HOTSQUALL|18年目に鳴らすハッピーなパンクロック

パンクロックでハッピーになりたい

──アルバムの話に戻りますが、テーマとして“ライブを加速させるようなもの”のほかに“ハッピーなもの”も上がっていたかと思います。ハッピーをテーマに曲を作っていくのって難しそうな気がするんですよね。実際、なかなか毎日ハッピーではいられないですし。

チフネシンゴ(G, Vo)

チフネ ああ。最初っからハッピーなわけじゃないの。ハッピーをつかみ取ろうとしてるって言うか。その過程にいる人ってすごく力強いはずなんだよね。そこに向かっていく熱量がなきゃダメだし。そんなことを思ってたら「With The Burning Heart」って曲ができて。さっきの話とも通じるんだけど、俺らの思うハッピーって、とにかくすさまじい熱量にあふれている状態を言うんですよね。あっけらかんとしたハッピーって俺ら似合わないから。

ドウメン うんうん。

チフネ 俺はパンクロックでハッピーになりたいっていう気持ちがすごく強いんだよね。長くバンドをやってると、悔しいことや寂しいこととかいっぱいあってさ、そういうエモさって、あえて曲に入れなくてもにじみ出てくるようになるんだよね。それらを消化したうえでハッピーになろうと。

HOTSQUALL

アカマ ハッピーをテーマにした曲作りはすごい楽しかったんですよ。「この感情をどうハッピーにしていこう?」って考えて作っていくの。例えば「No Fun」だったら「なんかムカつくな、俺ずーっとイライラしてるんだよね」みたいな気持ちを、どうハッピーに持っていくか?って考えた結果、「No Fun!」って言ってみんなに叫ばしたらどうだろう? ちょっとキュートなメロディにしたらどうだろう?とか。で、実際に歌ってるうちにハッピーになってくるんだよね。だからいいことも悪いことも、そこに熱量があれば、HOTSQUALLという蛇口を通せばハッピーにできるっていうことを感じた。

バラードが歌えるボーカルに

──ではそんなハッピーなアルバムの中から、それぞれの印象的な曲や好きな曲を教えてください。

ドウメンヨウヘイ(Dr, Cho)

ドウメン 僕は1曲目の「Daylight」。この曲、最終的に1曲目になってるんですけど、曲順を考えてるときは1曲目じゃなかったんですよ。でもチフネさんが「この曲が1曲目っていうアイデアもある」って言い始めて……「いやー、ないでしょう」って思ってたの、最初。

チフネ なんなら最後の曲くらいの感じだったもんね。

ドウメン そうそう。だけど、しばらく考えてたら「ありだな」と思えてきて。曲自体は何が変わったわけじゃないんだけど、1曲目って考えたら妙にハマって。だからすごく印象的。

──私はこの曲順でしか聴いてないから当然なのかもしれないですけど、「1曲目からHOTSQUALLっぽい!」と思いました。

全員 おー!

ドウメン そう言ってもらえると。

──チフネさんは好きな曲を挙げるとしたら?

チフネ 難しいなあ……我ながら今回も捨て曲なしだと思ってるからなあ。いつもは「この曲ライブではやれないだろうなあ」ってあるんだけど、今回はそういう曲もないし。でもあえて言うなら「Like A Rolling Stone Blues」が好き。

──どうしてですか?

チフネ なんかね、雰囲気が好き(笑)。「こういうの好きだもんな、俺」っていう。シンプルに、自分が聴いてて好きな曲ができたって感じ。

──アカマさんはどうですか?

アカマトシノリ(Vo, B)

アカマ 自分的にボーカルとしてよかったなって思うのは「The Voice」。今までのHOTSQUALLの曲の中で一番遅い曲なんだけど。

チフネ そうだね。一番のバラードっぽい。

アカマ バラードは聴く分には好きなんだけど、自分が歌うには不安があって。俺は吠えるほうが似合うから、甘くバラードを歌ったら気持ち悪くなるんじゃないかなとか。でもこの曲を歌って形にできて、「ああ、俺こういう歌い方ができるボーカルなんだ」ってわかった感じがします。

──歳を重ねた今だから歌えたみたいなところもあるんですかね?

