、アイドルになってからも肩を組んで目を合わせるなんてやってなかったから、なんてことだと。職権乱用でしたね。あと、私はカッコいいアイルネちゃんも好きなんですけど、年相応、もしかしたら実際よりもっと下の子供っぽいところも好きだから、ゆるキャラの被り物をそれぞれしてもらって……。
コショージ あーっ! 観ましたその写真!
寺嶋 私の「ゆるキャラ舞踏会」という曲でゆるキャラになってもらって。無邪気に被ってるのがすごくかわいかったし、理子ちゃんとか本当に照れてて、お年頃的に嫌かもしれないと思いながらも「被ってください」とお願いしました。すずちゃん(原田珠々華)とかはノリノリで被ってくれたり、人それぞれのリアクションが面白くて。でもやっぱり理子ちゃんのなんとも言えない表情がたまらなかったですね。
竹中 言われたのが由芙ちゃんだから被ったんだと思うよ。よくわかんないおじさんに被れと言われたんじゃないからさ。感謝してる人はいっぱいいるよ。
日笠 その恩恵を私たちはあやかっています(寺嶋を拝む仕草)。
森 私は「17才」を一緒にやりました。私1人とルネで。リリスクとアプガと対バンがあって、ルネがオープニングアクトだったんです(参照:「6MIC7SOUL」はコラボ祭!アプガ、リリスク、アイルネが再び乱舞)。私の場合は「コラボさせてもらえる!」と言うよりは「よっしゃ負けねえぞ」みたいな(笑)。衣装もルネちゃんの前の衣装を借りて、すごくピッチピチだったんですけど「どやっ」みたいな感じで。
minan 私の好きな曲は……流れ的にコラボした「The Cut」の話のほうがいいですか?
竹中 大丈夫。単純に好きな曲でいいよ。
minan 「The Cut」もコラボさせてもらってうれしかったし、落ちサビのところ、理子ちゃんと一緒に歌って、すずちゃんにハモりを入れてもらった時点で死んでもいいぐらいなんですけど(笑)、好きな曲は「太陽と心臓」です。近鉄パッセの屋上で一緒にリリースイベントをやったことがあって、そのときに歌ってたんです。「心配ないよ 空に太陽 からだには心臓があれば 生きてゆけるだろう」という歌詞をルネちゃんたちが歌うと、びっくりするぐらい矢のようにグサグサと突き刺さってきて。生きていると嫌なこともあるけど、そのルネちゃんの歌声を聴いて救われたような気持ちになったんです。「なんでこんなに明るいパワーが出せるんだろう」という、その感動が忘れられなくて。こんなに歌が刺さったのはそのときが初めてで。ただただ泣くしかできなくて、デトックスみたいな。
寺嶋 デトックス感はすごくわかる! 体がきれいになっていくみたいな。
竹中 ツルン!って。ちょっと火照って帰る。オリーブスパ。
一同 あはははは!(笑)
日笠 アイドルネッサンスとはオリーブスパである(笑)。でもわかるんだよなー。
和田 どの曲を聴いても熱意が一挙手一投足から伝わってきて。すごい子たちですよ、本当に。誰目線だって感じですけど(笑)。
ずっと決まらない前髪
日笠 私はいっぱいありすぎて……うーん、でも「シルエット」かな。「シルエット」の中で本当に好きなところがあって。アウトロで人差し指を立てて腕を回す振り付けのとき、こよちゃん(百岡古宵)が「ありがとーーーーーう!」ってここまで(腕を1周回す間)ずっと伸ばすんですよ。
一同 あー!!
