音楽ナタリー Power Push - グッドモーニングアメリカ

夢の舞台・武道館へ 今伝えたい「ハローハローハロー」

今鳴らすべき曲「ハローハローハロー」

──6月にリリースしたシングル「コピペ」についてはどうでしょう? 「inトーキョーシティ」を経て、“軌道修正”するという意味合いも強くあったのかなと思うんですけど。

左から金廣真悟(Vo, G)、渡邊幸一(G, Cho)。

金廣 そうですね。「コピペ」は「inトーキョーシティ」の反応を実感しながらツアー中に作った曲でした。ツアーを終えて2日後くらいにレコーディングをして。軌道修正をしながら、どうやったら自分たちが楽しんで音楽を鳴らせるのか考えてたんですけど、そのバランスがうまくとれた曲になったと思います。「inトーキョーシティ」がもっと売れていたら、間違いなく「コピペ」のような曲はできなかったと思います。自分たちだけのグッドモーニングアメリカだけではなく、みんなが認識しているグッドモーニングアメリカというイメージを意識して、いかに破壊力のある曲が作れるか。そういったトライアルをした曲です。

──その上で今回のニューシングル「ハローハローハロー」を聴いて思ったのは、対リスナーへの軌道修正うんぬんみたいなことも超越してるなということなんですよ。8ビートでストレートに「これがグッドモーニングアメリカのロックであり、歌です」って堂々と示しているなと。「サイダーでも飲んで」も、両A面でもいいと思うくらい完成度の高い曲だと思います。

金廣 ありがとうございます。そう、「サイダーでも飲んで」は「コピペ」よりも前にできていたんですけど、この曲をリリースするなら夏だなと思って。「サイダーでも飲んで」はメロディも歌詞も降ってくるような感じでものすごく順調にいいものを書けたんですよね。ただ、その後に「ドラゴンボール超(スーパー)」のエンディングテーマのオファーをいただいたので、そのエンディングテーマになる曲がリードになると。そうすると、まず「サイダーでも飲んで」を超える曲を作らなければいけないわけで。そこで試行錯誤した結果、8ビートで構成してみようと。で、僕、4月に沖縄に旅行に行ったんですけど、そのときに海で難破しかけた出来事があって。

──えっ? ホントに?

金廣 そう、そこまで大事にはならなかったんですけど、船に乗ってるときにエンジンが落ちちゃってちょっとヤバいみたいな感じになったんです。でも、空を見たらすごく星がきれいで、そのときに「ハローハローハロー」のイントロが思い浮かんだんですよ。曲作りに取りかかったときにそのイントロを思い出して……小さな子にも大人にも響くような、ストレートな曲を作ろうと思ってこの曲はできました。結果的にライブハウスでも、ホールでも、武道館でもしっかり響く曲になったかなって思います。とにかく自分で歌っていても気持ちいいんですよ。あと、ペギが「すごく金廣さんっぽい曲だ」って言ってくれて。それもうれしかった。

ペギ(Dr, Cho)

ペギ そう。デモをもらったときに「これこれ!」ってガッツポーズしたんですよね。「これが金廣さんの歌でしょ!」って。こういう曲でドラムを叩きたいと思っていたし、バンドがこういう曲を今鳴らす必要があると思っていたところにまさにジャストなデモが来たんです。だから、めっちゃテンションが上がりましたね。こういう曲こそ評価されるべきだと思う。

たなしん ホントに評価されたいね。バンドを代表する1曲ができたと思うから。武道館に向かうこのタイミングでこの曲ができた意味はめちゃくちゃ大きいですね。

渡邊 このバンドにありそうでなかったタイプのストレートないい曲だなって。今後のライブで間違いなく重要な1曲になると思います。

──過去、現在、未来の自分と対話するっていう歌詞もずっと歌っていけそうだし。

金廣 そう、この曲はじいちゃんになっても歌えると思うんですよね。「ハロー」というフレーズを軸に歌詞を書いていったときに、「誰に対してのハローなのか?」って思って。そうやって考えていくと、僕はどうしても自分自身と対話する思考になるんです。そういう意味でも、自分らしさが表れた曲の中でもど真ん中にあるような曲だと思います。「ドラゴンボール超(スーパー)」の内容にもリンクしていると思うし。

すべてを背負って武道館のステージへ

──そういえば、今作から日本コロムビア内のレーベルであるTRIADに移籍ということですけど、これって先日ナタリーで実施した座談会(参照:「TRIAD ROCKS -Columbia vs Triad-」特集)の中であった吉井和哉さんからの提案を受けてなんですか?