アカマ すごいありますね。これまでにいろんな歌を歌ってきて、そのたびにみんなといろんな話をしてきたから。1人だったら判断できなかったと思う。

──チフネさんは「今のアカマさんだったら歌える」と思ってこの曲を作ったんですか?

チフネ それはあります。この曲のネタは前からあったんだけど、俺たちの技術……特にボーカルにキャパがないとできないなと思ってて。で、前にやったときはしっくりこなかったんだけど、今回プリプロを録ってみて「いけるかも」と思ったから、さらにメロウな感じだったものをもう少しパワフルに作り直して、ワアっと歌えるようにしたらよくなったよね。ライブでもできるなと思ってます。

HOTSQUALL「ALRIGHT!!!」
HOTSQUALL「ALRIGHT!!!」
2017年10月18日発売 / ONIONROCK RECORDS
HOTSQUALL「ALRIGHT!!!」

[CD]
2484円 / ONION-1007

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収録曲
  1. Daylight
  2. Just Be Alright
  3. With The Burning Heart
  4. Calling
  5. In The Summer Night
  6. Like A Rolling Stone Blues
  7. Rockin' Teens
  8. No Fun
  9. Revenge Of The Honey Bee
  10. Nice Day Sunshine
  11. Black Paradise
  12. Shining One
  13. The Voice
  14. Let's Get It On
HOTSQUALL ALRIGHT!!! TOUR
  • 2017年11月5日(日)千葉県 千葉LOOK
  • 2017年11月11日(土)岩手県 the five morioka
  • 2017年11月12日(日)青森県 八戸ROXX
  • 2017年11月17日(金)秋田県 Club SWINDLE
  • 2017年11月18日(土)山形県 酒田MUSIC FACTORY
  • 2017年11月19日(日)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
  • 2017年11月23日(木・祝)北海道 帯広Rest
  • 2017年11月25日(土)北海道 夕焼けまつり
  • 2017年11月26日(日)北海道 KLUB COUNTER ACTION
  • 2017年12月7日(木)石川県 vanvanV4
  • 2017年12月8日(金)岐阜県 yanagase ants
  • 2017年12月9日(土)静岡県 FM STAGE
  • 2017年12月15日(金)福井県 福井CHOP
  • 2017年12月16日(土)滋賀県 滋賀U★STONE
  • 2017年12月17日(日)三重県 MUSIC SPACE 鈴鹿ANSWER
  • 2017年12月22日(金)東京都 八王子RIPS
  • 2017年12月23日(土・祝)埼玉県 Livehouse KYARA
  • 2018年1月8日(月・祝)宮城県 enn 2nd
  • 2018年1月12日(金)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
  • 2018年1月13日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
  • 2018年1月14日(日)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
  • 2018年1月19日(金)京都府 KYOTO MUSE
  • 2018年1月20日(土)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
  • 2018年1月21日(日)長野県 CANVAS
  • 2018年1月26日(金)岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room
  • 2018年1月27日(土)島根県 松江 AZTiC canova
  • 2018年1月28日(日)島根県 アポロ
  • 2018年1月30日(火)香川県 DIME
  • 2018年1月31日(水)愛媛県 Double-u studio
  • 2018年2月9日(金)大分県 club SPOT
  • 2018年2月10日(土)熊本県 Django
  • 2018年2月11日(日・祝)鹿児島県 SR HALL
  • 2018年2月13日(火)福岡県 Queblick
  • 2018年2月15日(木)広島県 尾道BxB
HOTSQUALL(ホットスコール)
HOTSQUALL
チフネシンゴ(G, Vo)、ドウメンヨウヘイ(Dr, Cho)、アカマトシノリ(Vo, B)によるスリーピースバンド。地元・千葉でのライブを中心に活動をスタートさせ、2005年11月に1stフルアルバム「YURIAH」を発表。メロディックパンクをルーツに持ちつつ、美しいメロディとハードなビート、英語詞と日本語詞の絶妙なバランスを誇る楽曲が武器となり、インディーズシーンで頭角を現す。2014年6月に結成15周年を記念してベストアルバム「LAUGH AT LIFE」をリリースした。2015年には、不定期で開催していた主催イベント「ONION ROCK」を、「ONION ROCK FES -CHIBA DE CARNIVAL-」として千葉・稲毛海岸野外音楽堂で行う野外フェスに。2017年10月4枚目のフルアルバム「ALRIGHT!!!」をリリースする。