日笠 あそこが本当に好きで。伸ばすときと伸ばさないときがあるんだけど、「絶対ここは伸ばしてほしい!」と思うときに必ず伸ばしてくれるの。勝負のライブみたいなときとか、こっちが感情高ぶりすぎて号泣しながら観てるときは絶対最後まで伸ばしてくれるから、本当にありがとうって思ってる。
竹中 「こちらこそーーーーー!」(腕を回しながら)って。
日笠 解散ライブは「シルエット」がセトリの中盤に来てしまったんですよ。終盤に置かれることが多い曲だから、「こんなところで来ちゃったんだ。もうこの子たちの『シルエット』を生で聴けることはないのか……えっ、これが最後!? 今? ここ!?」って曲中にパニックを起こしてしまって(笑)。発作みたいになっちゃって全然ちゃんと観れてなくて、薄れゆく意識の中で「でも絶対にこよちゃんは『ありがとーーーーーーう』を1周ぐるっと言い続けてくれるから、意地でも目に焼き付けてやる!」と思ってそこだけ必死に観た、というのが私のラストシーンです(笑)。
竹中 どのグループもそうだけど、アイルネちゃんは特にセトリの組み方に誠意があると言うか。「シルエット」の位置で今日はどういうつもりで行くんだなとわかるんですよ。けっこう「シルエット」の場所次第みたいなところがある。
日笠 1曲目が「17才」とかラストが「シルエット」だったりすると「よし、じゃあこっちもそのつもりで行くか」みたいな。
竹中 じゃあ最後に私がこれを。「前髪」です。
一同 ああー!
竹中 私は「前髪」の中に、この世の万物の振り付けの中でも最高に大好きな振り付けがあって。一瞬なんだけど、「文集に載せた将来の夢は 急いで作ったおもちゃみたい」の「おもちゃみたい」の瞬間に、ちょっとだけスカートを上げる瞬間。あの振り付けが死ぬほど好きで! 死ぬほど好きで! ホンットに。いい振り付けの定義とかわかんないけど……この曲のこの節には絶対これ以外考えられない、奇跡みたいなハマり方をする振り付けがときどきあって。歌詞にリンクさせるのって、寄せすぎるとそれはそれで違うんですよ。かわいいベタなアイドル曲のときはわざとすっごい寄せたりするけど、アイルネちゃんの振り付けはそこのスレスレのラインで、バランス感覚が素晴らしいなといつも思っていて。あのスカートを広げる振り付けは一瞬で、一見意味がわからないけど、ダイレクトじゃないから逆にすごく考えるし、その余地の与え方が絶妙なんですよ。まあ「前髪」はそこ以外もね。
寺嶋 あの曲を聴けばアイドルネッサンスがなんだったのか見えてくる。
竹中 そう! 解散してからずっと動画とかも観れなかったけど、「前髪」だけを聴いてた。1カ月ぐらい。「前髪」だけを延々聴いて答え合わせをしていて。「アイドルネッサンスとは」って。
日笠 「歯の矯正つらかったけど」のところとかさ、すごく変態的なんだけど……あれだよね。
寺嶋 「そうだよね……矯正してよかったよね……こよちゃん!」って。
日笠 「決まらない前髪を」……決まらないんですよ。
竹中 決まらない。ずっと決まらないのよ。ずっとね。
寺嶋 メンバーごとに「この曲のここ!」みたいな見せ場があって、特にセンターが決まってなくても、この曲はこの子のイメージみたいなのがあるんですよね。その曲になったときの、その子の「ハッ」という表情。「私の番!」という顔が本当にたまらなくて。「そうだよ! 君だよ!」って。理子ちゃんがボーカルでメインとして立つことが多いけど、それぞれのメンバーに輝きどころがあるから「この曲ではこの子を見なきゃ!」と思っていると、いつの間にか“箱推し”になるんですよ。
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解散ってなんだろうね
- アイドルネッサンス「アイドルネッサンス」
- 2018年5月4日発売 / T-Palette Records
-
[2CD+Blu-ray]
8640円
TPRC-0206~7 / TPRB-0007
- 収録曲(※カッコ内はオリジナルアーティスト)
- DISC 1
-
- 17才(Base Ball Bear)
- どかーん(真心ブラザーズ)
- 太陽と心臓(東京スカパラダイスオーケストラ)
- 初恋(村下孝蔵)
- YOU(大江千里)
- 恋する感覚(Base Ball Bear -feat. 花澤香菜-)
- Good day Sunshine(SAWA)
- ドカン行進曲(己編)(THEイナズマ戦隊)
- 不景気(ピチカート・ファイヴ)
