音楽ナタリー Power Push - 堀江由衣×angela
「K」が導くファンタジー
ほっちゃんとアンナの掛け合い
atsuko 「アシンメトリー」は堀江さんとアンナちゃんが融合した感じを出したかったので、Bメロの「怖い(怖くない)」とかカッコの部分はアンナちゃんの気持ちでセリフっぽくしたんですけど、堀江さんはそこで突然声優さんに切り替わるんですよね。それは歌手には簡単にできない感情の表現方法ですよ。
堀江 atsukoさんの(デモの)アンナちゃんもかわいかったですよ。カッコの中をセリフをちゃんとアンナちゃんっぽくしてくださっていて。
atsuko 「うん……。うん。うん……。アンナちゃんっぽい?」ってずっとやってました(笑)。
堀江 このBメロの掛け合いはすごく好きです。「K」の世界観を知っている人は切ない気持ちになると思います。
atsuko レコーディングでは「このあとアンナちゃん17時に入りますんでー」ってコントやってました(笑)。「アンナちゃん、もうちょっとここ力抜いてだってー」「わかった」って1人2役でアフレコ漫才みたいな。
堀江 angelaさんの指示を私がアンナちゃんに伝えるというコントを延々やってました(笑)。
atsuko でもこの掛け合いはすごく「K」っぽさが出てよかったなと思います。
KATSU 僕たち自身「K」が大好きだから、堀江さんが歌ってくれるということで少し職権乱用みたいなところもあるんですけど、ここを掛け合いにすると面白いんじゃないかと思ったんですよね。
──堀江さん名義の楽曲でありながら、キャラクターの要素も入れて世界観をよりふくらませているという。それも「K」シリーズの音楽を作り続けてきたangelaが手がけているからこそ、強力にシンクロしているのかなと思います。
堀江 この曲のおかげか、アニメのオープニングでもアンナちゃんのシーンがすごく多くて(笑)。
atsuko そう! めっちゃ推されてますよね?
堀江 こんなに前に出ちゃっていいのかなーって(笑)。監督の愛を感じました。
atsuko この間「K」のイベントで、堀江さんが「アシンメトリー」をダンサーさんと一緒にパフォーマンスするところを私たちも観られたんですよ。ダンスがすごく激しくて、想像していたよりも動いていらっしゃる堀江さんに驚きました(笑)。すごくカッコいいんですよ。カッコいいんだけど、かわいらしさももちろんあって、想像の斜め上を行く……私たちが曲を作っているときは漠然としたイメージでしかなかったものが、ジャケットやMVでどんどん形作られてきて、さらにライブではこう表現されるのかと。テレビでアニメのオープニングを観るときも、ライブで観るときも、そうやって客観的に楽しめるのがうれしいんですよね。
──angelaの楽曲を作るのとはまた別の楽しさがある。
atsuko そうですね。納品したらそこから先は、それぞれの分野のクリエイターさんが作り上げていくのを楽しみに待っている感じで。ジャケットもすごく素敵。
堀江 わあー、うれしいです。これ、スタジオに土を持ち込んで……。
atsuko えー! 外じゃないんだ。
堀江 そうなんです。ちゃんとお庭みたいになってました。でもちょっと離れるとブルーシートが見えちゃう(笑)。アニメには緑のクランが敵として登場するので、緑に囲まれちゃった感じがいいなあって。
──そういうアイデアは堀江さんからどんどん出していくんですか?
堀江 今回はそうでしたね。曲や作品のイメージから「こういう感じがいいなあ」って。
この1年は「透明感」がテーマ
──angelaのお2人が今、設定などの制約が何もなく自由に「ボーカリスト堀江由衣」の曲を作るとしたら、どんな曲になると思いますか?
