「メモリーレーン」は過去を振り払ってる

──カップリング曲の「メモリーレーン」は、これまでのHOME MADE 家族が見せてきたロック色とは違うロックテイストの曲に仕上がりましたね。

KURO　一風変わった感じがいいなと思って。UKロックというか、ちょっと前だけどルーペ・フィアスコがよくやってた感じがいいなと思ったんですよ。で、このトラックは僕が弟に頼んで作ってもらったんですけど、あがってきたものがイメージとドンピシャだったんです。

──歌詞のテーマは？

KURO　そのデモのトラックを聴いたときに「メモリーレーン」という言葉がふと降りてきて。だから、テーマというより、その単語からいろいろ連想して書いていったんです。

──KUROさんが先日上梓した単行本「EVER GOLD」のサントラみたいなイメージで作ったのかと思ってました。

KURO　あー、なるほど。ビデオクリップではそれがオチになってますけど、それはU-ICHI監督がうまく落としてくれたんですよ。でも、メモリーレーンって、記憶の小径とか思い出をたどるといった意味の言葉だし、いろいろな映像がフラッシュバックしていく様を想像しながら歌詞を書いていたから。結果、それがあの本のコンセプトとも合致していたって感じですね。

──でも、これはただ昔を懐かしんでるだけの曲じゃないと思ったんです。

KURO　そう。むしろ、過去を振り払ってるイメージですね。過去にいろんなことはあったけれど、今を愛しているっていうのが底流にあります。

U-ICHI監督に降りかかった災難

──ビデオクリップはU-ICHIさんが初めて監督を務めた作品ですが、どんなコンセプトで撮ったんですか？

U-ICHI　別に大したコンセプトはないんですよ。ちょうどその頃、映画の「メン・イン・ブラック3」をやっていたのと、あと、マンガの「カイジ」が好きなんで、黒い服を着た男から逃げる、みたいなことをテーマにしようかなあと考えて。で、そのちょっと前くらいにKUROが単行本を出していたんで、最終的にそのプロモーションにしちゃえばいいかって（笑）。大した内容はないけど、カッコいいのか、面白いのか、そのスレスレなところができたらいいなと思ってたんです。

──初めての監督経験ですし、撮影中はいろいろ苦労もあったんじゃないですか？

U-ICHI　そもそも撮影日が1日しかないのと、照明もないので、僕が事前にしっかりロケハンして、写真を撮ってきたんですよ。で、ここはKUROが走るシーン、ここはMICROが走るシーンとか全部決めて、2人に絵コンテを見せたんです。

MICRO　だから、絵コンテは全部写真入りで、この現場でこういうふうに撮るからってきっちりプランが出来上がってたんですよ。なのに、当日雨で（笑）。

Ms.OOJA　あはははは！（笑）

MICRO　けど、やるしかねえって、風がビュービュー吹いてる中、撮り始めたんですね。そしたら、撮影が始まって2カット目くらいで、今度は僕らが持って逃げるジェラルミンケースの取っ手が壊れちゃって（笑）。そこからはジェラルミンケースを抱えて走ることになっちゃったんです。

──でも、結果的にケースを大事そうに抱えてる映像になったから良かったですね。

KURO　そうなんですよ。結果オーライ。禍を転じて福となす、ですよ（笑）。けど、ほかには僕らがかけてるサングラスにカメラクルーが映り込んじゃってるとかね（笑）。

U-ICHI　でも、「OKっす、OKっす！」って撮影続行（笑）。

KURO：そんな調子だから、俺、どんどん笑けてきて。これはマジメにやれてねえなって（笑）。

──いい意味で手作り感というか、素人感が満載の映像になってますよね。

Ms.OOJA　でも、そういうところも楽しんで観てくださいっていうことでしょ？

U-ICHI　そうそう。OOJA、ナイスフォロー（笑）。

MICRO　そうだ。もし良ければ、OOJAもU-ICHI監督が撮りますよ。

KURO　ま、カップリング曲限定だけどね（笑）。