HYDE|自分だけの武器を手に 価値観を更新していく

ジェジュンはちょっとHYDEっぽく歌いすぎかもね(笑)

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──話は少し変わりますが、先日ジェジュンさんの曲「BREAKING DAWN」をプロデュースされましたよね。男性アーティストをプロデュースされるのは珍しい気がしました。

そうですね。

──非常にメロディアスで、歌詞もキラキラしていて、HYDEさん名義の楽曲とのギャップが印象的です。

もともと曲のアイデアはあって、さらにポップなサウンドだったんです。でも、いい曲だけど今の自分のテンションには合わないから出しどころがなくて困っていて。そんなときにジェジュンからオファーがあって、彼が歌えばちょうどいいんじゃないかな?と。彼は歌がうまいし、僕をリスペクトしてくれているから、「もしよかったらジェジュン用にアレンジするよ」と伝えて渡したんです。そうしたら気に入ってくれたので、彼が歌ったときにカッコいい状態にしたいと思って仕上げました。

──プロデューサーとしての視点から見たジェジュンさんの魅力はどんなところでしょうか?

歌がうまいこと。あとは仕事に対してすごく真面目だし、努力家だし、リスペクトもしてくれる。ファンが好きになるのはしょうがないよね。いわゆる王子様みたいなキャラだなと。ちょっと非の打ちどころがないくらい。アニメ「NOBLESSE -ノブレス-」のオープニングテーマとして「仲間を守る」ことを歌った曲にしてほしいというオファーはあったけど、ジェジュンのキャラクターを踏まえて彼が歌うならファンを守るような曲にしようと思って歌詞を書きました。「ジェジュンのファンはキュンキュンするだろうな」って思いながら書くのはすごく楽しかったですね。僕の曲では出せないストレートな言葉ばかりだったし。

──プロデュース曲だからこそ書けたフレーズがある?

はい。例えば「君の涙はI hate」とか自分の曲では使わないけど、キュンとするだろうなって思って。とにかくジェジュンのファンをキュンとさせたかったんです。いい曲になったなと思うけど、彼はちょっとHYDEっぽく歌いすぎかもね(笑)。

歳を重ねた今だからできる

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──12月からアコースティックツアー「HYDE LIVE 2020-2021 ANTI WIRE」が控えています。

アコースティックライブは走り回るわけでもないし、バンドメンバーと一定の距離を置きながら演奏することができるし、全国どこでもできるなと思ったんです。9月の「Jekyll & Hyde」の時点では都内の人は基本的に東京から出ちゃダメと言われていたので、東京の人に限定していたけど、今は国内なら移動できるから。

──ホール会場があるというのも特徴で。VAMPS時代からツアーの舞台は基本的にはライブハウスでしたよね。

これまではホールでのライブって僕の求めるロックのイメージがなかったからソロではやってこなかったんですけど、この状況下ならばホールライブもありだと思って。会場も使用料だったり設営費だったりをディスカウントしてくれたりと協力してくれてなんとか実現できます。ライブをやることによって少しは経済が回るし僕らのスタッフもそこで生かされます。だんだんお客さんを入れてのライブも増えてきたから、その分、アーティストはでたらめなことはやらないでほしい。お客さんの至近距離で歌ったり、握手をしたり、コロナに感染するリスクが高いライブは、真面目に対策をしている側に迷惑がかかるので絶対にやめてほしい。

──そういった接触を伴うパフォーマンスはかつて当たり前でしたが、今は安全を考えるとできない。

そうですね。もちろん早く今まで通りのライブができるようにしたいけど、別の方向を模索するしかないよね。今回のツアーは、映画でいう「Episode.0(エピソードゼロ)」っていう設定です。この「Episode.0(エピソードゼロ)」から物語は始まり、「Episode.1」となる“ANTI”につながっていく。ここから僕たちは始まったんだ、というのが今回のツアー。つまり“ANTI WIRE”は、僕の世界観の始まりの物語なんです。“ANTI WIRE”は、アンプラグドと同じで、“アンチワイヤー=コードレス”という意味です。そして、今回のライブでファンの人たちに感じてもらいたいのは、アコースティックだからって静かな曲ばっかりじゃなく、ここまで騒げるんだ、というところ。たぶん、ほかのアコースティックライブではこんなに騒げないと思うから、“騒げるアコースティック”、そこを観て、体感してほしいですね。あえて着席して観てもらうことを選んだので、これまでスタンディングで来れなかった人にもお勧めします。

──少し気が早いですが、来年はソロ20周年、L'Arc-en-Cielは結成30周年と大きな節目を迎えます。

アニバーサリーイヤーではあるんですけど、こんな状況なので通常の感じは難しいけどライブ以外の活動はできるので、コロナの期間中に作ってきた曲をどんどん世に出していけたらと思ってます。配信なのかCDなのかは決まってないですが、コンスタントにリリースして次のアルバムにつなげられるようにしたい。L'Arc-en-Cielもそうですね。コロナさえなければ、本当によかったんですけど……今はいろんなことの予定を調整中です。

──1つのことを20年、30年続けるのは、やはり並大抵のことではないと思うんです。HYDEさんがキャリアを重ねたことでよかったと思うことはありますか?

僕はすごく成長が遅いので、今になってわかることがけっこう多いんです。歌に関しても、最近になって自分の可能性を発見したり。20代の頃は苦手なものは苦手なままで、別に追求しようと思わなかった。でも、今なら苦手なものは練習したら克服できる。この歳になっても研究しているから今のほうが昔より歌はうまくなってると自負してます。今だからこそいろいろできるという気持ちはある。それと、僕は若い頃に稼いだから、これからは好きなことをやっていきたいんです。だって、売れることだけを考えたら「LET IT OUT」みたいなシングル出さないですよ(笑)。売れたいなら今っぽさを意識しながら自分なりにやると思うけど、今のHYDEとしてはそんな曲に興味はないからね。

──そういった発想もキャリアを重ねたからこそだと。

そうですね。今は余生のようなものですから、もう自由にやっていこうと思ってます。

ツアー情報

HYDE LIVE 2020-2021 ANTI WIRE
  • 2020年12月26日(土)神奈川県 ぴあアリーナMM
  • 2020年12月27日(日)神奈川県 ぴあアリーナMM
  • 2021年1月9日(土)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
  • 2021年1月10日(日)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
  • 2021年1月16日(土)大阪府 大阪城ホール
  • 2021年1月17日(日)大阪府 大阪城ホール
  • 2021年1月24日(日)宮城県 トークネットホール仙台
  • 2021年1月30日(土)東京都 東京国際フォーラム ホールA
  • 2021年1月31日(日)東京都 東京国際フォーラム ホールA
  • 2021年2月7日(日)福岡県 福岡市民会館 大ホール
  • 2021年2月13日(土)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
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