金廣 そうそう、あのとき吉井さんが「TRIADに来なよ」って言ってくれて。後日、本気で呼びかけていただいたんですよ。そもそもディレクターも同じだし、ロックバンドが同じレコード会社でレーベルが分かれてる必要もないなと思って。

たなしん 歴史のあるレーベルなので気が引き締まりますよね。

──そうだったんですね。では最後に武道館に向けて、改めて一言もらえたら。

渡邊幸一(G, Cho)

金廣 武道館はずっと自分たちが夢に描いていた舞台で……。今、いろんな人に「武道館、おめでとう」って言われるんですけど、そう言ってくれる人がいるからこそ僕らは武道館でライブができるんだなって思います。改めて「ROAD TO BUDOKAN」の重みも感じていますね。

渡邊 そうだ、この4人でバンドを始動するってなったときに予定表を書いたんだよね。7年前くらいの話なんですけど……何年後に自分たちはどうするか、という夢物語の一番最後に「4人で武道館ライブをする」って書いたんですよ。

たなしん そうそう。最初は「デモを作って八王子RIPSで100人集める」って書いて。その次に「メジャーデビューする」とかね。すべての予定がちょっとずつ後ろに倒れてはいるんですけど(笑)。

──では、武道館ライブ以降はその予定表にどんなことを書こうと思っていますか。

金廣 まだわからないですけど、自分たち主催のフェスだったり、アリーナライブだったり……海外でライブしたいとも思ってるし。武道館ライブが終わったあとにちゃんと今後の予定表を書きたいと思います。俺らは急激に支持を得たバンドではないし、やっと武道館にたどり着いたから。何回も言うけど、ここに来るまでにいろんな人のサポートがあってやっと今の立ち位置にいるから。そういう人たちの思いもすべて背負って武道館に立ちたいと思っています。

ニューシングル「ハローハローハロー」 / 2015年8月12日発売 / 1080円 / 日本コロムビア / TRIAD / COCA-17044
「ハローハローハロー」
収録曲
  1. ハローハローハロー
  2. サイダーでも飲んで
  3. ハローハローハロー(カラオケ)
  4. サイダーでも飲んで(カラオケ)
グッドモーニングアメリカ「挑戦 第七夜」

2015年11月27日(金)東京都 日本武道館

グッドモーニングアメリカ「凌ぎ合うツアー2015」(※終了分は割愛)
  • 2015年8月13日(木)神奈川県 横浜BAYSIS
    <出演者>
    グッドモーニングアメリカ / a flood of circle
  • 2015年8月14日(金)山梨県 KAZOO HALL
    <出演者>
    グッドモーニングアメリカ / a flood of circle
  • 2015年8月18日(火)大阪府 ROCKTOWN
    <出演者>
    グッドモーニングアメリカ / HaKU
  • 2015年8月19日(水)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
    <出演者>
    グッドモーニングアメリカ / tricot
  • 2015年8月25日(火)福岡県 DRUM Be-1
    <出演者>
    グッドモーニングアメリカ / MAGIC OF LiFE
  • 2015年8月26日(水)広島県 CAVE-BE
    <出演者>
    グッドモーニングアメリカ / MAGIC OF LiFE
  • 2015年9月10日(木)群馬県 前橋DYVER
    <出演者>
    グッドモーニングアメリカ / WHITE ASH
  • 2015年9月12日(土)山形県 酒田MUSIC FACTORY
    <出演者>
    グッドモーニングアメリカ / LACCO TOWER
  • 2015年9月13日(日)新潟県 CLUB RIVERST
    <出演者>
    グッドモーニングアメリカ / LACCO TOWER
  • 2015年9月15日(火)石川県 vanvan V4
    <出演者>
    グッドモーニングアメリカ / ROTTENGRAFFTY
  • 2015年9月19日(土)北海道 CASINO DRIVE
    <出演者>
    グッドモーニングアメリカ / LEGO BIG MORL
  • 2015年9月20日(日)北海道 COLONY
    <出演者>
    グッドモーニングアメリカ / LEGO BIG MORL
  • 2015年9月21日(月・祝)北海道 苫小牧ELLCUBE
    <出演者>
    グッドモーニングアメリカ / LEGO BIG MORL
  • 2015年9月24日(木)東京都 TSUTAYA O-Crest
    <出演者>
    グッドモーニングアメリカ / アルカラ
グッドモーニングアメリカ
グッドモーニングアメリカ

金廣真悟(Vo, G)、渡邊幸一(G, Cho)、たなしん(B, Cho)、ペギ(Dr, Cho)からなる4人組バンド。2001年に前身バンドfor better, for worseを結成し、2007年より現在のバンド名に変更。for better, for worse時代は英語詞だったが、バンド名変更を機に日本語詞へと切り替え、サウンドもよりポップさを増す方向へ転換した。2008年より現在の編成で活動を開始し、自主企画の開催や作品のリリースを積極的に行う。2012年冬には初のワンマンツアーを成功に収め、2013年5月に1stフルアルバム「未来へのスパイラル」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2014年5月にはテレビアニメ「ドラゴンボール改」のエンディングテーマに採用された「拝啓、ツラツストラ」をシングルとしてリリースした。同年10月に2ndフルアルバム「inトーキョーシティ」を発表し、12月から翌年3月にかけてレコ発ツアーを実施。8月にテレビアニメ「ドラゴンボール超(スーパー)」のエンディングテーマ「ハローハローハロー」をシングルリリース。今作よりコロムビア内のロックレーベル「TRIAD」に移籍した。11月27日には初の日本武道館ワンマンが控えている。