音楽ナタリー Power Push - グッドモーニングアメリカ
夢の舞台・武道館へ 今伝えたい「ハローハローハロー」
「ROAD TO BUDOKAN」というスローガンを掲げ、11月27日に開催する東京・日本武道館公演に向けて2015年をまい進しているグッドモーニングアメリカ。そんなタイミングに、アニメ「ドラゴンボール超(スーパー)」のエンディングテーマであり彼らの新たな代表曲と呼ぶべき「ハローハローハロー」が完成した。8月12日に発表されるニューシングル「ハローハローハロー」のリリースを記念し、音楽ナタリーではメンバー全員にインタビューを実施。「2015年のグッドモーニングアメリカ」の意気込みを語ってもらった。
取材・文 / 三宅正一(ONBU) 撮影 / 小坂茂雄
未来につながる「inトーキョーシティ」
──今日は「2015年のグッドモーニングアメリカ」というテーマを軸に話を聞いていきたいと思います。まずは昨年リリースした2ndアルバム「inトーキョーシティ」をバンドの中でどう消化しているかというところから聞かせてもらえたら。
金廣真悟(Vo, G) 難しいですね。あのアルバムを作ったことで今の自分自身やバンドがあるし、すごくいいアルバムだという自負があるんです。ただ、今の自分たちのお客さんや時代にはマッチしなかったなとは思っていて。それは厳しかったセールス面においても感じました。
──作品の内容としては、僕もすごくいいアルバムだと思ってます。攻めているし、閉じてもいないし。
金廣 うん、僕も揺るぎなくそう思っていて。ただ、ライブしていても決していい反応ではなかった。「攻めてはいるけどポップでしょ!」とは思っていたんですけど、あのアルバムをそう受け取らないのが今のリスナーの傾向なのかなって。そこはシビアに受け取めましたね。
──でも、あのアルバムで新しくバンドに興味を示したリスナーもいるんじゃないですか?
金廣 うん、それも間違いなくて。とはいえ、これまでバンドが一貫して掲げていた「開いてく、届けていく」という、コンセプトであり1つのルールでもあるところからはかなりそれてしまったかなと思うところもあって。バンドというよりも、僕自身に寄ったアルバムだと思うんですよね。
──歌詞の内容にしてもね。
金廣 そう。それも悪いことではないし、ソングライターとして必要だったとも思います。だから、遠回りにはなったかもしれないけど、経験としてはよかったと思います。
渡邊幸一(G, Cho) 僕もホントにいい作品ができたと思ってるんですね。金廣が言うような、リスナーにハマったかハマってないかという部分は確かにあったかもしれないですけど、具体的に言えばライブで「STAY WITH ME」を金廣がハンドマイクで歌ったりと、新しいトライもできたので。あの曲はツアーでもキーになる曲になったし、それはすごく大きな経験だったんですよね。それは動かしようのない事実で。
ペギ(Dr, Cho) 俺も(渡邊と)同じですね。バンドが特別ズレたアルバムを作ったとも思わないし。結果がどうあれ、いいアルバムを作れて、いいツアーを回れたという実感があります。だから、すべてのことをポジティブに捉えたいと思ってますよ。もちろん「それ以上の作品を作らないと」という気持ちもあります。
たなしん(B, Cho) 俺はそもそもライブで「盛り上がろうぜ!」って煽る役割じゃないですか。そういう俺が言うのもなんですけど……先日僕らの結成の地である八王子の、八王子オリンパスホールでワンマンをやって思ったことがあるんですよ。あのライブではこれまでとは違って、オープニングから僕がお客さんを煽ることはしなかったんですね。最初からしっかり曲を聴かせるような演出をして。そこで改めて思ったのは、このバンドの一番の要は金廣が作る歌だってことなんですよね。そういう意味でも、「inトーキョーシティ」で表現したことは間違いじゃないと思ったんです。だから、今にもこれからにもつながるアルバムだと思ってます。
八王子で踏み出した武道館への第一歩
──金廣さん自身は厳しい自己評価をしているとはいえ、「inトーキョーシティ」は、これから何年後かに効いてくるアルバムでもあると思うんですよね。
金廣 絶対にそうです。僕はバンドにとって2枚目のアルバムで変化を示すことはすごく大事だと思っているんです。何年後かにその変化が必然だったと思ってもらえると思うし、名作として捉えてもらえるという自信があって。そういう可能性をすごく秘めたアルバムだと思うんですよね。ここから2015年の僕らの話になってくるんですけど、2015年は「ROAD TO BUDOKAN」というスローガンを掲げているんです。「inトーキョーシティ」のツアーが終わって、八王子オリンパスホール公演の前に11月の武道館に向けてどう進んでいくか、みんなで話し合いをしたんですね。武道館は間違いなくバンドにとって最大の挑戦だし、自分たちの力だけでここまで来れたんじゃないから、バンドに関わってくれたすべての人たちとみんなで成功させるライブにしたいと思っていて。
──だから、武道館の前に八王子でホールワンマンをやることも重要だった。
金廣 そう。八王子オリンパスホール公演はまさに「ROAD TO BUDOKAN」の第一歩で。八王子はバンドの結成の地であり、バンドが一番つらい時期を過ごした地でもあって。ライブに全然お客さんがいないところから始まって、試行錯誤しながら、這いつくばるように前に進んでいったから。だからこそ、今年に「挑戦」という以前からやっていたライブシリーズを八王子オリンパスホールでできた意味はすごく大きいんです。今回の「挑戦」がなかったら、武道館でライブすることを具体的にイメージできなかったと思うんですよね。