- エアプレイン(ピチカート・ファイヴ)
- 夏の決心(大江千里)
- Happy Endで始めよう(大滝詠一)
- Dear, Summer Friend(真心ブラザーズ)
- タイム・トラベル(原田真二)
- Lucky(スーパーカー)
- 雪が降る町(ユニコーン)
- ガリレオのショーケース(UNISON SQUARE GARDEN)
- Funny Bunny(the pillows)
- Music Lovers(THE JERRY LEE PHANTOM)
- DISC 2
-
- シルエット(KANA-BOON)
- ベステンダンク(高野寛)
- あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう(岡村靖幸)
- STILL LOVE HER(失われた風景)(TM NETWORK)
- 金曜日のおはよう(HoneyWorks)
- Yeah! Yeah! Yeah!(androp)
- どかーん[2016Ver. ](真心ブラザーズ)
- 君の知らない物語(supercell)
- 夏が来た!(渡辺美里)
- トラベラーズ・ハイ(スキマスイッチ)
- The Cut(Base Ball Bear -feat. RHYMESTER-)
- Raspberry(TRICERATOPS)
- 君の街まで(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
- う、ふ、ふ、ふ、(EPO)
- 6AM(堂島孝平)
- ホーリー&ブライト(ゴダイゴ)
- changes(Base Ball Bear)
- Blu-ray Disc
-
『ヨコハマで感謝するネッサンス!!』ライブ映像(約155分)
- ミラクルをキミとおこしたいんです
- 夏の決心
- Blue Love Letter
- Good day Sunshine
- 6AM
- 太陽と心臓
- 手を打ち鳴らせ!!
- The Cut
- あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
- 交感ノート
- 若者のすべて
- 5センチメンタル
- 愛はおしゃれじゃない
- 金曜日のおはよう
- トラベラーズ・ハイ
- シルエット
- Funny Bunny
- changes
- 恋する感覚
- Music Lovers
- YOU
- 前髪
- 17才
<アンコール>
- 17才
- ブックレット内コンテンツ(全36P)
-
- 「アイドルネッサンスライナーノーツ」2万字超 文:大坪ケムタ(ライター)
-総勢18名のスタッフ、関係者、アイドルによる証言を元に振り返るアイドルネッサンスの3年8カ月- - 「収録全楽曲解説」1万時超
文:アイドルネッサンス ディレクター 照井紀臣(ソニー・ミュージックアーティスツ)
-アイドルネッサンスディレクターによる、収録されている35曲の解説-
- 「アイドルネッサンスライナーノーツ」2万字超 文:大坪ケムタ(ライター)
- アイドルネッサンス
- ソニー・ミュージックアーティスツ設立40周年を機に立ち上げた初のアイドルプロジェクトとして2014年1月に始動。候補生13名でスタートし、同年5月より宮本茉凜、百岡古宵、石野理子、南端まいな、比嘉奈菜子、新井乃亜、橋本佳奈の7名が正式メンバーとなった。古今の名曲を独自の歌とダンスで表現する“名曲ルネッサンス”をテーマに活動し、同年7月にはBase Ball Bearのカバー「17才」、11月には東京スカパラダイスオーケストラと村下孝蔵のカバー「太陽と心臓 / 初恋」を自主制作シングルとしてリリース。12月よりタワーレコードのアイドル専門レーベルT-Palette Recordsに所属し、2015年3月に初の全国流通盤となるシングル「YOU」を発表した。同年9月に橋本がグループを卒業し6人体制に。2016年3月に1stアルバム「アワー・ソングス」をリリースしたあと、6月には野本ゆめか、原田珠々華の2名が新メンバーとして加わった。2017年8月、小出祐介(Base Ball Bear)が手がけるグループ初のオリジナルソング4曲を収録したミニアルバム「前髪がゆれる」を発表。さらなる飛躍が期待される中、2018年2月に解散した。結成4周年となる5月、過去に発表された全曲の音源と2月のラストライブ映像を収めた最後の作品「アイドルネッサンス」をリリース。