なでしこを尊敬している
Chiho 大原さんは各務原なでしこという人物をどういうキャラクターだと感じ取って演じたんですか?
大原 なでしこは主要キャラクター5人の中でもムードメーカーで、誰に対しても平等で、いろんなことに興味がある子なんです。そういう部分は自分にないところだから、撮影の初めの頃は自分から出てくる感情とのギャップに戸惑うこともあって。でも撮影を進めていくうちに、なでしこというキャラクターはもちろん「ゆるキャン△」という作品、キャストのみんな、何よりキャンプというアウトドアのことも好きになって、いつからかなでしこというキャラクターを通していろんな幸せを感じられるようになったんです。
Chiho なでしこというキャラクターはすごく大原さんに合っていると思いますよ。もうドラマを見始めちゃったから、そのイメージしかないだけかもしれないけど(笑)。
大原 5人で取材を受けたとき「一番役に近いのは?」という質問で、みんなが「なでしこと優乃」と言ってくださったこともあって(笑)。そこまで自分と重ねないように演じてはいたんですけど。なでしこのことは尊敬しているくらいなんですよ。
──お二人はインドア派かアウトドア派でいうとどっちですか?
Chiho 本格的なアウトドアを楽しむような感じではないんですけど、外にはけっこう出たいタイプですね。家にいるよりも散歩をして何か考えることも多いですし。大原さんはどっちですか?
大原 私は気を抜くとずっと家にいちゃうタイプなんです。でも今年の目標はインプットする時間を大切にすることなので、いっぱい外に出ていろんな人に会っていろんな引き出しを自分の中に作らなきゃと思っています。
──インドア派の大原さんが撮影を通じて感じたキャンプの楽しさってどういうところですか?
大原 すべてのことを自分でやることの充実感はすごく感じました。クランクインをする前にキャンプリハというのをキャストとスタッフさんでやったんですよ。もうその時点ですごく楽しくて。キャンプみたいなことをすると、それぞれの素が見えるんですよね。例えば率先して仕事を探してテキパキ作業する人とか、つい楽しくおしゃべりばかりしちゃう人とか。
Chiho 私は、人がいっぱいいると楽しむことを優先してちょっとサボっちゃうタイプかな。
大原 私も一緒です(笑)。このキャンプリハがすごく楽しくて、そこでまずキャストやスタッフさんとの距離がすごく近付いたんですよね。キャストみんなキャンプにハマっちゃって、クランクアップはしたけど今度5人でキャンプにいこうって約束をしてるんですよ。
Chiho うわ、尊い!
──H△Gの皆さんはグループでキャンプなどをするような機会はないんですか?
Chiho 普段はあまりないんですけど、去年珍しくH△Gのみんなでデイキャンプをする機会があったんですよ! あいにくの雨だったので本格的なことはできなかったんですけど、仲のいいバンドを誘ってバーベキューをして、外の時間を楽しみました。小さいときはよく父親に連れられてキャンプをしていたんですけど、小さいとあまり自然のありがたみとかがわからないから「なんだディズニーランドじゃないのか」みたいに生意気なことを言っていて(笑)。でも今は「ゆるキャン△」のような作品にも出会えたし、改めて自分の意志でキャンプを楽しみたいなと思うようになりました。
キャンプ飯の魅力
Chiho 「ゆるキャン△」の中では志摩リンとなでしこが毎回キャンプ飯を作りますけど、大原さんは普段から料理はされるんですか?
大原 私、地元が鹿児島なんですよ。九州の味付けはなんでも甘くて東京との味覚の違いがけっこうあるから、地元の味が恋しくなると自分で料理をしますね。煮物にもざらめを入れたりするんですよ。でも「ゆるキャン△」の撮影で一番大変だったのも実は食事のシーンで……。
Chiho どういうところが大変だったんですか?
大原 実は私、左利きなんですけど、なでしこは右利きなんですよね。そのことにクランクインの前日に気付いたんです。急いでいろいろ練習したんですけど、第1話で“カレー麺”を食べるシーンがあって、そこで麺をうまくすくえずにNGを出してしまって。おいしそうに自然に食べるのがけっこう難しくて、皆さんにはご迷惑おかけしてしまいました。
Chiho 大丈夫! カレー麺、メチャクチャおいしそうでしたよ。深夜ドラマなのにお腹減っちゃって……。
大原 キャンプ場で食べるごはんってすごくおいしいんですよ! 自然の音を聞きながら温かいごはんを食べるといつもよりおいしく感じるんですよね。特に感動したのは「スモア」というチョコビスケットに焼きマシュマロを挟んで食べるおやつ。すごくおいしくて、みんなも試してみてほしいな。
Chiho 「ゆるキャン△」はごはんがちゃんとおいしそうに再現されていて、景色も本当に素晴らしいんですよ。いろんな作品の実写化がありますけど、「ゆるキャン△」は現実で再現すること、ちゃんと本物の自然を映像で伝えることに意味がある作品なんだなと感じました。
大原 ドラマのスタッフさんが担々餃子鍋とかカレー麺とか、オンエアに出てきた料理のレシピをSNSに載せてくれているんですよ。そういう細かいスタッフさんの工夫に作品への愛をすごく感じるんです。スタッフさんだけじゃなくて、例えば撮影でキャンプ場に行くと、「ゆるキャン△」を片手にキャンプをしている人がいたり、キャンピングカーに「ゆるキャン△」のステッカーがたくさん貼ってあったり。ロケ地でお世話になった街の方やキャンプ場の方々も「ゆるキャン△」のことを知っていて、すごく撮影に協力いただいたんです。本当に皆さんに愛されている作品なんだなあということを身に染みて感じています。
Chiho キャンプ場での撮影ってやっぱり大変ですよね。
大原 冬に撮影したこともあって、寒いのが大変でした。実はクランクインの日に霜焼けになっちゃって。
Chiho ええ!?
大原 山の寒さを知らなかったんですよね。撮影の合間とかでスタッフさんがダウンを着せてくれるんですけど、自分の中で演技スイッチが入っていると「あ、大丈夫です」って断ることも多いんです。でもいつものロケと違って山は寒さのレベルが違うから、これじゃダメだということに初日で気付いて。2日目以降は毎日カイロを10個以上持ち込んで寒さ対策を万全にして挑みました。
Chiho 寒いだけでエネルギー取られますよね。体も強張っちゃうし。
大原 そうなんですよ。でもそれ以降はスタッフの方もいろんな防寒対策をしてくださって、誰1人風邪を引くこともなく、無事にクランクアップを迎えることが出来ました。
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原作を読みながら一緒にうたた寝