ナタリー PowerPush - ハンサムケンヤ
浅野いにお&椙本晃佑が“ケンヤ”徹底解剖
椙本作品の魅力は何回も観てしまうこと
──そして、本作の初回限定盤DVDに収録される映像群は全て、映像作家の椙本晃佑さんによるものです。これまで発表されてきたハンサムケンヤさんのビデオクリップは全て椙本さんが手がけられているので、もはやおなじみといった感じですね。
椙本晃佑 いつまでも僕でいいのかなっていう気持ちもあるんですけど(笑)。そろそろ方向転換も必要じゃないのかなとか思いつつ、でも呼んでいただけるならなんでもやりますっていう感じで。
ケンヤ いやいや。ビデオクリップについては椙本さん以外とお仕事をしたことがないですし、そもそもそれ以外の方にお願いしたいとも思ってないので。椙本さんは僕の曲をものすごくじっくり聴いてくださってるんで、僕自身があやふやだったイメージを形にしてくれるところがあって。提案してくださったものに対してはいつも「これでいきましょー!」っていう感じですね。
──椙本さんのビデオクリップの魅力ってどんな部分だと思いますか?
ケンヤ たくさんありすぎて難しいんですけど……つい何回も何回も観てしまうっていうことなんじゃないですかね。ファンみたいな感じで観てしまってるんですけど。
椙本 僕は映像の端々に、ほんとに50回くらい観ないと気付かないだろうなっていう小ネタを入れるんですけど、それをケンヤさんはいち早く見つけてくれて、会うたびに指摘してくれるんですね。それがすごくうれしいです。
ケンヤには頭皮との戦いが待ってる
──逆にケンヤさんの魅力について、浅野さんと椙本さんはどう感じていますか?
浅野 曲の完成度が素晴らしいと思いますね。安定して良い曲をずっと作り続けてる感じがする。出来上がってるというわけではないと思うけど、才能がしっかりある人だなって思いますね。
椙本 詞が良かったり、曲がちょっと他じゃ聴いたことのないようなものだったりっていう魅力はありますよね。
浅野 あとは金髪のマッシュルームカットっていうルックスも良いところだと思う。でもそれはそのうち自分の首を絞めていくことになるんだろうなとも思いつつ(笑)。
ケンヤ そうなんでしょうねえ。髪の毛は月1くらいで染め直してるんで、結構頭皮がヤバいことになってます。
浅野 だからケンヤくんのこれからは頭皮との戦いになっていくんですよ(笑)。
椙本 ビデオの撮影中に髪の毛が伸びてくると「そろそろ美容院行ってもらえませんか」って言うんですけど、「いやあ、毛根があ」とか言ってますもんね(笑)。
ケンヤ ほんとヤバいんですよ。ヒリヒリするんで。
椙本 ケンヤさんを見てると、この人は最終的にどうなっていくんだろうなってすごく思うんですよね。浅野さんがおっしゃったように、この髪型をいつやめるのか、それともやめないのかっていうことを含めて、どこにたどり着くかをずっと見ていたい感じがあるっていうか。そこも彼の魅力だと思います。映像を撮らせてもらってると、どんどんいろんなことをやらせてみたくなってくるところもありますね。ちょっと裸でサンバ踊ってみてとか、バスタオル巻いて女の子のふりしてみてとか(笑)。
僕はどんなことでもNGはない
──本作に収録されている「集積ライフ」のビデオクリップでは、そういったさまざまなケンヤさんの姿が確認できますよね。
ケンヤ そうなんですよ。パッパパッパといろんな格好に着替えた僕が登場するんですけど、基本的に僕はどんなことでもNGはないですね。全てを楽しめてるんで。ハンサムを名乗ってる分、結構ナルシストに思われたりもするので、下半身露出というか、そういう危なげなこともどんどんやっていきたいと思ってます。
浅野 そういう過激な服装も交えつつ、おちゃめな一面も見せつつ、そっち方面のファンも獲得しようっていうことなの?
ケンヤ なんかその言い方、こすい感じじゃないですか(笑)。
浅野 ケンヤくんは普段会うとわりとマジメな好青年って感じなんですけど、そういうビデオの中での格好とか、ファンの人にはそこもどんどん期待してもいいと思ってるの?
ケンヤ そこが今、僕の中で葛藤してる部分なんですよ、実は。
浅野 自分のキャラを作るべきなのか、それとももう少し自然にいったほうがいいのかっていうこと?
ケンヤ そうですね。ビデオを観た人には、ちょっと面白いし、奇をてらってる部分があるのかなって思われても当然じゃないですか。でも実際会ってみたら「案外、普通やなあ」ってがっかりされるみたいな。
──あははは(笑)。面白いことをするのは嫌いじゃないけど、かと言って普段からサンバの格好してるわけじゃないですもんね。
ケンヤ そうなんですよ!