KATSU どうだろうなあ。でも僕の場合それは「アシンメトリー」でけっこうやっちゃってるような気がします。ファンタジックな世界観を突き詰めたような曲。堀江さんは絵本の中の人というイメージが強いんですよね。
atsuko うん。やっぱりファンタジックなものになると思います。四畳半のアパートに暮らしているの、みたいな歌詞は絶対に合わないと思うから。
堀江 あはははははは(笑)。
KATSU 昭和、みたいな(笑)。
atsuko 「今日も銭湯に通っています」とか絶対に合わない(笑)。やっぱり「めぐる冒険」(ライブシリーズ)で観られるような、「やっぱり最後は戦ってくれるんですよね堀江さん!」みたいな期待をしているところがあるんですよ。そこは大前提で考えてしまいますね。やっぱりファンタジーで……宇宙でもいけるのかな? 過去や未来に移動しても表現できるけど、四畳半だけはない。
KATSU ドリームなんですよね。
atsuko そう。ドリームならどこまでもいける。
堀江 それを言ったらatsukoさんのほうがもっとどこまでも行けますよ! 四畳半だって歌えそう。
atsuko どうだろう……歌えるかな(笑)。
KATSU 「アシンメトリー」はatsukoだと難しいかな。
堀江 そうですか? デモすごく合ってましたよ。
atsuko 王宮風なイントロとか、私だとなあ……みたいな。
KATSU うんって言いづらいけど、うん(笑)。
──そういう意味では「アシンメトリー」は、アーティスト堀江由衣の特性が改めてよくわかる1曲になっているかもしれませんね。
堀江 それはうれしいです。私もこういうファンタジックな世界観が好きですし、「四畳半っぽいよね」と言われたら確かに複雑な気持ちになるので(笑)。ライブでは普通にめちゃくちゃ汗をかくんですけど、「汗すごかったね」と言われるよりは汗知らずな感じがしたほうがうれしいので、自分でもそこは大事にしていこうと思います。……あ、今は私「透明感」を押していこうと思っているので。
atsuko 透明感?
堀江 すみません(笑)。お誕生日にいつも目標を立てるんですけど、この1年は「透明感」でいこうと思っていて。透明感を目標にがんばろうと思います(笑)。
- 堀江由衣 ニューシングル「アシンメトリー」 / 2015年11月4日発売 / STARCHILD
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1944円 / KICM-91639
- アニメ盤 [CD] 1296円 / KICM-91640
- 通常盤 [CD] 1296円 / KICM-1639
収録曲
- アシンメトリー
- 星空に願いを
- アシンメトリー(off vocal ver.)
- 星空に願いを(off vocal ver.)
初回限定盤DVD収録内容
- 「アシンメトリー」MUSIC CLIP
- angela ニューシングル「DEAD OR ALIVE」 / 2015年11月11日発売 / STARCHILD
- 限定生産盤 [CD+Blu-ray] 1944円 / KICM-93304
- アニメ盤 [CD] 1296円 / KICM-3304
CD収録曲
- DEAD OR ALIVE
- ホライズン
- DEAD OR ALIVE(off vocal version)
- ホライズン(off vocal version)
限定生産盤Blu-ray収録内容
- 「アシンメトリー」MUSIC CLIP
堀江由衣(ホリエユイ)
東京都出身の声優アーティスト。1997年に声優としてのキャリアをスタートさせた後、1998年に歌手デビュー。「ほっちゃん」の愛称で親しまれ、永遠の少女然とした自身のキャラクターと重なるオリジナル音楽作品をコンスタントに発表している。アニメやゲームのキャラクターソングも数多く手がけ、2005~2007年には声優ユニット「Aice5」としても活躍。2009年9月には声優として歴代4人目となる日本武道館公演を2日間にわたって行い、いずれも成功を収めた。2015年1月には通算9枚目となるオリジナルアルバム「ワールドエンドの庭」、同年11月に通算19枚目のシングル「アシンメトリー」をリリース。
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angela(アンジェラ)
岡山県出身のatsuko(Vo)とKATSU(G, Key)による2人組ユニット。それぞれ音楽を志し上京したのち結成し、2003年にテレビアニメ「宇宙のステルヴィア」のオープニング主題歌「明日へのbrilliant road」でメジャーデビュー。1stシングルながらオリコン週間シングルランキングで15位をマークし、瞬く間にアニメソングシーンで存在感を示す。以来「蒼穹のファフナー」シリーズ、「アスラクライン」、「K」シリーズなど、多くの人気アニメの関連楽曲を担当。また「Animelo Summer Live」やアメリカの「SAKURA-CON」、カナダの「CANADIAN NATIONAL EXPO」、フランスの「Japan Expo」など、国内外の大型アニメ系イベントにも多数出演する。2014年には5月にアニメ「シドニアの騎士」のオープニングテーマ「シドニア」を発表。この曲は同年、アニメファンが選ぶ「アニメーション神戸賞」で主題歌賞を受賞した。2015年11月には通算25枚目のシングル「DEAD OR ALIVE」をリリース。