──ライブの演出も含めて。
金廣 そう。いつもはたなしんの「ファイヤー!」から始まるところを、紗幕に映像を映して、映像が終わったら俺にピンスポが後ろから当たって弾き語りで始まるというオープニングにして。それはホールならではの演出だったし、大きな経験になりました。
──たなしんはウズウズしなかったの?(笑)
たなしん はっきり言って全然しなかったです。「めっちゃラクー!」って思って(笑)。ぶっちゃけ、ライブのオープニングの「ファイヤー!」ってけっこうエネルギーを使うんですよ。あそこから1曲目の演奏にテンションを切り替えるのってけっこう難しいんです。でも、八王子では「本来のライブってこういうものなんだ」と思って(笑)。
──なるほどね。
たなしん それくらい1曲目から演奏に集中できたし、そういう意味でも新鮮でした。
──これからはライブの内容的にもライブハウス仕様とホール仕様、またはホール会場以上の仕様を使い分けられるということでもあるだろうしね。
金廣 そう、それがすごくよかったなと思っていて。客席を見ていて面白かったのは、いろんなお客さんが観に来てくれたってこと。イス席で横のお客さんと小さくモッシュしてる人たちがいたり(笑)。
たなしん 親子連れもいれば、ディッキーズのハーフパンツを履いてるお客さんもいてね。それはすごく理想的だなと思いましたね。
渡邊 お世話になったライブハウスやスタジオのスタッフの方たちも来てくれてね。その人たちには恩返ししてもしきれないほどの恩があるし、今の僕らがホールでライブができるようになった姿を見せることができてホントによかった。
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収録曲
- ハローハローハロー
- サイダーでも飲んで
- ハローハローハロー(カラオケ)
- サイダーでも飲んで(カラオケ)
グッドモーニングアメリカ「挑戦 第七夜」
2015年11月27日(金)東京都 日本武道館
グッドモーニングアメリカ「凌ぎ合うツアー2015」(※終了分は割愛)
- 2015年8月13日(木)神奈川県 横浜BAYSIS
<出演者>
グッドモーニングアメリカ / a flood of circle - 2015年8月14日(金)山梨県 KAZOO HALL
<出演者>
グッドモーニングアメリカ / a flood of circle - 2015年8月18日(火)大阪府 ROCKTOWN
<出演者>
グッドモーニングアメリカ / HaKU - 2015年8月19日(水)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
<出演者>
グッドモーニングアメリカ / tricot - 2015年8月25日(火)福岡県 DRUM Be-1
<出演者>
グッドモーニングアメリカ / MAGIC OF LiFE - 2015年8月26日(水)広島県 CAVE-BE
<出演者>
グッドモーニングアメリカ / MAGIC OF LiFE - 2015年9月10日(木)群馬県 前橋DYVER
<出演者>
グッドモーニングアメリカ / WHITE ASH - 2015年9月12日(土)山形県 酒田MUSIC FACTORY
<出演者>
グッドモーニングアメリカ / LACCO TOWER - 2015年9月13日(日)新潟県 CLUB RIVERST
<出演者>
グッドモーニングアメリカ / LACCO TOWER - 2015年9月15日(火)石川県 vanvan V4
<出演者>
グッドモーニングアメリカ / ROTTENGRAFFTY - 2015年9月19日(土)北海道 CASINO DRIVE
<出演者>
グッドモーニングアメリカ / LEGO BIG MORL - 2015年9月20日(日)北海道 COLONY
<出演者>
グッドモーニングアメリカ / LEGO BIG MORL - 2015年9月21日(月・祝)北海道 苫小牧ELLCUBE
<出演者>
グッドモーニングアメリカ / LEGO BIG MORL - 2015年9月24日(木)東京都 TSUTAYA O-Crest
<出演者>
グッドモーニングアメリカ / アルカラ
グッドモーニングアメリカ
金廣真悟(Vo, G)、渡邊幸一(G, Cho)、たなしん(B, Cho)、ペギ(Dr, Cho)からなる4人組バンド。2001年に前身バンドfor better, for worseを結成し、2007年より現在のバンド名に変更。for better, for worse時代は英語詞だったが、バンド名変更を機に日本語詞へと切り替え、サウンドもよりポップさを増す方向へ転換した。2008年より現在の編成で活動を開始し、自主企画の開催や作品のリリースを積極的に行う。2012年冬には初のワンマンツアーを成功に収め、2013年5月に1stフルアルバム「未来へのスパイラル」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2014年5月にはテレビアニメ「ドラゴンボール改」のエンディングテーマに採用された「拝啓、ツラツストラ」をシングルとしてリリースした。同年10月に2ndフルアルバム「inトーキョーシティ」を発表し、12月から翌年3月にかけてレコ発ツアーを実施。8月にテレビアニメ「ドラゴンボール超(スーパー)」のエンディングテーマ「ハローハローハロー」をシングルリリース。今作よりコロムビア内のロックレーベル「TRIAD」に移籍した。11月27日には初の日本武道館ワンマンが控えている。