──そういう意味で言えば、ハンサムケンヤというアーティスト名から抱かれるイメージとも戦っていかないといけないですよね。
浅野 そうですよね。名前だけを見たときに、よっぽど不細工なのか、よっぽど自信があるのかわからないですから。パッと聞いて印象に残る名前ではあるけど。
椙本 僕も最初に会うときは「どんなハンサムなのかちょっと見に行ってみよう」って思いましたからね。とりあえずそのツラ見たろかっていう(笑)。
ケンヤ そこは狙いかもしれないですね。つい顔を検索させてしまうっていう。
椙本 ハードルはかなり上げてるけどね(笑)。
ケンヤ そうなんですよね。名前で引き付けるところまでは成功するんですけど、そこから「全然ハンサムじゃなくね?」ってみんなの気持ちが落ち着くのが僕としては心痛いイベントで。いい加減慣れないといけないんですけど。
- ミニアルバム「ゴールドマッシュ」 / 2012年10月3日発売 / Victor Entertainment
- ミニアルバム「ゴールドマッシュ」初回限定盤 [CD+DVD] 2500円 / VIZL-492
- ミニアルバム「ゴールドマッシュ」通常盤 [CD] 1600円 / VICL-63928
CD収録曲
- ポップミュージック
- 集積ライフ
- ボディーライン
- 夜叉
- どんなに
- これくらいで歌う
DVD収録内容
- 集積ライフ music video
- ミュージックビデオ・ノイローゼ(ミュージックビデオ収録「これくらいで歌う」「蟲の溜息」「決心速度」「アラハラ」「この街の歩き方」)
- アニメ「ハード・サーモンズ・ナイト」第1話~第6話
番組情報
リリースやライブなどの最新音楽情報をビデオクリップとあわせてお届けする「SELECT」。ハンサムケンヤは、今伝えたいアーティストをマンスリーセレクトする「MONTHLY」コーナーに5週連続で登場!
放送スケジュール
【第1週】
初回放送 10月1日(月)9:30~10:00
再放送 10月1日(月)29:30~ / 10月2日(火)18:30~ / 10月3日(水)29:30~ / 10月4日(木)9:30~ /10月5日(金)9:30~ / 10月5日(金)18:30~ / 10月5日(金)29:30~
【第2週】
初回放送 10月8日(月)9:30~10:00
再放送 10月8日(月)29:30~ / 10月9日(火)18:30~ / 10月10日(水)29:30~ / 10月11日(木)9:30~ / 10月12日(金)9:30~ / 10月12日(金)18:30~ / 10月12日(金)29:30~
【第3週】
初回放送 10月15日(月)9:30~10:00
再放送 10月15日(月)29:30~ / 10月16日(火)18:30~ / 10月17日(水)29:30~ /
10月18日(木)9:30~ / 10月19日(金)9:30~ / 10月19日(金)18:30~ / 10月19日(金)29:30~
【第4週】
初回放送 10月22日(月)9:30~10:00
再放送 10月22日(月)29:30~ / 10月23日(火)18:30~ / 10月24日(水)29:30~ /
10月25日(木)9:30~ / 10月26日(金)9:30~ / 10月26日(金)18:30~ / 10月26日(金)29:30~
ハンサムケンヤ(はんさむけんや)
1987年生まれ、京都在住のシンガーソングライター。2011年に立命館大学を卒業。大学時代のバンド仲間が立ち上げたインディレーベル・古都レコードの第1弾アーティストとして、同年5月に1stミニアルバム「これくらいで歌う」を発表する。同年8月に12曲入りの1stフルアルバム「エフコード」をリリース。2012年にビクターエンタテインメントと契約し、同年7月に配信シングル「集積ライフ / カサブタ」でメジャーデビューを果たし、10月にメジャー1stミニアルバム「ゴールドマッシュ」をリリース。
浅野いにお(あさのいにお)
1980年9月22日茨城県生まれ。1998年に「ビッグコミックスピリッツ増刊Manpuku!」にてギャグマンガでデビュー。2002年より「サンデーGX」で「素晴らしい世界」の連載を開始する。個々の短編からひとつのストーリーを紡ぎ出す構成力と抒情的な作風が話題になり、「ヤングサンデー」で連載された「ソラニン」は、バンド経験を持つ作者によるインディーズバンドのリアルな心理描写で人気を博し、映画化もされた。現在は「ビッグコミックスピリッツ」で「おやすみプンプン」、「エロティクスf」で「うみべの女の子」を連載中。
椙本晃佑(すぎもとこうすけ)
1983年生まれの映像クリエイター。2004年頃から映像・アニメーション制作を独学で学び始め、2005年に発表した作品「Friday Night Fever」をきっかけにさまざまな賞を受賞。緻密かつ独創的な手法が国内外で評価されている。これまで発表されたハンサムケンヤのビデオクリップの全作品を手がけ、作品ごとに異なる世界観を提示している。